兄の思い
《ナイ視点》
やっほ~、ナイだよ☆本名はナイレルシア・ルートスレビィアっという名前で、希望の魔女です。
私と契約した人間の少女、ミリアは特別な少女。あの子は分かっていないけどミリアの家族は知っているみたいだね…ミリアの事。あの子についてはいつか絶対知る時が来るからそれまでは何も言わないことにしよう。もう1度言うけど…あの子は、ミリアは特別な子…特別だからミリアのお父様は外(町)に出さなかったのだから…。
おもしろいよねwだから私はあの子と契約したの。あ、もう一つ理由があるの、それは…ネイに頼まれた七つの大罪を集めて来い、という命令。ネイが誰なのかはまた今度教えるね。
そういえば今日、ミリアのお兄様が町へ連れて行ってくれるって…すごいうれしそうにミリアが言ってたなぁ~。ん?もちろん私もついて行くよ?
* * *
《ミリア視点》
今日は初めての町!ドキドキするな~。
「ミリア、あまりはしゃぎ過ぎない様にね?」
「はい!」
私が返事をするとお兄様が私の頭を撫でてくれました。
「知らない人について行かないようにね?約束だよ?」
お兄様が心配そうに言ったので私は頷いておきました。お兄様と約束したので絶対に知らない人にはついて行かないようにしましょう。
* * *
《セア視点》
僕の目の前で目を輝かせている僕の可愛い妹…あぁ、癒される。父上と相談してやっとあの子を外の世界に連れ出すことができた。心配事がすごくあるけど…僕がしっかり守らないとね。
…あの子には秘密にしている事があるけど、あの子が知って壊れたらって思うと中々言えないよね…父上や母上に何回相談しても無理だ。ミリア…今の君は初めての町で頭がいっぱいだろうけど、いつもの君は何を思っているの?何を考えて行動しているの?僕は普段の君が心配だよ…。
「お兄様?」
あぁ!そんな瞳で僕を見ないで!…落ち着け…落ち着くんだセア、妹が可愛いからって兄らしくしないと。
「ん?どうしたのミリア」
「…何でもな~い♪」
いつ見てもミリアのあの探るような視線には慣れない、さすがだね。
「ねぇ、お兄様」
「何だい?」
「これが町なんだね…みんないきいきしてる」
「…そうだね」
…ごめんねミリア、ずっと小さい世界に閉じ込めていて。
「今日は町へ、外の世界へ連れて行ってくれてありがとうお兄様」
「ミリア…」
君はなぜ自分が外に出られなかったのか聞かないのかい?…ミリア。
「最初は…外の世界が怖いと思ってた、でも…こんなに賑やかで、楽しくて、本当にうれしいの」
そう言って笑う彼女に僕はただ見つめるしかなかった、心の底から謝りながら。すると僕の後ろに居た希望の魔女、ナイが笑った。
「よかったねミリア」
「うん!」
安心したよ、本当によかった。
「明後日は父上が王宮へ連れて行ってくれるし、よかったねミリア」
「うん!!」
そう言って笑うミリア…可愛い。
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