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変わること 変わらないこと
変わりゆく時の中で
変わらないのは 僕の心
変わりゆく他人の中で
変わらないのは 君の存在
思い出そうとしても それだけはさらさらと零れ落ちていくのに
忘れたいものは 日々形を成して
傷を刻み付けるように 冷たさを増す
掌で触れれば ひび割れて 輪郭を崩すけれど
変わりゆく君と
変われない僕と
置いてけぼりの感情が 軋む心を苛むけれど
それでも幸せで
それでも温かくて
君の姿を ただ求めて
手を伸ばして 腕の中に引き寄せる
それが例え 現実に叶わない夢の中でも――