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少女と奇妙な物語  作者: 森崎優嘉
第一章 superbia
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南の国 1

本当に本当に遅れてしまってすいません!詳しくは活動報告を御覧ください。

《ミリア視点》


トウリウス王国を出発して4週間、私たちは南の国ナンジア王国に到着した。南の国だけにあって気温は暑い…夏ではないはずなのにこんなにも気温が高いとはさすが南の国ね。


「さすが南の国ね…何回来ても暑い」

「こ、こんなに暑いなんて…」


初めて外に出た私にとってこの暑さは毒ね…熱中症に気を付けないと。


「ミリア、水分はしっかりとって、あとは具合が悪かったらすぐに言ってね」

「うん…ナイったらお母様みたい」

「お母さんよりお姉さんの方がよかったのになぁ…ミリアは初めて外に出ていきなり南の国に来てしまったから無理はしないでね」

「大丈夫よ、何かあったらすぐにナイに言うわ」


何も無いことを祈るけどね。…そういえば、ずっと気になっていたことがあるんだった!


「ねえ、ナイ」

「ん?」

「どうして南の国に来たの?」

「…ミリアはどうしてそう思ったの?」

「だってナイは相談もせず、旅が始まる前から南の国に行くことが決定しているみたいだったから」


ナイはいつも元気で私たちの前では笑顔を絶やさないけど私は知っている、よく難しい顔をして窓から外の方を睨んでいることを…。


「…ふふ、それでこそ私と契約した主、さすがミリアね…確かに私は前からここへ来ることを決めていたわ」

「なんで?」

「この国に器の気配があったから」

「器…七つの大罪」


七つの大罪。ナイと契約をしなければ知ることはなかったもの。


「本当はね、トウリウス王国にも器の気配があったんだけど…あっちはまだ大丈夫そうだからこっちの方を優先したの」


ナイの言葉に驚いた。


「…大丈夫なの?」

「大丈夫よ、むしろ少し暴れてくれないと面倒だしね」

「そうなんだ…」


それでいいのかしらね…まあナイが言うにはまだまだ時間があるからゆっくり探して行けばいいみたい。その間に私は広い世界を見ていけばいいとのこと…


「ということで…」

「?」

「観光と行きましょうか♪」

「…はい?」


何をいきなり言い出すと思ったら…観光ね、本で見たことはあるけど南の国ナンジア王国様々な遺跡と特産物があるみたいね。行ってみたいとは思っていたけど…本当に行ける日が来るなんて思ってもいなかったわ!


「ミリアは今までずっと家で本ばっかり読んでいたのでしょう?だったらこの国の観光場所なのかも知っているんじゃない?」

「…うん、実はね、ずっと行ってみたい場所がこの国だけでなくたくさんの国にあるの」

「そう…じゃあこれからたくさん見に行けるわね」


そう言って微笑むナイに私は頷いた。私が外に行けるようになったのはナイのおかげでもあるのだから…。ナイだって本当の目的があるのに私のこともしっかり分かってくれている…魔女だと忘れることもあるのだけど、本当に魔女なんだなって思ってしまうのは心の中の秘密。


「さあ、どこ行きたい?」


そう言ってナイが差し出したのはこの国のパンフレット。


「ええー…と…あ、ここ!」


そう言って私が指を差したのはナンジア王国の西にあるエイリス遺跡。


「エイリス遺跡はここから近くの駅で汽車に乗って行けるみたいね…よし、行こう!」

「おー!」


そうして私たちは駅に向かって歩き出した。







『エイリス遺跡。南の国ナンジア王国と西の国旧アイビス帝国(現在のザイロス帝国)との国境に位置していた小さな王国の跡で、ナンジア王国と旧アイビス帝国との貿易同盟を組んでいた。107年に起きたセイルド戦争でナンジア王国と旧アイビス帝国との戦いの場になったことにより、エイリス王国も戦いに参戦したが戦力不足のため1日で全滅、国王も自害。長い戦いだったため避難していた住民も戻らずナンジア王国は崩壊した。


セイルド戦争のためほとんどが破壊されていたが王宮は多少残っており、その技術の高さにナンジア王国と現在のザイロス帝国がナンジア王国をナンジア遺跡と称し、建設技術が現代まで語り続けられている。

  《ナンジア王国図書館寄贈 ナンジアの歴史記載》  』




《ネイ視点》


皆さん久しぶりね、絶望の魔女ことネイよ。

今私がいるのは魔界。なぜ魔界にいるかって?それはまだ秘密よ、ナイにも秘密にしているの。

まぁ、ひとつ言えることは私の探しものがあるから…あの子にも頼んだ私の探しものはどこでも行ける…たとえ魔界だろうとアレは自分の住処を見つけては取り憑き、取り憑いたものを死へと導く…。

それをばら撒いたのは私なのだけど…ふふふ。ここまで言えば貴方は気づいたでしょう?

でも誰にも言ってはダメよ?言ってしまったらアレは貴方の元へ来るかもしれないわね…ふふ…ふふふ。






誤字・脱字がありましたら言ってください。

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