1/1
prologue
「初めての青空記念や」
そう呟いた関西弁の青年は色素の薄い茶髪を風に靡かせながらカシャリとその空に向けてシャッターを切った。
奏美高等学校、屋上、塔屋の上。その高校の制服とは別の制服に身を包んだ青年は少しだけ微笑んだ。
彼の一眼レフから覗く空はどこまでも青く、どこまでも遠く、そしてありえないほど近くに感じた。
ほどなくして重々しく、誰かが屋上に繋がる階段を登ってくる音がした。
首から下げているカメラの赤い、小さな丸いボタンを押して、Rec.の文字が表示された。
「エンドロールは笑って」
彼は未来の誰そ彼にその言葉を託した。




