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最強の魔法使い  作者: みか
一章 日常編
5/106

先輩と男子生徒


「う……ぐっ」



男子生徒は苦しそうに芝生に座り込む。これで悠真の勝利は確定したが、勝利に興味は無いらしく再び肉を頬張っていた。



「…貴方は誰なんです?悠真君を知っているようでしたが…」



晴人先輩は微笑みながら男子生徒に聞いた。が、先輩の後ろからどす黒いオーラが見えた気がしたが気のせいだという事にしておく。



「俺、たまたまこの女を不良から守る所を偶然見ていたんです」



そう言って男子生徒は朱里を見る。悠真も肉を頬張りながら思い返していた。



(…あーー、あの時か)



「…あの魔法を見て俺は…俺は……あんたに惚れたんス!」



爆弾発言にここに居合わせた者全員が驚いた。悠真も例外ではなく、思わず吹きそうになっていた。おかしな様子に気付いた男子生徒は慌てて否定する。



「ち、違っ!惚れたってのはそういう意味じゃなくて…その……何て言うか、男らしさに惚れたといか。俺はあんたに着いていきたくなったんス!」



男子生徒は顔を赤らめ、左手で頭を掻きながら言った。誤解が解け本来の静けさが戻った。注目なのは悠真の返事だ。皆が固唾を呑んで見守る。



「……俺は嫌だ」



たった一言だが否定の言葉。男子生徒はまるで雷に打たれたかのようなショックを受けていた。



「……ハッ!そ、そうではなくてですね。君は一体どこの誰なのですか?」



男子生徒の惚れた発言でフリーズしていた氷乃先輩はようやく自分の仕事を思い出したらしい。まだ顔はほんのり赤い。



「……んだよ」



「へ?今、何と言ったんですか」



ようやく言葉を発した男子生徒だが声が小さく聞き取れない。氷乃先輩はもう一度聞く。



「…うっせぇんだよ、ガキ!さっきから何だよ、ガキはこんな所に居ないでさっさと家に帰りやがれこのガキ!!」



何かが吹っ切れたように次々に出てくる悪口。段々と氷乃先輩の顔色が変わっていく。次第に顔は赤く火照り、少し涙目になっている。



「ほ、ほら貴方。謝った方が良いですよ」



「ハァ?何でこの俺がこんなガキに謝らないといけねぇんだ。むしろ、注意してやった事に感謝して欲しいね」



男子生徒が謝る気がないと知った先輩達は一歩、また一歩と後ずさる。悠真も何か危険を感じ取っていた。



「……さっきから聞いていれば……ガキガキって!わ、私は歴とした17歳です!もぅ、謝って下さい。謝って下さーーい!!」



氷乃先輩が叫ぶと同時に冷気が辺りに広がる。さっきまで丁度良かった温度がいきなり-《マイナス》になったのだ。冷気は霧状になり視界を少し悪くさせる。



「…なっ……へへっ。お前も"氷"属性だったか。でもガキには負けられねぇな」



「ま、またガキって!もう謝っても絶対に許してあげないんですからねっ」



こうして突如始まったバトル。同じ"氷"属性の二人。どちらが勝つのだろうか?それはまだ誰も知らない。


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