山での食料調達
「概要」
山は非常に食料に富んでいます。それでいて熱帯よりも危険は少ないので、ただ食べるものを見つけるだけなら容易です。それでもサバイバルに慣れていない人は大物を狩りたがるでしょう。鉄則は――それを食べて得られる体力よりも多くの体力を入手に使わないことです。
「タンパク質」
簡単に、しかも良質なたんぱく質の食事をとりたいのならやはり昆虫を捕まえましょう。寄生虫には十分気を付けて、内蔵や場合によっては外骨格を剥いで火を通します。
蛇やトカゲなどの爬虫類も毒のある部分や内臓を取って火を通せば食べられますし、魚はペットボトルがあれば件の罠を使って捕まえられます。
もし肉食動物に食べられた後の死骸があれば、状態を確認して新鮮なら食べるべきです！ あまりに量が多い場合は燻製にして保存食にすることができますが、その肉は絶対に寝床近くに置かないようにしましょう。ほかの肉食動物がにおいをかぎつけるためです。基地から離れた高いところに置いておくなどします。
「食物繊維」
夏山であればベリー類がビタミン、ミネラルなど不足しがちな栄養素を補給できる素晴らしい食料です。色が白と黄色は食べられないと簡単に覚えておくとよいでしょう。そして一つの実に粒がいっぱい密集する形状のものは何でも食べられます。
他には植物の根であればほぼ安全に食べることができますが、トリカブトなど有毒なものもあるので注意。シダ植物は全て火を通すことで食べられますし、日本では山菜として親しまれるゼンマイや蕗の薹、ワラビなどが安全です。木では松の葉にビタミンが含まれているため、沸騰したお湯に散らしてお茶を作ることもできます。
注意したいのはきのこ類で、これらは素人目には見分けがつかないものがほとんどな上、死に至るほどの毒をもつ個体も多いです。例えばスギヒラタケなどは古くから食用とされてきたのに、今になって毒性が確認されています。見た目にも美味しそうなために、非常に危ないキノコです。
（１）「自然毒のリスクプロファイル：キノコ：スギヒラタケ」https://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/poison/kinoko_04.html
