31/48
*久しい再会
しばらくしてノックが響きベリルはドア越しに気配を探った。
「誰だ」
「俺だよ」
その返しにドアを開くと、可愛い顔立ちの青年が立っていた。
「いや~、仕事が終ってのんびり観光してたら電話が入るんだもんな」
苦笑いを浮かべて部屋に入る。
「すまんな」
「!」
見覚えのある青年にソフィアは目を丸くした。
「あれ。どういうコト?」
彼女を見た青年の目も驚いた表情を浮かべている。
「送り届けてくれないか」
状況の飲み込めないダグラスに一通り説明した。
「ああ、送還の護衛で要請してきたの」
「私はまだ依頼の途中でね」
「!?」
彼の首に飾られたチョーカーに青年は数秒、無言になる。
「……ベリルが付けてるなんて珍しいね」
彼には彼の持ち歩き方がある、運ばれてきたままの状態というのは珍しい。しかしすぐ、彼の表情から察して肩をすくめた。
「甘いなぁ」
ベリルらしいけど……と付け加えた。