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心に蓋をしてくれたみんな。  作者: 龍  岳
【様々な女子達、それぞれの思い】
18/24

第18話 灯のミッション!

 け、結局撮れずに帰りのHRになっちゃった……。

 そもそも、私はなんでこんなに頑張ってるんだろう……。

 確かに、梁矢君の事は好き。でも、だからって盗撮を頑張る理由にはならない。

 じゃあ、なんで……?


 私はチラッと、梁矢君の方を見る。

 眠そうな顔で先生の話を聞いている梁矢君。

 その顔を眺めていて分かった。私がどうしてこんなに撮りたいと思うのか。

 それは……。


 梁矢君の素をずっと見ていたいからだ。


 私は多分、変態なんだと思う。

 梁矢君の、人には見せない姿を見たいと思っている。

 光さんに見せてもらった写真の中には、絶対に人には見せないプライベートな姿の梁矢君がいた。

 私は、心のどこかで、こんな写真を自分も撮りたいと思ったんだと思う。

 だからだろう。私がこんなに頑張っているのは。


 でも、どうしよう……。このままじゃ今日が終わっちゃう……。

 このままじゃ、光さんに認めてもらえない……。

 どうしよう……。


 そんなこんなで、ついに放課後になってしまった。


 ☆ ♡ ☆


 帰りのHRが終わり、みんなが続々と席を立ち下校して行く。


 マズイマズイマズイ!

 ど、どうしよう……! こ、このままじゃ梁矢君、帰っちゃう……!


「優君! 一緒に帰ろう!」

「ごめん、買い物があるから」

「一緒に行くよ〜! 荷物持つし!」

「いや。一人でいい」

「む〜! 嫌だ! ついて行く!」


 鈴さんが粘っている。

 その間に作戦を立てないと……!


「鈴〜? 帰るよ〜?」

「あ、お姉ちゃん! ねー聞いて! 優君が一緒に買い物させてくんないの!」

「また〜? 優君は一人で落ち着いて買い物したいんだって言ってるでしょ〜? 鈴が付いて行ったら、余計な物ばっか買うし、うるさいし、迷惑でしょ」

「え〜! 何それ〜!! 私、そんなうるさくないし、余計な物入れないよぉ〜!」

「あ〜はいはい。分かった分かった。ほら、帰るよ〜」

「あっ! 待って! 嫌だ〜〜!」

「優君、ごめんね〜」


 鈴さんのお姉さんである、湊さんが鈴さんを連行して行った。

 鈴さんのお姉さんって事は、湊さんも優君と一緒に住んでるんだよね……。


「優〜? 帰ろうか〜」

「あぁ」


 あ! どうしよう……! このままじゃ帰っちゃう……!

 う〜〜〜〜!


 梁矢君を追いかけた。


 下駄箱で靴を履き替えている梁矢君と、畑谷君。

 チャンスは、今しかない!


「あ、あの……!」

「「?」」


 二人が私を不思議そうに見てくる。

 き、緊張する……!


「は、梁矢君! しゃ、写真を撮らせてください!」

「「………………………?」」


 ふ、二人がボカンとした表情を浮かべてる……。

 そ、そりゃそうだよね……いきなりこんな事言われたらそうなるよ……。


「優……この子って同じクラスの早口さんだよね? 接点あったの?」

「まぁ……この前たまたま外で会ってな。そこで趣味とかが同じだから意気投合したんだ」

「へぇ〜……君も何気に、隅に置けないね〜」

「うっせ。んで、写真ってどういう……?」

「あ、うん……あの……」


 心臓の音うるさい……!

 手が震える……足も震える……!

 でも、言ったからには頑張らないと!


「あ、あの、ね? あの、その……は、梁矢君の連絡先のアイコンを設定したくて……そのアイコンを梁矢君の写真にしたいな〜って思って……駄目、かな……?」


 我ながら無理がある理由だと思う。

 こんな理由で写真なんて、撮らせてもらえる訳……。


「なるほど。いいよ」

「ですよね……ごめんなさい──え?」

「え?」


 今……今、いいよって言いましたぁ!?


「ほ、本当にいいの!?」

「う、うん……そのくらいなら全然。逆に俺も早口さんの写真撮ってもいい?」

「あ、は、はい! もちろんです!」


 嬉しいぃ〜〜〜!!!

 今この場で飛び跳ねたい! でも、そんな事、好きな人の前でできない!


 私が心の中で小躍りをしていると、梁矢君の隣にいた畑谷君が──、


「ってか、だったらツーショット撮ればいいんじゃ?」

「ふぇ!?」

「あ〜確かにな」


 ヤバイヤバイヤバイヤバイ!

 梁矢君の写真を撮るだけでもこんなに緊張してるのに、つ、つ、つつつつつつつつツーショットなんてぇ!?


「早口さん、どう?」

「も、ももももももももももちろんよろしいでござりまする……」

「その口調、何?」


 畑谷君に突っ込まれてしまった。

 私だって分かんないですよ〜!


「じゃあ、僕が撮ろうか?」

「そうだな。じゃあ頼むわ。早口さんもそれでいい?」

「あ、は、はい!」

「どっちのスマホで撮る?」

「わ、私のでお願いします」

「了解」


 私はスマホを畑谷君に手渡す。


「ほら、二人もっと寄って」

「はいはい」

「っ!?」


 は、梁矢君のか、かかかかかかか肩がぁぁぁぁ!!

 私なんかの肩にぃぃぃぃ!!

 触れてるぅぅぅぅぅ!!

 ヤバい! こんなの死ぬ!


「じゃあ撮るよ〜」


 カシャ。


「こんな感じだけど、どう?」

「っ!」


 わ、私がは、梁矢君と同じ画角に収まってる!

 こ、こんな夢みたいな事あっていいのぉ!?


「だ、大丈夫です! あ、ありがとうございました!」


 私はスマホを受け取り(ほとんど奪い取るような形)、廊下を走り光さんの元へ向かった。


「あ、後で送ってね〜!」

「は、は〜い!」


 ごめんなさい、後でちゃんと送らせてもらいます!

 盗撮とは言えませんが、なんとか写真を撮れた灯。

 光にその写真を見せに行くのですが、果たして光はその写真を認めてくれるのか?


 続きは次話で!

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