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お昼ご飯の悲劇

作者: 福永護

うわあああああああああああああああっ!」


 とあるお昼休み、誰かの断末魔(だんまつま)が校舎中に響いた。というか三代だった。


「うるさいぞ」

「ご飯が!」

「それがどうした?」


 相変わらずの温度差で会話する光。これでうまくいくのだから不思議だ。


「糸引いてる。なんかひw…なんでもないです。ご飯が腐ってます。もう手遅れです」


 光からの殺気を感じ取って悪乗りを即座にやめる三代。ようやく学習したようだ。


「そうか、たいへんだな」


 (棒)と付け足したくなるほど棒読み風に返す光。


「助けてくれよ!」

「購買で何か買って来ればいいだろ。なんかしら残ってると思うぞ?」

「お金ない…」


 光は知っている。三代の金欠は自業自得であると。この男は金を手にすると即座に趣味に費やす馬鹿野郎である。


「自業自得だな」(ヒュン

「いたー!」


 そう言いながら放課後用にとってあったおにぎりを投げつける光。それはものの見事に三代のメガネを直撃した。


「ありがたく思え」

「へへー」


 おにぎりを頭の上に掲げる三代。ちゃんと見捨てない辺り光も鬼ではない。


「うまかったー」

「そうか?」

「え?」


 食べ終わったあと三代がそう言うと光は意外そうな反応をした。


「あれ先週のやつなんだけどな」


 笑いをこらえながら光が言う。それとは裏腹に三代の表情は青ざめていく。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」





 その後、放課後まで三代を見たものはいなかったそうな。

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