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裏側

∞∞∞∞∞


 千里………本当に良かった………君が生きてくれるなら………僕は死ねる…………


 『それでは皆さん、御一緒に!』

女のアナウンスが聞こえたと同時に、背中を強く押された。

どん。

列車のガタンガタンという音、周囲で泣き叫ぶ人々の声。どれもが霞んで聴こえる……。

ああ………俺はもう……死ぬのか……ああ……あ…ああああ……あああああああああああ、「うわあああああああああああああ!!!!!」

 気付けば、声を荒げていた。やはり、俺には死ぬ覚悟なんて出来ていなかったのだろうか………?

ただ、いい気になって、みんなの前で演説でもしてりゃ、支持を得られると?

政治家と、やってること一緒じゃないか……結局、公約を果たせずハイオシマイ。終わり。そんなものに何の意味がある? 意味が無いのなら、やらない方がマシだ。100倍良い。何も考えず、ただ自分の為だけに動いていれば良かった。多分俺の頭ならこのゲーム、勝っていた。だが、今の状況は? 俺は偽善者。結局口先だけ……ははは、俺はどうしようもないクズだな。周りを期待させるだけさせておいて、最後は、方法がない、気を確かに持て。俺は何様だ? 王にでもなったつもりか? 笑えないな………

でも……でも………そんな俺を慕ってくれる千里なら……許してくれるよな? だから、その顔、もう一度見せてくれ………


翔は、落下しながら体を反転させ、千里を向いた。

「………!……そういうこと……か。全部、謎が解けた」

王、いや、女王はお前だったのか。


ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン……………



∞∞∞∞∞


「し、翔ちゃん………」

 今、全てが終わった。翔ちゃんの最後を……実際には目を瞑っていたから見れてないけど、その最後を見届けた。


『生き残った皆様! 大変おめでとうございました! 今回のゲーム、皆様の勝利となります!』

「お……終わった……」

 千里は、ぺたんと床に座り込んだ。精神的な疲労が激しかった様だ。

今回のゲーム……翔ちゃんのおかげで……ん……あれ?

“今回のゲーム”?

ま……まさ……

『続きまして、第二ゲーム、[兼]最終ゲームの説明をさせて頂きます』

「ち……ちょっと待って! 終わりじゃなかったの?! 第二? 聞いてないわ!」

翔ちゃんに託された命はどうなるの?!

『………あんまり煩いと射殺しますよ。気を付けて下さい』

「!」

 背筋に電流にも似た悪寒が走る。ぞくりと、背に手が這った様だ。

『第二ゲームは、【第二十三次列車大戦】です。皆様には、指定された武器を持って殺し合って頂きます。そして、生き残った一人が勝者。本当に脱出することが出来ます』

殺し合い……?!

そんなことを急にやれと?

『心配はご無用です。殺傷能力がかなり高い武器で戦って頂きますし、それは非常に威力が強く、相手の体は粒子レベルまで散ります』

そんな恐ろしい兵器……使える訳がない……

まだ包丁の方が……死体も残るから、葬儀だって出来るし……

『では、あと数分後到着する特急列車でスタートします。皆様、もしかするとはき違えているかもしれませんので言っておきますが、“列車で”とは“列車の上で”ということです。そこをお間違え無く』

「……はぁ? れ、列車の上、って屋根の上?」

何でそんな場所で殺し合いを? 純粋に殺し合わせたいのであればもっと戦いやすい場所にすれば良いものを。

「兎に角……人を殺すなんて…………ううん、でも殺らなきゃ。翔ちゃんが、翔ちゃんが、翔ちゃんが……」

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