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最強の魔法使い  作者: みか
一章 日常編
17/106

それぞれの過去
















━━━━━━━━━━━━━━━━━…

━━━━━━━━━━━━━……

━━━━━━━━……



「…ん……あっ、悠真は!?」


朱里が瞬きをした一瞬で元いた場所、第三グラウンドに居たのだ。膝元には悠真の頭が乗っている。朱里には長く不思議な夢を見ているようだった。


「………良かった、のかな?」


そもそも倒れていた悠真を話も分からずに助けようとした朱里だ。どうすれば悠真が助かるのか分かる訳もない。


「……………一つ、聞いていいか」


黒曜 蒼真がそう言う。朱里は緊張しながらも次の言葉を待つ。


「………柊 悠真はお前にとって何だ?」


「…大切な友達!」


まるで天使のように微笑む朱里に黒曜 蒼真は背を向けてどこかへ歩いて行ってしまった。残された朱里はこれからどうすれば良いのか分からずオドオドする。


「おい、前園。私も手伝うからとにかく今日は寮に戻れ……もう夜だ」


「え………え!も、もう夜!?」


朱里が悠真を助けに入った時は夕方だった。時間の事よりも長い間、悠真を膝枕していた事に顔が赤くなってしまう。


「そうだ。私も暇じゃないからな…という訳で神崎は私が連れてくぞ」


(……あれ、さっき悠真の事“柊”って?)


「あ、あの先生!悠真は一体何物なんですか」


朱里の質問に唖然とする黒曜 秋葉。ようやく理解すると腹を抱えて笑っている。


「アハハハッ、か、神崎がハハッ何物だ?なんだその質問は…フッ、ハハハハ」


「ちょっ、笑い過ぎですよ!…だってさっき一緒に居た人が悠真の事、“柊 悠真”って。神崎の筈ですよね?」


朱里が言い返すとさっきまで笑っていたのが嘘のようた、闇のような冷たい瞳を向ける。その瞳に朱里は勝手に震えてしまう。


「…誰だって知られたくない過去がある。お前だってあるだろ?それにな、こういうのは本人から聞いた方が私は良いと思うけどな」


気が付けばいつもの黒曜 秋葉に戻っていた。


「そうですね。……あ、所で悠真は本当に大丈夫ですか?私は一応光属性ですけど出来損ないで…本当に闇を祓えたのか心配で……もしかしたらこのまま覚めないかと思うと怖くて」


無意識に思い出してしまう。"出来損ない"と言われた頃の事を。急に不安が押し寄せてくる。自分のせいで悠真が死んでしまったらという恐怖が襲う。


「…それなら問題ないな。蒼真の闇魔法は殆ど把握してる…お前は神崎を助けに闇へ入り戻って来ただろ?これが証拠だ。それにさっきの魔法、上級魔法だろ、凄いじゃないか!お前は全然"出来損ない"じゃない」


黒曜 秋葉の言葉に朱里の不安が消え去った。幼い頃から言われて来た言葉。だがその言葉は否定されたのだ。お前は"出来損ない"じゃないと言われた事が一番嬉しかったのだ。


「あ、ありがとうございます」


(…全く、お前も十分苦労してるだろ)


「よし、じゃあ神崎を運ぶぞ。起きたら何かおごって貰わないとな」


「それは少し可哀想な気が…」


悠真の過去を少しだけ知った朱里は少しだけ距離が縮まった気がしたのだった。


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