動き始めた禍罪の者
遅れて来た二人に龍王は再び話しをする。今起きた状況が分かった所で朱里以外の全員は椅子に座る。
「……すみません。きちんと調査をしなかったせいで神崎君と柊さんを危険な目に会わせました」
まず第一声は氷乃の謝罪だった。十分過ぎる程反省したらしく、いつものような元気がない。
「起きてしまった事は仕方ないです。黒曜先生、この事を学園長に報告は?」
「…あぁ。勿論した だが学園長の意見は「入れ替えトーナメントは実施する」で中止にはならないだろうな」
「…おかしいですね。学園長は何を考えているんでしょう」
「氷乃の言う通りです……せめて、入れ替えトーナメント戦で何も起きなければ良いのですけど」
◇◇◇
とある人気のない廃墟。そこに紅いローブに身を包む者達が四人いる。《Ⅰ》と刻まれたローブを着る者は少し豪華な椅子に座り、《Ⅱ》と刻まれたローブを着る者はその隣の壁にもたれ掛かっている。《Ⅳ》と《Ⅴ》の者達は《Ⅰ》の目の前に跪いている。
「報告します、No.1。交渉の為 我々は神崎 悠真に接触しました。ですが交渉には乗らずに戦闘。No.5が放った魔法が柊を庇った神崎 悠真に当たり負傷。この後、龍王によって逃走されました」
《Ⅳ》と刻まれたローブの者は跪いたまま簡潔に報告した。隣にいるNo.5は寒いかのようにブルブルと震えている。
「…ふぅん お前は僕の大切な人形を殺しかけたのか…No.5」
強い殺気を放ちながらそう言うのは《Ⅱ》のローブ。今にも殺しそうな程の殺気を放つ《Ⅱ》を嗜む《Ⅰ》のローブ。数字的に見て一番強いのはこの者だろう。
「まぁ落ち着け……神崎 悠真の容態はNo.3からの報告を待つ。 本題だが我々、“禍罪の者”は本格化に行動を開始する」
「ふふっ やっとか、No.1」
No.1の言葉にこの場にいる誰もが喜びに溢れた。No.1は立ち上がり声を張り上げる。
「我々は動き始める。この腐りきった世を正す為に!……まずは暁学園の入れ替えトーナメント戦だ。そこで第一の行動を起こす」
「はーい」
「はっ」
「はい」
No.2、4、5の順番で返事をしていく。この紅いローブを着た者達、“禍罪の者”は一体何者なのか。そして入れ替えトーナメント戦で何が起きるのかはまだ少し先の話しである。




