魔物と会った!
朝になった。
僕の出かける用意はもうできている。
でもまだ僕は出発しない。
なぜならリカさんがお見送りに来てくれるというのだ。
イヤーあの人いい人だなーってまた思ったよ。
だって普通見ず知らずの人にこんなことしないじゃん。
あ、リカさんが来た。
「待たせた?」
「いえ、まだそれほど」
こう答えるとリカさんが僕にふくろを渡した。
「はい、お金、頑張って来てね」
おお…………
なんと優しい人だろう。
見ず知らずの人にお金まで上げるとは………
だから僕は元気いっぱいに、
「はいっ!!」
って答えたね。
出発してから15分くらい経ちました。
そして今、死にそうです。
重力が重いこと忘れてた。
辛い、辛いよう……
何で乗り物が無いんだよう。
着いたら服を買おうと、思っていたのが懐かしい。
あ、今の服は普通の制服。
だって中学の帰りにこの世界に来たんだもん。
そういえば、何で化け物って言われたんだろう??
魔力かな??
特殊能力かな??
僕的には、魔力がいいな。
だって男の夢だもん。
というか、何でこんなこと考えているんだ!!!!
こんな死にそうな時に。
本当にどーしよう。
あっ、あんなところに洞窟が、やっぱりファンタジーだなって、思った。
じゃなくて、なんで簡単に流してるんだ!!!!
そこで休めばいいじゃないか。
うん。
ということで山本匠、洞窟で、休むことになりました。
「えっ?」
洞窟の中に入った僕、山本匠はそれはもう驚きました。
なぜなら、
「たぶん、魔物だよな」
そうです、魔物と思われる生き物が100匹ほど居ました。
更に皆、温かそうに寄り添って。
最初は死ぬかと思ったけど、反応しないから、その中に入れて貰いました。
言ってなかったけど外は寒かったからさ。欲望に負けちゃたわけよ。
まあ怖かったけど。
ん、ん?
あーー寝ちゃったあ!!
いま見ると魔物が怖い………
あれ?
なんか狼姿でボス的な雰囲気をはなった魔物がやって来てるよ?
怖い、怖すぎる。
僕、死ぬのかな??
あっ、僕の前に立ったよ。
『お前、何者だ』
えっ?
頭の中に直接響いてきたよ??
念話とかそう言う物?
『お前は何者だ』
おっと返事を忘れていた。
何者って聞かれても人間だけど。
うん、それでいこう。
「人間です」
『では、聞こう。お主は我々を滅ぼすのかね』
「そんな力が僕に有ると?」
『有るな。それほどの魔力が』
へー。
なんか嬉しいな♪♪
僕に魔法が使えるとは。
ぐふふ。
『まあ滅ぼすと言うなら、無駄だろうが、命を懸けて止めさせて貰うぞ』
「そんな気持ちはないので」
『それはありがたい、あと、我が名は……覇王と呼んでくれ』
おお、ゲーム的な名前。
そういえば、重力が重いから、乗せて行かせて貰えればありがたいんだけどなぁ。
お願いして見ようかな。
お願いしよう。
「あの~。前の世界より重力が重いから乗せて行かせて貰うのっていいですか?」
『ほう、異邦人みたいだな。別に良いぞ』
「ありがとうございます」
魔物っていっても優しいじゃん。
『だが、飯は自分でとれ』
「分かりました」
そういえば、お腹が減っていたしサバイバル的なこと、しにいくか。