少女の家族
《ミリア視点》
今は朝、カーテンの隙間からもれる光に私は横を見た、私の横には綺麗な人が寝ていた。彼女の綺麗な桃色の髪はすごくさらさらしていた。
彼女の正体は魔女…。昨日私と契約をした希望の魔女と言われる少女、私と歳があまり変わりが無いように見えて実は100年生きている。
驚きだよね、私も最初驚いたもの……それにしても本当に綺麗~私なんか汚いし…。
あ、起きた。
「ん…おはよ~ミリア」
「おはよう、ナイ」
見ているだけで癒される…。
なにこれ…夢じゃないよね!!
「どうしたの~?」
「あ、いや、なんでもないよ…それより朝ごはんどうしようか?」
それがまず最初の問題。裕福な家庭で育った私には家族が5人いる、父と母、兄と姉、妹、そして私。
兄は魔術学園高等部の優等生、頭も良くて顔もいい…女子達には大人気。
姉も魔術学園高等部で誰もが見とれる美少女…告白された回数は数え切れないほど。でも告白してきた男子について姉はいつも私に愚痴る…。
妹も魔術学園中等部。可愛い、すごく可愛い…私の癒し。
父と母も見た目20代…。父はなんと国王陛下の親友らしい…なんと恐ろしい。
そんな家族を持つ私は平凡…だと思う。
なぜ思うかって?知らないわよ、だって私鏡なんて一度も見たこと無いもの。家族の皆からは可愛いとか美少女とか言われているけど…自分の姿なんて見たことないのだから知るわけ無いでしょう?ずっとそんな日々を過ごしてきたのだから。
それに、私…家の敷地内から出たこと無いのよね~…なぜかというと、私は父が王宮にいる間の家の事をすべて任されているから。結構頭いいのよ私、すべて任されるということは色々あるのよ…。
「う~ん、どうしようか」
「もう皆に言っちゃう?後々めんどいし…」
はっきり言ってさっさと言ってしまえば私の仕事が減る!
「そうだね、そうしよっか」
やったね!仕事減る!!
「ということで、魔女のナイです」
「はじめまして皆さん、希望の魔女ナイレルシアです。ナイと呼んで下さい」
そう言ってお辞儀をしたナイに家族の皆は唖然としている…おもしろい。ま、予想通りの反応ね…誰だって驚くものね、魔女が目の前にいたら。
「…本当に契約をしたのかミリア」
「はい」
まだ立ち直れて居ない父に笑顔で私は答えた。
「さすが僕たちのミリア」
「立派ね」
兄と姉に褒められた!
「ありがとうございますお兄様、お姉様」
こちらも笑顔で返してあげた。二人の顔はとろけそうな顔だ…私は知っていますよ?貴方達二人がシスコンだということを…。
「ミリア姉さま凄い!!」
「ありがとうレイナ」
あぁ、我が癒しよ!!お姉様はうれしいよ~!
「すごいわねミリア…ナイさん、ミリアと仲良くしてあげてくださいな」
お母様!わたくしはお母様の子として生まれてきて幸せです!!
こうしてナイは家族とも仲良くなりました…もうこれで終わりでいいじゃない。え?まだ始まったばかり??…分かったわよ。
もう少し話せ、てどこぞの誰かさんが言っているので話すわね。
私の家は実は公爵家、さっき父と国王陛下は親友って言ったよね?父が公爵の爵位を持っているから親友なのかもね。
私は公爵令嬢っていう訳、兄、姉、妹は魔法学園に通っているからいろんな人に知られているけど…確かあの学園は平民も行けるのよね…?話がずれた…私は学園には通っていないからたぶん知っていても姿は見たことないだろうね。…シスコンの兄、姉が私のいろんな事を話しているらしいの…妹のレイナもたまに私の事を友達に話しているんだって~…。はぁ…。
近いうちに父が私を王宮に連れて行ってくれるって~あ、でもその前に兄が私を外へ連れて行ってくれるの!!初めての外だから楽しみ!町並みを見れるなんて…。
ん?もう終わっていい?あらそう…
皆さん、ではまた。
《絶望の魔女視点》
あの子が契約した少女は普通の人間ではないようね…。本当にすごい魔力を持っている……彼女は家の全てを任されているから外に出たことが無いと言っているけど、もっと違う理由がありそうね。あの子はそれを知っていそうな感じだったけど…。これからとてもおもしろそうな事が起きるかもしれないわね、クスクス…。
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