魔物の森へ
魔物・魔獣とは何かの影響で魔力を持つ生き物に変化してしまった事。科学者の話しでは魔法と関係あるらしいがまだ分かっていない。普通の生き物と違って魔物・魔獣は凶暴で人を襲う事もある。
「な、なんで森の中に魔物が居るんですか!」
「驚くのも無理ないのぉ。実はこの中に居る魔物はわしが飼ってるんじゃ だから言う事は聞く」
「ですがさっき、魔物を退治しろと」
確かに晴人の言う通りそう言っていた。指摘されると龍王は笑い始めた。
「簡単に倒せると思ったら死ぬぞぃ?奴の強さは身を持って知ってる筈じゃ なぁ、悠真」
皆の視線が悠真に集まる。悠真は心底嫌そうな顔をするが説明を始める。
「…あぁ。奴は相手を見付けると全速力で走って来て絞めるんだ。その後、全体重でのしかかって来たりして何度死にかけた事か」
「そ、そんなヤバイ奴なのか!?」
悠真が話した事は恐らく真実だろう。悠真は身を持って知ってるからだ。だからこそ真実と知り余計に恐怖が倍増する。
「まぁ、初日は無理じゃろうが。暗くなる前には帰るんじゃぞ! そうそう。悠真、精霊王の力を使うのは禁止じゃからな」
「……行くぞ」
龍王の話しを無視して先へ進む悠真に続いて森の中に入って行くメンバー。最後尾を歩いていた朱里は突然龍王に呼び止められた。
「なんですか?」
「深い意味は無いがのぉ……ただ、悠真を頼むぞ。後“奴”は光属性に弱いから気を付けるんじゃ」
(…忠告?にしてはなんかおかしいような)
「は、はい。行ってきます」
少し遅れて朱里も後を追う。悠真達を試すように風が強くなっていく。
「悠真はともかく、他の者はどうかの」
龍王はこの状況を楽しむように微笑んでいた。悠真達の修業はまだ始まったばかりである。




