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企画参加作品

「(お家で飼っている犬の)お名前は何ですか?」「いぬ!」

作者: のどあめ

本作品は、しいな ここみ様主催『瞬発力企画』参加作品です。

 しいな ここみ様主催の瞬発力企画、本日が最終日。お題は「犬」で思い出してしまいました。


 最後にお目汚しですがアホなエッセイで参加したいと思います。



 昔、昔、まだ少しだけ若くて上の家族が幼児だった頃、母である私は思う所がありました。


 職場では口から先に生まれたような人達に囲まれて。口が重い私が「あ〜」とか「う〜」とか言っている間に「のどあめ、やれるよな」でなぜか面倒くさい仕事が回り。やらかしの責任がうかうかすると私のせいになる事数しれず。口下手は損をするを嫌になるほど感じてきました。


――家族には社会の荒波を生き抜ける様に、言語能力を身につけさせねば



 で、見つけたのが幼児向けお話教室。

「子どものうちから体験を通して論理的にお話する力を育みましょう」がコンセプトの教室です。割と近いし、何より月謝が良心価格(当時は共働きだったので()()余裕があった)だったので通わせてみようと申し込みました。


 電話して是非にと勧められた説明会に行ったら紺色や黒のお受験ルックな親子の集団がいてびっくりしたけど。(近くの超名門幼稚園を目指す親子の御用達教室だったのです。田舎者の私は知らなかった。)

それは置いておいて。



 幼児の心を摑むプロの先生方がママ達から離れて前列で観ている幼児達を劇で魅了します。


「今度はみんなで探検に行こう!」

「わ〜い!!!」


 ハーメルンの笛吹みたいに幼児達を別室に連れて行った後で行われた保護者向け説明では、入会にあたり「簡単なテスト」をすると言われ。後日家族を連れてテストを受けにいきました。


 最後は先生と家族の面接です。私は近くの控室で待機。


大きな声の先生と元気な声の家族で行う面接のやりとりは控室まで聞こえてきます。 


 私に似ず、物怖じしない家族は先生の問いにハキハキと答えていきます。


「お名前は?」

「◯◯は〜な〜です!」

「今、何歳?」

「しゃんさい です!」


 面接は進みます。


「お家にペットはいる?」

「?」

「お家に犬や猫はいる」

「はい!」


 え?何言ってるのうちの子。共働きの我が家にペットはいないのに。当然、犬猫もいません。


「何飼ってるの?」

「いぬ!」


 めっちゃ焦ります。うちの子、仮想ペット作っとる〜。


「(お家で飼っている犬の)お名前は何ですか?」


 なんて答えるんだ、はな。

 どうするんだ、はな。


「いぬ!」


 ガタッ。答えを聞いて私はずっこけました。しかし先生は神対応してくれました。


「本当?あやしいな〜」


 等とおっしゃりながら次の質問に進んだのでした。


 面接は無事に終わり、先生に「家、ペットいないんです」と恥ずかしながら告白しました。「あ、やっぱりね。いいんですよ」と慣れてらっしゃるのか、にこやかに笑ってくださったのでした。


 後日、なんで「いぬ」と答えたか家族に聞いてみると。


「お家にわんちゃんのぬいぐるみがいるから。犬がいるって言ったの」

「犬の名前はいぬだから」


 という答えが返ってきました。


 ペットがいない家で育つ家族には、

「ペットに名前をつける」という概念が無かったのです。私は反省して、金魚を飼おうと思いました。



 ――この時には理解していなかったのですが。幼稚園や小学校の試験で面接がある訳が今ならわかります。こうやって家での環境や経験の有無が丸裸になるんですね。


 ある意味、怖い質問でした。

「(お家で飼っている犬の)お名前は何ですか?」


 おしまい


(余談)

 今回のお話を書くにあたり、件のお教室を調べてみたら閉校されていました。とても良いお教室だったので残念です。

その節は、家族が大変にお世話になりました。O先生、K先生はじめお教室の先生方ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
お話教室ではそのようなテストや面談が行われているのですね。 私は子供がいないので、こうした世界の話は実に興味深いです。 家庭環境や経験の有無など、面談での質問では色々な事が分かるのですね。 なるほど、…
三才で、みしらぬ大人と保護者がいない状態でここまでキチンと会話のやり取りできるのは天才では Σ(´∀`;) 凄いですね! しかもお母さんにペットがいると答えた理由を聞かれて、 「お家にわんちゃんの…
お話教室を舞台にしたエピソード、子どもの発想力や想像力に、はっとすることがありますよね。とても興味深く読ませていただきました。ありがとうございます。
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