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*天使のいたずら
次の朝──
「!」
出発する準備をしていると、玄関の呼び鈴が鳴る。
「?」
ソフィアがリビング入り口の傍にあるディスプレイを覗くと、可愛い顔立ちの青年が笑顔でカメラに目線を向けて立っていた。
<スロウンさーん、お元気ですか~?>
「え……?」
スロウン?
「ふざけてないで入れ」
「!」
後ろから突然の声にソフィアがビクッ! と振り返ると、彼がいつの間にかドアを開くスイッチを押していた。
「お久し振り~……っと、また女の子連れ込んでんのね」
「えっ!?」
「誤解を招く言い方はよせ」
「あっはっはっはっ!」
彼が眉をひそめると、その青年は楽しそうに声を上げて笑った。
「……?」
なんなんだろうこの人? 親しげに彼と話す青年をマジマジと見つめた。