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心に蓋をしてくれたみんな。  作者: 龍  岳
【様々な女子達、それぞれの思い】
23/24

第23話 転校初日

 財布の紛失届を放課後に届けに行くことにし、私達は学校に向かった。


 下駄箱前で優君と別れ、私と鈴は一旦職員室に。

 そして、鈴は一年生の担任教師と、私は二年の担任教師と一緒に職員室を出て、それぞれの教室へと向かう。


 職員室は二階にあり、一年生の教室は一階。二年生の教室は三階にある。ちなみに、三年生の教室は二階にある。


 中々に変な作りだなとは思う。

 なぜ最上級生の教室が二階にあり、二年生が三階なんだろう?

 まぁ、深く考えても分かることではないので、考えないことにする。


「じゃあ、ちょっとここで待っててね」

「はい」


 三階に上がり、二年二組の教室前で立ち止まる。

 先生はそう言って、教室に入っていく。

 私は廊下で待っている間、深呼吸をした。


(やっぱり、こういうのって結構緊張するね)


 転校なんて初めてだから、しっかりと受け入れてもらえるか分からない。

 それに、もう少しで二年生も終わると言う時期に転校してくるなんて、普通ならありえない。

 すでに仲のいい空気が出来上がった中に入っていくのはかなり怖い。


(でも大丈夫。もしここで受け入れられなくても、私には優君がいるから)


 そう思った時、私は首を傾げた。


(なぜここで優君?)


 私はなぜか優君の事ばかりを考えていた。

 なぜこんなにも優君の事を考えてしまうのだろう……。


「入ってくれ」

「あ、はい」


 そんな事を考えていると、教室の中から先生に声をかけられた。


「ふぅ〜……よし」


 深く深呼吸をして、私はドアを開け中に入った。


 ☆ ♡ ☆


「それじゃあ、自己紹介よろしく」

「はい。梁矢 湊と申します。進級前の変な時期での転校ですが、仲良くしてくれると嬉しいです。よろしくお願いします」


 私は自己紹介をする。

 と、教室のみんなが拍手をしてくれた。


 よかった。優しそうな人ばかりかも。


「じゃあ、梁矢の席はあそこな」

「はい」


 私は中央の一番うしろの席(左側)に向かう。

 椅子に座り、隣にいる女子に挨拶をする。


「これからよろしくお願いします」

「……………………」

「…………?」


 挨拶をしたんだけど、隣の女子は私の事をジッと見つめたまま返事も何も返してくれなかった。


 わ、私何かしたのかな……?


「じゃあ、朝のHRを始めるぞ〜」


 隣からの熱い視線を感じながら、私は朝のHRを受けた。


 ☆ ♡ ☆


 朝のHRが終わると、教室中の生徒達が私の元に集まってきた。


 どこから来たのか、なぜこの時期に、彼氏はいるのか、美容室はどこなのか、好きな教科、得意な教科、嫌いな教科、苦手な教科、好きな食べ物、嫌いな食べ物、運動は好きか嫌いか、使ってる化粧品は、得意料理は、などなど、一回では答えきれないくらいの質問を投げかけてきた。


 私はゆっくり一つずつ答えていく。

 得意な料理はなく、家事全般苦手と答えると、全員から嘘だ〜と言われた。

 いやいや、本当なんだけど。現に今日は朝から洗濯機と掃除機を壊して、包丁で指を切ったんだけど。


「………………………」


 質問に答えてる間も、隣の席の女子はずっと私を見つめてくる。

 一体なんなんだろう……。


 その後は特に何事もなく時間が過ぎていった。

 友達が五人もできたのは驚いたけど(男子二人、女子三人)。


 そして放課後。


「……………………」


 私は鞄に教科書を詰めながら、隣をチラッと見る。

 と、隣の席の女子はいまだにずっと私を見てきていた。

 ここまで見られては、流石に気になる。


「あ、あの」

「…………………」

「私に何か?」

「…………………梁矢ってどういう事?」


 やっと口を開いたと思ったら、名字を突っ込まれた。


「え、えっと〜……どういう事とは?」

「なんであなたが優さんと同じ名字をしてるのかって聞いてるの」

「っ!?」


 こ、この人、優君を知ってる!?


 ……………まぁ、同じ学校だから知っててもおかしくはないんだけど。


「す、優君を知ってるんですか?」

「えぇ。一年一組にいる梁矢 優さん。窓際の一番後ろの席に座ってる。ファミレスでバイトをしてる為部活には所属していない。委員会は美化委員。朝早くから学校に来て花壇や庭などの手入れをしている」


 め、めちゃくちゃ詳しい!?


「いつもなら八時前に、ヘタをしたらもっと早く来るのに、今日は遅かった。不思議に思ってたら優さんと同じ名字のあなたが来た。これってただの偶然?」


 す、鋭い……。


「く、詳しく話したいんですけど、今日この後予定があって……明日でも大丈夫でしょうか……?」

「えぇ。私もこの後予定があるから、そうしてもらえると助かるわ」


 よ、よかった……。


「じゃあね」

「あ、はい」


 隣の席の女子は、鞄を持ち教師を出ていった。


「な、なんか怖いんですけど……」


 私はあの人と、今後深く関わって行くことになるのだろうか……?

 嫌だなぁと思いつつも、迎えにきた鈴と一緒に職員室へと向かった。

 湊の転校初日、いかがだったでしょうか?

 隣の席の人に、何も言われずにジッと見つめられたら怖すぎますよね……。


 隣の席の女子は、なぜ優の事に詳しいのか。なぜ少し威圧的なのか。


 その答えは、この先の物語で!

(次話では、女子の名前が明らかになります!)

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