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最強の魔法使い  作者: みか
二章 入れ替え戦編
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負傷


「……あの、晴人先輩。いくら何でも悠那達 遅くないですか?」


朱里は心配で気が気でなかった。それはとても嫌な予感がしたからだ。リビングルームには全員が揃っている。


「そうですね……少し氷乃に確認を取ってみましょうか」


そう言って晴人先輩が立ち上がった時だった。勢いよくドアが開かれた。そして目の前の光景に全員すぐに認識出来ないでいた。時間が止まったように静止する。


「あ……兄貴っ!」


皐月の声で時間が再び進む。目の前には血だらけで立ち尽くす悠那とこちらも血だらけで龍王に支えられている悠真がいた。


「これは一体」


「ひでぇな、この傷は」


「とりあえず朝日 あなたは氷乃を呼んでくるついでに治癒魔法を使える者を連れてきて下さい」


晴人の指示に朝日は急いで寮を出る。残された者達は悠真の応急措置にあたっていた。


「血が止まりません!」


涼が悲痛に叫ぶ。慌ただしく人が行き交う中、朱里は唖然と立ち尽くす。


「朱里さん、朱里さん!」


「は はい!」


晴人に呼ばれ朱里は慌てて返事をする。晴人の目は真剣で思わず怯んでしまいそうになったが朱里には何を言おうとしているのか分かった。


「……やります」


治癒魔法は才能と魂の資質があれば誰にでも使えるが、光属性の者は飛び抜けて才能があった。言い換えるなら治癒魔法の才能に長けている。


悠真の隣に座ると一度、深呼吸をする。そして心を無にして傷口に手を添え詠唱を唱えた。


「…エル・フォーラム・ディ・ヴァンフォーレ」


朱里の手元に白い魔法陣が現れる。構築が終わり魔法が発動する。普通の魔法と違い、治癒魔法は時間が掛かるのが特徴だ。その為その者の魔力の大きさが重要になる。治癒魔法は魔力が切れるまで相手に魔力を与え続ける事ができるので術者の体力、魔力、精神力に左右される。


「朱里さん、無理は禁物ですよ。辛くなったら他の者に頼めますから」


「はい…」


そう返事をすると朱里は再び集中する。その間、詳しい話しを龍王から聞く事になった。悠那は精神的ダメージが大きい為、自室で休ませている。


「……なるほど、紅いローブを着た者達が。これはますます氷乃に報告した方が良いでしょうね」



ガシャン



静まりかえった空間に不釣り合いな音がした。この音はドアが蹴り開けられた音である。


「…すみません 遅れました」


「……それで神崎と柊は無事なのかよ?」


生徒会長の連城 氷乃と担任の黒曜 秋葉が立っていた。


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