表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の魔法使い  作者: みか
二章 入れ替え戦編
59/106

No.5


「あの時はよくもやってくれたな! お前に俺の力を見せてやる。戦え」


紅いローブの男はそう言って着ていたローブを投げ捨てる。そして現れた男の体。Tシャツを着ているせいで腕の筋肉が丸わかりだ。腕は太く、よく鍛えられている事が分かる。

こういう敵に物理的攻撃は効かない。


「…お前か。私の生徒に大怪我させたのは」


「せ、先生」


秋葉は男を睨む。背後からは怒りのオーラが見えた。今の秋葉は番長のようだ。


「ん? あぁ、暁の先生か。先生と戦うのは厄介だからな……少し大人しくして貰おうか」


「フンッ……舐めんなよ………柊、お前は下がってろ」


男と秋葉は互いに睨み合う。詠唱無しで魔法を使える両者にとってどちらも慎重だ。

あまりの緊張に息をするのも忘れそうになる。離れて見ている悠那はゴクリと唾を呑み込む。その時、両者は動いた。


「へへん」


「なっ!」


先に仕掛けていたのは男だ。

秋葉の足下の地面がまるで意思を持つかのように動く。秋葉を呑み込もうと地面は襲い掛かる。


「…甘いな」


そう言い残し、秋葉は地面に呑み込まれた。

悠那はただ唖然としている。

だが男は何か違和感を感じていた。確かに倒した筈だが本能が危険だと告げている。


「……だから甘いって言ったんだ」


「なっ! ぐあああっ」


倒した筈の秋葉の声が男の後ろで聞こえた。

男が振り向くと傷一つ無い秋葉の姿があった。一瞬でも気を抜いてしまった事が勝敗に繋がったのだろう。

男は呻き声をあげてその大きな巨体は地面に倒れこむ。


「先生!」


「おぅ。安心しろ、ただ闇魔法で眠っているだけだ…普通なら1日は目覚めない」


秋葉の言葉に安心する悠那。

と同時に秋葉の実力を間近で見ていた悠那は憧れを抱いていた。


「先生……紅いローブの男が先生を呑み込もうとして、あの魔法は何ですか!?」


「落ち着け、柊。あれは闇魔法の一種である代償を払い自分の分身を生み出すんだ」


ある代償という言葉が気になるが秋葉は聞かないで欲しいという目をしていたので聞けなかった。


「……学園襲撃の首謀者はこの男だけなんでしょうか。私と悠真が襲われた時はもう一人居ました……確かこの男がNo.5で、もう一人がNo.4でした」


悠那の話を聞きながらローブの男に近付く秋葉。当然だが闇魔法で眠っている男は完全に意識を無くしていた。


「なる程な……しかしこの紅いローブの奴らは一体何者なんだろうッ! なんだッ」


秋葉が男に触れようと近付いた瞬間、地面から岩が飛び出した。

そして油断していた秋葉の脇腹にその尖った岩が突き刺さる。


「あ…あ……せ、先生!!」


苦しそうに脇腹を押さえ顔を苦痛に歪ませ倒れた秋葉は必死に何かを伝えようとしている。

だが悠那は悠真の時の状況と場面を重ねていた。助けに入りたくても体が動かない。

自分の体じゃないようで怖くなる。


「油断したな、先生さん。邪魔者も居なくなったから本題に入るぞ…柊 悠那」


「……ぐっ」


男は何事も無かったように立ち上がると地面に落ちているローブを拾い上げ肩に掛けると悠那に近付く。

悠那は一歩、また一歩と後ずさる。

ガクガクと震える全身では秋葉を倒したこの男とまともに戦う事は出来ない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ