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相対

◇◇◇◇◇


 相手との距離がどんどん縮まっていく。相手の動きの方が数段速い。

 まだしっかりと姿を目で捉えることは出来ないが、どうやら男の様だった。

「確か、二人の内の男性って……あのヤンキー面の……」

ということは気性が荒いに違いない。早めの対応が必要かもしれない。

 しかし、物凄い速度で突っ走る電車の生み出す強風は立ち上がれば、ましてや高校生の女の子など、たちまち吹き飛ばされるだろう。

つまり、圧倒的にこちらが不利。更に早めの対応と言ってはみたものの、それは何だろうか。


 相手との距離は、既に車両五台分にまで縮まっていた。早く何か案を見付けなければ、こちらの負けは見えている。何か……何か無いか……



◇◇◇◇◇


 いた……彼奴だ。

どうやらまだ俺だということに気付いていないらしい……しかし、相手を仕留めようと何か思案している風だ。


「こんな強風では立ってられねぇ。這いつくばって行くしかねーのか」

 俺は屋根の溝を掴みながら進んだ。ここで死んでは台無しだ。


相手との距離が車両五台分というところまで来た。もう少しで彼奴は俺に気付くだろう。そして驚愕くるのだ。

にやけが止まらない。

 もういっそ走って行って彼奴ごと道連れにしてやろうか……

「……ん…?」

俺は前方で何やら彼奴の銃が輝いているのが見えた。

「ま、まさか!」

俺は身を捩り、銃の狙いからずれる。

すると、ほぼ真後ろの屋根が音を立てずに霧消した。まるでポリゴンが崩れていくように。

「あいつ……俺に気付いたのか?……いやそうじゃない……普通は撃てない……クソ!」

俺は、追撃を何度もスレスレでかわしつつ、彼奴に近付いて行く。

そして………

「し……翔ちゃん?!」

「ああ……千里……俺だよ……翔だ」

多分次で終わるッス!

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