食料について
「概要」
生物における体の本体は何かと問われて、たいていの人は「脳か心臓」と答えることでしょう。しかし実際には、脳を持たない生物も少なくありません。そうした生き物でも必ず持っているもの、それは消化器です。ですから知能をもって働く人が多い現代では考えにくい琴でしょうが、生物の本体は消化管であり脳や手足はその管に食べ物を通すためにつけられた付属物です。
「食料の働き」
水に比べれば、食料の優先順位は低いものです。それでも三週間というのは限度の話で、少なくともこれ以内に何か食べていないと悲惨なことになるでしょう。
まず、五大栄養素とよく言われますが【炭水化物、たんぱく質、脂質、ミネラル、ビタミン】をバランスよくとることが健康を保つ鍵です。それぞれが力の元になったり、傷をなおしたり、体調を整えたりといった働きをします。反対を考えれば、もし栄養不足になると力が湧かず、傷も治らず(免疫力の低下)、体調がすぐれないといった体調不良に陥ります。家の中でもつらいのに、自然でこうなっては後は死を待つのみです。
次に、食料と腸について。先ほども言ったように、人体の本体は腸です。その為腸は脳に働きかけ、様々な心情を操作します。よく鬱病と便秘は併発しますが、それは腸が機能不全に陥ったために感情を支配する物質「セロトニン」の分泌が低下するためです。
そして腸は免疫の司令塔でもあります。難しいお話は省きますが、とにかく人体は腸内に百兆もの細菌(重さにして一キロ以上)を保有しており、それらのせめぎ合いと外部からの細菌を腸内に刺激として取り入れることで免疫機能を保っています。そうなると、食べ物を摂れずにいるということは体に良い働きをしてくれる細菌の餌もなくなるということになり、果てには良い細菌が減少することで免疫が低下することにつながりかねません。もしこの栄養不足+免疫低下状態で外傷でもおってしまったら、傷口からすぐに細菌が入り込み、感染症に罹ってしまう可能性が高くなります。
「食料の調達」
水と同じく地域別に確保方法を書いていきます。
・ジャングル
:虫、植物、動物
・寒冷地
:動物、魚、植物(苔)
・砂漠
:植物、爬虫類(特に蛇)、虫
・海辺
:ココナッツ、海産物(貝、海藻)、虫、植物
・高山
:植物、動物、(虫)
基本的に、植物がある場所には非常に効率のいいたんぱく源の虫がいます。抵抗がなければ虫は最高の食事です。ですが、極端に気温が下がる寒冷地や森林限界以上の高山では植物がないため虫も極端に減ります。そういう場所はそもそも別のバイオームに異動するのが先決です。
(1)ジャスティン・ソネンバーグ、エリカ、ソネンバーグ『腸科学』早川書房
(2)「知っておきたい高齢期の食事・水分補給」https://www.kewpie.com/education/information/senior/teieiyou/teieiyou_01.html
(3)肥満や病気に深い関係のある「腸内フローラ」の秘密https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/life/146.html




