入れ替えトーナメント
悠真達が暁学園へ入学してから1ヶ月が経った。そんな時、突如“入れ替えトーナメント”を開催すると通達されたのだ。開催は5ヶ月後の10月。今までの入れ替え戦とは別に全生徒が対象で絶対参加となっている。
「うーん…いきなりそんな事言われてもなぁ」
今、悠真達は寮にいる。学園長により“入れ替えトーナメント”開催まで授業は4時間とし、放課後は好きにしろと言われていたのだ。
「…どうすれば良いんでしょうかあーちゃん先輩」
「どうするって言われてもなぁ、これは学年別だからお前らはCクラスで集まって作戦考えれば?」
朝日にそう言われて朱里は配られたパンフレットに目を映した。
“入れ替えトーナメント”出場資格者
・本学園の生徒である
・本学園の教員または学園長
“入れ替えトーナメント”ルール
・各学年の代表者、四人を選出する。なお、それ以外の生徒は一切の手出しを禁じる。
・順番は当日に決定する。
・代表者の中で一人でも戦闘不能になれば負けとする。
・精霊王と契約している場合、精霊王の力を使う事を許すがその場合は事前に担任へ報告する。
「細かく書いてあるな」
「そうだね、でもあーちゃん先輩の言う通りクラスで話し合わないとね」
盛り上がる中、悠真は気になる事があった。
(…何故、急に開催を決めたんだ?)
朝日が言うには“入れ替えトーナメント”は今年初めて開催が決まったらしい。悠真はそれが気になっていたのだ。
「…お呼びですか、お祖父様」
薄暗い和式の部屋の中にお祖父様と呼ばれた男が座っている。男は黒と白が混じった髪に鋭い瞳、細い体をしているが目に見えない鋭い刃に刺されているようなピリピリした感じがする。
一方で女子の方は茶髪で肩ぐらいまである髪を後ろで結わいている。整った顔立ちをしているが腰には刀を差していた。
「お前を呼び出したのは他でもない……分かっているな、悠那」
「…はい。兄さんの事ですよね」
そう言って悠那と呼ばれた女子は悲しそうに目線を落とした。
「そうだ。お前の耳にも届いているとは思うが、実は炎の精霊王と契約をしたらしくてな…出来れば連れ帰って欲しいのだ」
「……はい」
その話しはつい先日、聞いた話しだった。本家ではその話題で持ちきりになり悠那自身もそこで知った。
「理不尽だという事は分かっている…だが“悠真”の力が欲しい所だ。近いうち、戦いが始まる…戦力は多い方が良いからな」
そう言って悠那の前にある紙切れを出す。そこにはなにやら地図が書かれている。
「これは…」
「それは暁学園への地図だ。ある知り合いから入手した情報では悠真はそこに居るらしいとの事でな…既に転入の手続きはしてある…頼むぞ」
悠那は分かっていた。自分の行為が兄を傷付けるという事を。だがやらなければいけないのだ。
「…はい、この柊家次期当主である柊 悠那。必ずやお祖父様のご期待に答えます」
悠那は深々とお辞儀をして部屋から去った。




