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婚約破棄~破棄されるのならバックレてしまえ卒業式

作者: 山田 勝

「リリー!ドレスのシワを取ってないでしょう!」

「お嬢様、申し訳ございません」


 バチン!


 ビンタをされた。私はメイドのリリー、栄光あるセドリア公爵家令嬢カトレーヌ様のお付きのメイドだ。


「殿下と会うのに間に合わないじゃない!」

「申し訳ございません」



 私がお嬢様付に選ばれたのは単純に地味だからだ。

 茶髪に、薄いブラウンの瞳に、髪は肩まで、地味顔だからだ。

 アクセサリーをつけていないのを夫人に気に入られたようだ。


 お嬢様はエメラルドグリーンの目に、長く見える顔を嫌って、金髪を縦ロールして顔側面を飾り。顔の長さに目が行かないようにしている。いや、そうしなくても美人だと思うが、好む人は猛烈に好む美人になっている。


 公爵家はメイドに慎ましいアクセサリーならつけるのを認めている。

 だが、私は興味がないからつけていない。さすがに、主従でこれ以上目立たない方が良いと言う事のようだ。



「急いでシワを取りなさい!」

「はい」



 しかし・・・執事から報告があがった。


「カトレーヌ様、殿下は、今日は急用が入ったそうでお茶会は中止にするとの事です」


「また・・・じゃあ、黄色いドレスでいいわ。用意して」

「はい、準備は出来ております」


「まあ、シワがないわね・・リリーやれば出来るじゃない」

「お嬢様有難うございます」


 しかし、今回はやり過ぎたか?


 ワザと殿下から頂いたドレスにアイロンを掛けなかった。


 最近、殿下の側に悪い虫がついている。男爵令嬢だ。

 使用人経由で、今日、男爵令嬢が殿下にお忍びで視察という名のデートをしようと催促をしていると聞いた。

 お茶会に男爵令嬢を連れてくる勢いだ。修羅場になる。延期になれば良いと思った。


 私は男爵令嬢が怖い。お嬢様と魔力反応を起して爆裂でも起きそうなイメージが浮かぶ。


 そいつは・・・


 あ、お茶を出さなければ。



 お嬢様は自分に厳しい。だから、他人もそうであるべきだと要求する傾向が強い。

 それは、幼い頃から厳しい教育を受けてきたから仕方ない。


 しかし。


「・・・リリー、お茶、有難う。さっきはやり過ぎたわ。許可するからエレンのところで治療を受けて来なさい」


「はい、お嬢様、有難うございます」


 根は優しい。反省する心を持っている。貴族にしては珍しいと思う。



 ・・・・



「これは、ヒールを掛けるほどでもないわね。水で冷やしなさい。あまりヒールをかけると、人の治す力を弱めるわ」


「はい、エレン先生ありがとうございます」


 エレン先生は30を少し超えたぐらいで、公爵家にお抱えになるぐらいの実力の持ち主だ。魔力を使う。聞いてみるか。


「先生、相談があります」

「まあ、いいわ。その水に濡れたタオルをあてながら話してね」


 そう、私はあの男爵令嬢をとても不気味に感じる。

 しかし、お嬢様のご学友たちは、取るに足りない存在だと思っている。



「先生、人族の姿をした化け物っているのでしょうか?何て言うか、一人なのに、その背後には、数万、いえ、数十万、数百万の意思を感じる。

 無邪気のようでいて、まるで、子供が持つ特有の残酷さみたいなものも合わせ持っている・・」


 時に子供は好奇心でアリを踏み潰す。・・・僭越ながら、男爵令嬢はお嬢様をただの障害として踏み潰す自信があるように思えて仕方ない。



「まあ、抽象的ね。分からないわ」


「そうですね。すみません」


「でも、強いて言えば勇者様かしら。王侯貴族から庶民までの期待を一身にうけるけど・・・純粋な正義感が時には危ないこともあるわ。複雑な人族の社会を正義感だけで割り切るのは無理なのよね」


「そうですか」



 それから、お嬢様に付き従い学園に行く日々だ。

 授業中は使用人控室で待つ退屈だ。

 学園は自治、護衛騎士はあくまでも通学中の護衛だ。


 公爵家の使用人は私一人だ。終わるまで待つが。


 タタタタタ!と廊下を走る足音が耳に入ってきた。


 あ、男爵令嬢の足音だ。逃げなきゃ・・・


 ガラン!とドアを開け入って来た。


「皆様!お菓子を作ってきましたの。食べて下さらない~」


「まあ、メロディ様、いつも有難うございます」

「クッキーを焼いたのですね」


「はい。どうぞ」



 こいつ、分かっている。使用人を味方につけようと・・

 私は逃げる。


「あら、リリーさん。貴女もどうぞ」

「いえ、用事がありますので」


「じゃあ、紙に包むから持って行きなさいよ-」


 無理矢理手に持たされた。ヤバい・・・手が触れた。




 ☆回想


 メロディは化け物だ。人は軽薄な令嬢と笑うが違う。


 今、思えば、仕込まれていたと思う。


 学園の回廊で手帳を拾った。

 名が書かれている。

 家門は、コルツ男爵家のご令嬢か。


 前を歩く令嬢がそうであろうと声を掛けた。

 そいつが、メロディだった。


「失礼、お嬢様のものではございませんか?」

「まあ、有難う!」


 手帳を渡そうとしたら、手をギュウと両手で握られた。


「えっ」

 得たいのしれない力を感じた。

 そして、奴は異国の言葉で話しかけた。何て言うか南方の言語と北方の言語が混ざったような不思議な発音だった。



「(お助けキャラのリリー、カトレーヌ様の弱点を教えて)」


「え、え?あの何を・・」


「あら、まだ、早かったかしら」


 奴はそのまま去った。冷や汗が出た。『カトレーヌ』の発音は分かった。

 不気味で仕方がない。


 お嬢様は五カ国語を話される。外国の要人と話しているのを聞いた事があるが、どの言語とも特徴が一致しない。

 多分、この大陸の言語ではないのだろう。いや、この世界の言語では・・・考えすぎか。



 ・・・・・



 身構えたが、あの時のような感じはしない。


「まあ、私は男爵令嬢よ。その前は平民だったのだから、そんな緊張しないでいいのよ」


「「「さすがメロディ様!」」」

「気さくよね」

「まあ、公爵家はお堅いから、驚いたのでしょう」



「失礼します・・有難うございます」



 私はもらったクッキーをエレン先生に渡し調査を依頼した。


「まあ、魅了?」

「ええ、男爵令嬢が配っているので・・もしかしてと思って」


「・・・分かったわ。知り合いの鑑定士に調査を依頼します。貴女の身分は保障されます」



 魅了薬、国家禁制の薬だ。内部告発が推奨されている。

 もし、使っている者が発覚したら、家門断絶の厳しい処置だ。

 そんなリスクを犯すものはいまい。


 と思ったら、その通りだった。


「考え過ぎね。ただのクッキーだったわ」

「そうですか」


 なら、なおさらおかしい。


 何故なら、ここ最近、男爵令嬢が公然と殿下の側に侍り。側近候補、中にはお嬢様のご学友も男爵令嬢に接近している。


 お嬢様はイライラしているのに違いない。


 ただの男爵令嬢でこれは異例だ。




 ☆学園


「アハハハハ」

「メロディは全く」

「「「ハハハハハハ」」」


 放課後、お嬢様に付き従い生徒会室に行く。資料の準備を手伝う。


 しかし、回廊は殿下と側近候補たち。人だかりになっていた。

 原因は、あの男爵令嬢だ。


 クルクル回り。『キャ!キャ!』とダンスのように回っているだけだ。



 お嬢様は待つことはせずに殿下に話しかける。


「ヴェルナー殿下、会議のお時間ですわ」


「ああ、そうだったな」


「フフフ、じゃあ、ヴェル~ゥ、またね」

「ああ、しかし・・」



 チィと舌打ちまで聞こえてまるで蜘蛛の子を散らすように解散した。


「ちょっと、待ちなさい。コルツ男爵令嬢、殿下に愛称呼びは失礼ですわ!」


「ええ~、学園では学生は皆平等ですよぉ~」

「だからって」

「まあ、いい。これも学生時代だけだ」



 危うい。あの男爵令嬢はこの学園特有の空気を使うのが上手い。


 しかし、殿下は今年卒業、お嬢様は一歳下で男爵令嬢と同学年だ。

 殿下さえ卒業すれば何とかなるか?


 これ以上、打つ手はないだろう。

 どう頑張っても愛妾にしかなれないだろう。


 いや、もし、王都市民に人気が出たら・・・

 考えても仕方ないわ。



 私には何も関係ないと高をくくっていた。

 あれから男爵令嬢が近づいても無視する。



 しかし。


「リリー殿、前へ」

「リリーさん!グスン」


 使用人待合室に殿下の従者とメロディが来た。


 生徒会室に呼ばれる。

 殿下がいた。


 私はひたすら顔を伏し。殿下が話しかけるのを待つ。


「リリー殿は、カトレーヌ付だったな」

「はい、その通りでございます」


「うむ・・・実は気になる話を聞いてな。カトレーヌからイジメを受けていないか?」


「・・・ございません」


 一瞬、何事か考えてしまった。


 メロディが発言を促す。


「実は、使用人のお友達から、リリーさんはいじめられていると聞いたの。大丈夫よ。殿下は王宮付のメイドにしてくれるって言っているわ」


 しまった。これか。もし、メロディ本人がお嬢様にいじめられていると言ったら、王家の調査が入る・・・いろいろ面倒くさい事になる。


 しかし、使用人ならどうだ。

 メロディにまでダメージがいかない。

 ダメでも、使用人ならトカゲの尻尾切りだ。



「恐れながら、発言の許可をお願いします」


「おお、いいぞ。思いの丈をのべよ」


「有難うございます。まず。事実無根でございます。どちらの情報でしょうか?」


「それは・・・」


 殿下の言葉を遮って男爵令嬢が発言する。これは異例の事だ。


「まあ、告発者の安全は保障されますわ・・・クッキーのように」


 クスッと笑った。


 まさか、鑑定士も仲間で、エレン先生もグル?

 いや、そんな事はあり得ない・・・


 エレン先生は王宮に依頼した。

 という事は殿下か?



「話してくれたら、君は王宮で、メロディ付メイドになってもらう予定だ・・・お給金を倍にしてあげよう」


 男爵令嬢を愛妾にするのか?いや、愛妾は王宮に住ませられない。

 側妃?実績のない。王太子でもないのに・・・

 まさか、メロディは王子妃になるつもりか?


 まさか。そこまで話が進んでいるのか?



 その日はそれで終わった。


 しかし、日に日に、私がお嬢様にいじめられているとの噂が学園中に流れる。


 半分事実だが、そうでもない微妙なところだから辛い。

 そりゃ、厳しい事を言われるし、お嬢様の勘違いで叱責される事もあるけども。

 野原で餓死をするよりは良いだろう。



 100パーセントの環境はあり得ない。公爵家の使用人は他家とは待遇が雲泥の差だ。

 あの男爵令嬢、孤児院出身だと聞いたが、その感覚は貴族だ。



 お嬢様の元に戻ると。

 チラチラと私を見る。気にしているようだ。

 しかし、お嬢様付を外されたりはしない。

 外したら、まるで噂が本当だったと公言しているようなものだ。



「リリー、お菓子食べなさい」

「はい、お嬢様、頂きます」


「・・・違うでしょう。今は誰もいないから、席につきなさい。グスン」


 お嬢様は泣かれている。


「・・・私って、意地悪?」

「まあ、世間一般的にはそう取られても仕方ない面がございます」

「どの辺?」

「そうですね。私の気がついたところは・・・

 例えば、メイドが精一杯お洒落して、髪飾りをつけていたら、お嬢様は、自分のお古を下げ渡すこと」


「それの何が意地悪?」

「はい、お嬢様が下げ渡したら、それをつけるしかありません。もしかして、その髪飾りは恋人や家族から贈られたものかもしれません」


「そうね・・・」


「それは・・・善意から来ているものと分かっておりますから大丈夫ですが、お嬢様は、照れ隠しで、『公爵家の使用人が安物を着けてはダメですわ』と言うのが・・分かる人は分かるになっています」


「あら、でも、公爵家よ。ある程度の見栄えのアクセサリーはつけて欲しいですわ」


「なら、それを規則にしましょう。仕事が終わったら、恋人から贈られた髪飾りをつけて良いとか・・」


「そうね・・それが良いわね」



 この日、お嬢様といっぱいお話をした。



 だから、腹をくくる事にした。



 エレン先生の所に行く。


「最近、頭痛がして・・」

「まあ、そうなの!」



 情報をこちらから流す。



「実は、夢を見るのです。『(お助けキャラ)』と不思議な異国の発音が頭に響くのです。これは託宣で女神教会に報告した方がいいでしょうか?」


「・・・詳しく教えて」


「はい、誰かを助けよ。『刻至りて響きあり。汝、己の役目が分かるだろう』と声が届きました」


「分かったわ。内密に王宮の神官に問い合わせるわ!」



 すると、すぐに、私の見方が変わった。



「リリーさん、頑張って」

「リリーさん・・殿下が呼んでいるわよ」


 殿下に呼ばれる。メロディに呼ばれる事だ。


「・・・殿下の卒業式・・貴女も来ますよね。陛下と王妃様も臨席します」


 あの語尾が妙に流れる言葉使いではない。


 殿下はウンウン頷いているだけだ。



「・・・あの王宮のメイドになれるって・・・本当ですか?」

「本当よ。さすがに、今、ここで契約書を渡せないわ」



 畜生、契約書を証拠に出来たのにな。


 結局、分かったのは、奴ら卒業式にナニカを起す事だ。恐らく、公爵令嬢に対する弾劾か?

 学園の自治で許されるギリギリを狙った嫌らしい奴に違いない。



 お嬢様は日に日にやつれていく。


 私を虐めている噂が流れているからだ。


 どうしたら、良い。

 お嬢様を守るには・・・



 おかしなフリをすればいいか?

 それとも卒業式で逆ギレを起せばいいか?


 散々、迷ったあげく。


 卒業式当日・・・



 焦げ焦げのドレスをお嬢様に見せた。



「申し訳ありません。アイロンをかけていたら、ボォーとして焦がしてしまいました・・」


 一応、この日のために殿下から渡されたドレスだ。

 お嬢様はピクピク眉を動かしている。


「そう、仕方ないわ。他の殿下から贈られたドレスは?」


「それも・・・皆、焦がしてしまいました・・」


「もう、貴女なんかクビよ!出て行きなさい!今日が、どれだけ大事な日か分かっているの!!」


 まあ、怒られた。


 私は深く礼をして。


「今までお世話になりました・・・」


 とそのまま出て行った。


 解雇はお嬢様の温情だ。夫人の耳に入ったら、私は解雇だけではすまないだろう。

 ドレスを直すには時間がかかる。

 そして、このスキャンダルを隠すには・・・欠席になるか?これは賭けだ。




 ・・・・・・・・・



 ☆☆☆王国中部のとある冒険者ギルドの街


 あれから私は王都を出た。

 今は冒険者相手の食堂で働いている。

 冒険者は情報が命だ。今日も王都の噂話で持ちきりだわ。



「聞いたか?政変の話!」

「セドリア公爵家の話だろう・・・あれは・・」



 何でも、第3王子が婚約破棄をしようと学園で待ち構えていたそうだ。

 王子と婚約者の間は冷え切って、エスコートすらしない。


 しかし、いくら待っても、公爵令嬢は来ない。




「公爵令嬢は風邪を引いたと言って欠席をしたのだ」


「真実の愛のお相手の男爵令嬢と、その取り巻き達は、公爵令嬢が使用人を虐めていると糾弾しようとしたが、ハシゴを外されて、何か妙な空気になったそうだ」


「婚約破棄?使用人をいじめたから?ガセじゃねえ?」


「俺の知り合いの知り合いが、給仕を勤めていた者から聞いた話だから確かだ。陛下が来られたら、皆、急に普段の様子に戻ったそうだ」


「何の魔法だよ。怖いな」




「これ、これ、興味深いな。その話、すまない。話を聞いてしまった。交ぜてくれんかのう」


「爺さん。魔道師さんかい」


「ああ、私の聞いた話では、公爵家の回復術士が情報を漏洩していたとかで、魔力封印の首輪をつける刑になったわい。第三王子に流したとして王子も失脚、王宮の書庫番だわい。もれなく、コルツ男爵家も爵位返還の処置になった」


「・・爺さん。これ魔法かよ」


「ああ、神術式・・と言うてな。異世界の者や精霊や神が仕掛ける魔法のようなものだ。ある儀式・・・この場合、卒業式を上手く切り抜けたら、魔法は解けるのだ。時間が解決するとも言うが、真相は分からない。

 男爵令嬢を尋問したら、『ゲーム』という名の神術式らしいのう」



「しかし、その公爵家の使用人って、その後はどうなった?」



【はい!エールとブタの骨付き肉お待ち!】



「おお、お姉さん新顔だね」

「王都なまりだ。名前は?」


「お客さん。クエスト張り出す時間ちかいよー」


「おっと、そうだった」



 私は今、寂れた街の食堂で働いている。

 これで良かったのかもしれない。

 父が冒険者だった。ジョブ軍師で策略だけは上手かったが、結局、亡くなった。


 冒険者にはならない。安定を求めて王都に行ったが・・・なまじ父から学問を仕込まれたから公爵家に雇われた。


 次は、冒険者相手に商売しよう。そうすれば安全だ。今は食堂で勉強中だ。


 あれ、食堂の近くで蹄の音がする。



 パカ、パカ、パカ


 馬車か?



「おおーい。六頭立ての馬車だ!」

「公爵家の紋章じゃねえ?」



 馬車は食堂の前で止った。


 護衛騎士に付き添われてやってきたのはお嬢様だ。


「・・・探したわよ。クビと言ったけど、まだ、書類を使用人ギルドに出していないから無効よ」


「お嬢様・・私は」


「ドレス代は心配しなくてもいいわ。婚約解消になったの。あれは殿下の瞳の色よ。殿下相手にしか着られないのよ。貴女、分かっていたの?」


「偶然ですよ。私、面倒ごとが嫌いなだけです」


「分かったわ。帰ったらゆっくり聞くわ。皆様!王都までの護衛6人雇いますわ!」


「「「「オオオオオーーーー」」」

「お嬢様!俺らがしっかり護衛するぜ!」

「ウン、ウン、何か分からないけど良い話だ!」




 お嬢様から逃げられない。

 これは幸せなのか?


 何か逃げられない空気になった。

 安定。それは、巨大なドラゴンの背中に逆らわずに乗ることなのかもしれない。



最後までお読み頂き有難うございました。

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リリーがドレスを焦がすまでした動機は何でしょう? 厳しいペナルティを覚悟している。 …忠誠心?、それとも義侠心とかでしょうか? お嬢様への忠誠心だったなら、そこをお嬢様に分かってもらえてよかったの…
自分にも他人にも厳しくてキツイ性格に見えるお嬢様が実際には視野が広く使用人の言葉にもきちんと耳を傾ける有能だった事が、ラストに主人公を迎えに来る事で証明されていてこの主従推せる!と思えました(๑•̀ㅂ…
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