表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
心に蓋をしてくれたみんな。  作者: 龍  岳
【様々な女子達、それぞれの思い】
21/24

第21話 引っ越し初日のバタバタ

「失礼します」

「し、失礼しま〜す……」


 私と鈴は、一軒家の家の玄関の鍵を開け、中に入る。


「これってさ、端から見たらかなり怪しいよね……?」

「うん。まぁ、鍵を持ってるからそこまで怪しまれないけど、ここにすでに人が住んでる事を知ってる人が見たら、かなり怪しいだろうね」


 そう。私達が入室したこの家には、すでに人が住んでいる。

 表札には『梁矢』と書かれている。


「意外と綺麗だね……」

「鈴、それ普通に失礼だよ?」

「い、いやだってさ、男の子の一人暮らしって散らかってるイメージがあるんだよ……ネットで調べてもそう出てきたし……」

「勝手なイメージと、ネットの不確定な情報に踊らされるのはやめなさい。鈴にそのつもりがなくたって、相手がそれを聞いたり知ったりしたら、深く傷つける事になるかもしれないんだから」

「は、は〜い……」


 私は朝から鈴に喝を入れつつ、二階に上がる。

 この家に住んでる人は、まだ寝ているだろうから起こさないようにそっとだ。


「鈴はどこ使う?」

「じゃあ〜……ここ」

「うん」


 階段を上がると、真正面にクローゼットがあった。

 そして、少し広い廊下があり、階段から見て左側に二部屋。そして、右側に三部屋ある。

 トイレは右側の三部屋のさらに先にある。


 この家に住む人は、左側にある二部屋の内の一つを使っているようだ。

 鈴は右側の三部屋の内の階段に最も近い場所を選んだ。


「お姉ちゃんは?」

「私は……」


 正直迷った。鈴の隣の部屋でもいいんだけど……。


「私はこっちにする」

「ん」


 私は左側の部屋、つまりこの家に住む人の部屋の隣の部屋を選んだ。

 どうしてなのかよく分からなかったが、隣にしたいと言う気持ちが溢れてきた。


「じゃあ、部屋も決めたから、とりあえずお風呂入っていい?」

「部屋に荷物を置いたら、入っていいよ。物音は立てずにね?」

「は〜い」


 鈴は右側の部屋に向かった。

 私も左側の部屋に向かい、細心の注意を払いながら部屋に入った。


 大きな肩掛け鞄をそっと床に置き、中からTシャツを一枚取り出す。


「多分まだ起きないから、これでいっか」


 私は着ている服(左肩とおへそを出したトップスと、タイトなミニスカート)を脱ぎ、下着姿になる。

 そして、Tシャツだけを着て、部屋を出る。


 鈴は……お風呂か。


「早いな」


 一階に降りると、洗面所の方から気配を感じた。

 少しするとシャワー音が聞こえてきたので、お風呂に入ってるのが分かった。


「トイレ行こう」


 私は一階にあるトイレに向かう。


「ふぅ〜」


 パンツを下ろし、便座に座る。


 何気に荷物を持って移動って疲れるよね。

 と言うか、再婚しようと思ってるって言った次の日に婚姻届出して、その次の日に引っ越しって展開早すぎでしょ。


 今日持ってきた荷物以外の荷物は、後日届くらしい。

 ベッドとか机とか無いから、それは必要だよね。

 布団もないから、荷物が届くまでどうするか考えないと。

 お母さんも一緒にこの家に来るのかと思ったら、再婚相手がいる海外に向かっちゃうんだもん。

 行動力ありすぎだって……。


 と、私がトイレで色々考えていると──、


 ガチャ。


 と、トイレのドアが開く音がした。

 え? 鍵閉め忘れてた?

 前を向くと──、


「あ……」←(私)

「んえ……?」


 そこにはこの家に住んでいる人、梁矢 優君がいた。


 優君の視線が、私の顔から胸、腰、下半身に流れていき、その次の瞬間、顔を真っ青にして──、


「う、うわぁあああああ! す、すんません!?」


 と、叫びながらドアを閉めて、去って行った。


「……………………」


 私はゆっくりと立ち上がり、パンツを穿く。

 そして、トイレを流し廊下に出る。


「っっっっっ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?」


 私は顔を火が出るんじゃないかと言うくらい真っ赤にして、その場にしゃがみ込む。


「い、いいいいいいいいいい今、み、見られたよね……!? あの視線の動きからすると、絶対見られたよね……!?


 顔を両手で覆う。

 触れて分かる。顔が熱い……!


「な、なんで私鍵かけてないの……!? 変な所見せちゃって絶対引かれるよ……!?」


 これから一緒に生活していくのに、初っ端からこんな所見せたら、気まずくなって壁作られちゃうよ……!


「しかも、着替えとかならまだしも、トイレを……しかも出し──」


 そこまで口に出して私は口を押さえた。

 それを口に出したら、恥ずかしさと申し訳なさでどうにかなってしまいそうだから。


「うぅ〜……どうしよう……優君の顔、上手く見れるかな……?」


 とんでもない所を見せてしまった……本当にごめんなさい……優君……。


「後でちゃんと謝ろう」


 そう決意したけど、その後にもっと謝罪しなければいけない事になるとは、この時の私は思ってもみなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ