第5話 巨乳美少女転校生
各自制服に着替え、リビングに集まった俺達。
「お〜優君、格好いい〜♪」
「はいはい、どうも」
「なんかあしらわれた!?」
う〜ん……改めて見ると、俺しかいなかった家に美少女が二人いるって結構やばいよな。
湊さんは、膝上にかかるくらいのスカート丈で、校則には引っかからないが、鈴さんの方は、ザ・女子高生って感じで、スカート丈が短く、校則にバリバリ引っかかりそうだった。
それに、二人とも胸が大きいから、制服が持ち上げられてて……って、俺は何考えてんだ!
煩悩退散!!!
「それで、一応確認なんですが、財布は大丈夫そうですか?」
「あ、そうだったそうだった。え〜っと……」
鈴さんが学校指定のカバンの中を探る。
が、その表情がどんどん焦ったものになっていく。
「す、鈴さん……?」
「鈴、どうしたの?」
「あ、あ、あ……」
鈴さんの額には、脂汗が大量に浮かび始める。
「ない……ない……なんで!?」
「「っ!?」」
鈴さんは、カバンをひっくり返し、中身を床にぶち撒けた。
「なんで……なんで……なんで……!?」
「ど、どうしたのよ、鈴」
「ないの……」
「何が」
「財布が、財布がないの!?」
「「え!?」」
「なんで……!? 確かに昨日まではここに入れてあったのに!? あの財布には生活費とか食費とか全部のお金と、学生証とか全部入ってるのに……!?」
「鈴」
「は、はひっ!?」
「学校終わったら、お部屋においで?」
「は、はい……」
な、なんか湊さんの目が怖い……。目の光りが一瞬にして消えたんだけど!?
「じゃあ、学校帰りに警察に寄って、紛失届を出しましょうか」
「は、はい……ご迷惑をおかけしてすみません……」
「お昼は、俺が買う時に一緒に買っとくので、リクエストがあったら言ってください」
「何から何まで、すみません」
「いえいえ。それじゃあ、行きましょう」
「はい……」「はい」
俺達は、学校に向かう事にした。
☆ ♡ ☆
「本当になんでもいいんですか? 何かリクエストとか」
「いえ。お金を出してもらうのに、図々しくリクエストなんてできません。それに、何があるのかもわからないので、優君セレクトでお願いしたいです」
「分かりました。鈴さんは?」
「わ、私はサンドウィッチがあれば……」
「鈴?」
「あ、な、なんでもないですっ!? 優君セレクトでお願いします」
み、湊さん、怖ぇ〜……。
「じゃあ、色々と買っておくので、お昼休みに屋上で」
「「はい」」
二人は職員室に行かねばならないので、一旦お別れ。
俺は自分の教室、1年2組に向かった。
「お、優。おはよう」
「おはよう」
教室に入り自分の席──窓際の一番後ろと言う、最強で最高の席──に座ると、一人の男子に声をかけられた。
声をかけてきたこの男は、俺の数少ない友人の一人の『畑谷 紅』。
金髪がよく似合うザ・イケメンで、なんで俺とつるんでんのかいつも疑問に抱くくらいの男だった。
成績優秀、運動神経抜群。おまけに顔もいい。
こいつに勝てる所なんてどこもない。
しかも、こいつは彼女持ちだ。
「なんか、疲れてない? 大丈夫?」
「ん? あぁ……まぁ……大丈夫だよ」
「ん〜? そんな感じには見えないんだけど?」
「……………まぁ、気にすんな」
「まぁ、お前がそう言うならそうするけど……何かあったらちゃんと言えよ〜?」
「あいよ」
そう言って紅は、自分の席に戻っていった。
男子や女子達と仲良く談笑する紅。
「な〜んで俺なんかと仲良くしてくれんだろうな〜」
俺がそう呟くのと同時に、担任教師が入ってきた。
教師が入って来たことにより、生徒達は談笑を止め、自分の席へと戻っていく。
「え〜HRの前に、このクラスに加わる転校生を紹介する」
先生の言葉を聞いた途端、生徒達はざわめき始める。
「はいはい、静かに。入って」
「はい」
先生が、廊下側に向かって声をかけると、一人の女子が入ってきた。
もちろん、俺はその女子を知っている。だが、まさか同じクラスになるとは思ってなかった。
「初めまして。梁矢 鈴と申します。今日からどうぞ、よろしくお願いします♪」
と、鈴さんがお淑やかに挨拶をする。
短いスカートの裾をつまみ、ゆっくりと左右に広げ、まるでお嬢様のようにお辞儀をする。
『おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!』
鈴さんの挨拶を受け、男女ともに湧いた。
それはもう、うるさいくらいに湧いた。
あれ? でも、家にいる時とキャラと性格が違うような……?
「うふふ。ん? あ! 優君!」
「ふぇ……!?」
突如、俺の方を向き、嬉しそうに満面の笑みを浮かべ、俺の名前を呼んだ。
それを受け、生徒達は湧いた。そう、湧いたんだ。別の意味でな。
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