山での水分調達
「概要」
山であれば冬でも夏でも水には恵まれた環境と言えるでしょう。無人島や砂漠に比べればずっと豊かな水源が所々にあるのが魅力的です。それでもどんなに歩こうが川にたどり着けない場合もあるので、最低限の知識と川に頼り切らないことが必要です。
「水の見つけ方」
川のせせらぎが聞こえればあなたは水のすぐ近くにいるわけです。ただこの福音のような音はもちろんあなたが水の近くまで移動できないと聞けないので、まずは水源を見つけます。蜂や蚊は水の知覚に生息していますから、その姿が見えれば水も近いと考えられますし、ほかの野生動物も水を求めているので、獣道を辿っていったり、実際に鳥や獣の後を追うのもいいでしょう。
あたりがからからに乾燥していても、そこが比較的低い場所であれば植物が生えた場所や岩陰を見てみます。湿っていたらそこを掘って、水がないかを確認します。あとの対処は砂漠と同じです。
冬の山であれば雪を、寒冷地の知識で水に変えることができるのでお忘れなく。
「注意点」
水はあなたを殺すことができるほどの力を持つ動物も飲みに来ます。目先の誘惑に囚われずに、まずは安全確認をしてからじっくり水分補給しましょう。
動物と水分絡みでもう一つ注意すべきは、川の上流に汚物がないかどうかを確認することです。例えば小動物の腐乱死体が近くにある場合は流れている水でも細菌が繁殖しているはずです。流れがない水たまりは論外なので、どうしても水がないときにのみ持ち帰って消毒をします。
異なる観点から危険を見ると、低体温症が厄介です。特に冬の山で水を飲む際には足元の不安定な場所では汲んだり飲んだりしないようにしてください。着衣のまま濡れればすぐ低体温症になるので、一応火を確保してから水場に訪れる方がいいでしょう。




