修業開始
2日後。負傷した悠真の容態も安定し、傷は少し残ったものの無事意識を取り戻した。紅いローブの者については現在調査中でまだ分かっていない。それぞれが不安を抱えたまま入れ替えトーナメントの修業を開始する。
「ふむ。これで全員かのぉ?」
「…あぁ」
龍王の質問に悠真は簡潔に答える。悠真達のチームと結城 晴人のチームは龍王に修業して貰う事になった。悠真達のように入れ替えトーナメントに向けて本格的な修業を始める生徒は多い。そして今は龍王の家に居るのだった。
「それにしても和風な家だな~」
今時珍しくもないが朝日は興味津々というような目で見渡す。古くからの風習があるような名家は大体が和風な家になっている。例が柊家だ。家の敷地なのか後方には広い森がある。そんな中、今悠真達は中庭に居る。
「わしの修業は辛いぞ? それでも着いてくる覚悟はあるかの」
龍王はいつにも増して真剣な顔付きだ。自然に緊張感が生まれ、沈黙が続く。だがこの沈黙は長く続かなかった。
「…俺はやる」
答えたのは悠真だった。その後、追いかけるように全員が「やる」と答えたのだ。様子を見ていた龍王は「着いて来なさい」と言うと家の中へ入って行った。悠真達も中へ続く。一室に入るとタンスの中から白い修行着を取りだし、一人一人に配り始めた。
「こんなの着るのか? じいさん」
「これも修業じゃよ。 ほれ、悠真は自分の修行着を持ってくるんじゃ」
「……」
若干不機嫌になりながら自分の修行着を取りに行く悠真。
「では男子はここ、女子は隣の部屋で着替えて来るんじゃ。 着替えたら早速修業を始めるぞ」
龍王の指示に従って着替えを始める。その間、龍王が女子の着替えを覗きに行かないように男子は見張る係に任命された。当然の流れだ。全員が着替え終わり、悠真も合流し再び場所を変えた。
「うぉ!! 広い森だな、こりゃ」
「森 入口→」と書かれた看板とその奥に広がる森。人工で作られたようだが鳥の鳴き声もする。だがこんな森で何をするのか分からない。
「お前達にはこの森で魔物退治をしてもらう」
龍王の言葉に悠真以外は緊張感が漂う。何故なら龍王の目は本気だからだ。




