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心に蓋をしてくれたみんな。  作者: 龍  岳
【様々な女子達、それぞれの思い】
9/17

第9話 買い物(一人)

 今日は土曜日の朝7:30。

 いつもなら、すぐに部屋を出て、顔を洗いに行ったりするのだが……。


「起きてたら、マズイもんな……連絡先くらい交換しとけば、確認できたのにな……」


 俺は、部屋の中から外に聞き耳を立てる。


「ん〜……特に物音はしない……時間が早いから起きてないとは思うんだよな……」


 よし。行くか。

 俺は部屋を出て、リビングへと向かう。


「よし、いないな」


 俺は、洗面所へは行かずに、キッチンで顔を洗う。

 そして、二人の朝食を用意する。一応昼食も用意しておいて。


「外食するのであれば、これは夜でもいいな」


 昼食用は、冷蔵庫に。


「さてと、行きますか」


 俺は朝食をテーブルの上に置く。あ、もちろん、ラップはしてる。

 そして、部屋に戻り、着替える。


「行ってきま〜す」


 小声で挨拶をし、家を出た。


 ☆ ♡ ☆


『次は〜〜〜〜〜〜』


 俺は今、電車に乗っている。

 大型家電量販店に行くためだ。


「一日に洗濯機と掃除機が壊れるとは、思ってなかったな……」


 そう。昨日の朝、洗濯機と掃除機が壊れてしまった。

 だから俺はその二つを新調する為、買い物に出ているのだ。


「よいしょ。え〜っと……こっちか」


 駅から店に向かう。

 道中、コンビニにより飲み物を買ったりなんだりして、家電量販店に到着。


「まずは掃除機を見るか」


 俺はまず、掃除機を見る事にした。

 テレビとかで見るけど、最近の掃除機って機能がすごいらしいからなぁ〜。

 何気に楽しみなんだよな〜。


「お〜。色々あるな〜」


 掃除機コーナーには、沢山の掃除機が並んでいた。

 軽いやつや、従来の掃除機、多機能のやつとか、分離するやつとか。

 これ、いかんな。迷う。まぁ、予算は決まってるから、予算内に収まるのを買わなきゃなんだけどね。


「ん〜……」

「あの〜」

「え?」


 声をかけられたので、店員だと思って見たら、そこにいたのは店員ではなかった。

 そこにいたのは──、


「は、早口、さん?」

「ど、ども……」


 そこにいたのは、身長が低く、小柄で、メガネをかけていて、右目を前髪で隠した、ショートカットの少女──早口 (ともび)さんだった。

 髪色は灰色と言う珍しい色で、その中に少しだけ紺色が混じっていて、綺麗な髪をしていると思う。

 小柄で低身長なのに、服の上からでも分かるほどの巨乳で、男子人気は結構高かった。


「こんなところで会うなんて、偶然ですね」

「そ、そう、ですね……」


 う〜ん……会話が終わってしまった……。

 早口さんとは、そこまで話した事がない。というか全くないと言っても過言じゃない。

 そんな人と何を話せばいいんだ……?


「お、お買い物の邪魔、しちゃって、ご、ごめん、なさい……」

「あ、いや。全然大丈夫ですよ。早口さん何を買いに来たの?」

「そ、それは……」


 ほぼ初会話に近いのに、プライベートな事聞くとか気持ち悪すぎだろーーーーーー!


「あ、ご、ごめん……! 答えたくなかったら答えなくても大丈夫だから」

「ううん……きょ、今日は……き、キーボードを、か、買いに、きたの……」

「キーボード? もしかして、ゲームとか結構やる感じ?」

「は、はい……」

「そっか。しかもキーボードって事は、中々の玄人だよね。どういうゲームが好き……とかって聞いても大丈夫ですかね?」

「はい……あんまり大きな声じゃ言えないんですけど……」

「うん」

「(え、エッチなゲームが大好きなんです……)」

「………………」


 俺は、耳を疑い、固まってしまった。

 今、なんと言いました?


「や、やっぱりひ、引きます、よね……」

「え!? あ、いやいや! ひ、引いてなんてないよ!」

「ほ、本当……?」

「あ、あぁ! ちょっとビックリしただけで、引いたりなんてしないよ」


 こんな可愛い子がエロゲやってるとか、人の趣味嗜好は本当にわかんないなぁ〜。


「俺もそういうゲームやるし」

「ほ、本当!」

「お、おう……」


 急に距離を詰めてきた!? しかも、目がキラキラかが屋してるし!


「どういうジャンルが好きなの?! 私はね、男の子に尽くして尽くして尽くしまくるのが大好きなの! 上から目線で命令されたり、無理矢理されたりとか、そういうのがすっごく大好きなの!」

「は、早口さ〜ん……ちょっと落ち着こうか? ここ、お店だから……」

「あ……ご、ごめんなさい……! 私、好きな話になると、周りが見えなくなっちゃって……」

「大丈夫大丈夫。みんな大体そうだから。そうだ。買い物が終わったらどっか行こうか。ゆっくり話せる所に。ね」

「は、はい……! は、梁矢君と、沢山お話したい、です……!」

「っ!」


 な、なんだ……今、鼓動が高鳴った……。

 早口さんの笑顔が、可愛すぎる……。


「じゃあまずは、お互い買い物を済ませようか」

「はい!」

「じゃあ、また後で」

「はい! また後で♪」


 俺達は一旦別れ、買い物に戻った。

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