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だから、お願い。
悔しくて
苦しくて
感情を押し殺す
出そうになる嗚咽を
歯を食いしばって
噛み殺す
そうしてにっこり笑って 常套句を紡ぐのだ
「大丈夫」
何が大丈夫なのか
もう わかんないくらい
幾度も幾度も口にしてきた
貼りつけた笑みも
明るい声も
本音とは裏腹な
作り上げた 「わたし」
「私は 大丈夫」
ほっと安堵する表情を見て
反比例するように
昏く染まっていく... 私のこころ
それでも、
それでも私は 人形のように繰り返す。
「大丈夫だよ」
だから、お願い――
――私を見ないで。