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サバイバル系創作に役立つ知識集  作者: 凪常サツキ
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寒冷地での暮らし


「最も大切なもの」

 寒冷地では熱源である火を起こすことも必要ですが、まず何であれ、氷点下の気温では暖かい基地が最優先です。凍傷や低体温症にならないようにします。何もないようなところでも、岩陰に隠れれば多少の風は凌げるので随分体感温度が上がります。

 もし雪原であればひとまず雪を掘って竪穴式住居を作ると身を守ることができます。その際は生き埋めにならないよう、風上の斜面を下から上に掘り進めていきます。そうすると入り口が最も低くなり、居住空間が上になります。寒冷地の基地は階層を二段にすることが肝で、下の階層に冷気を溜め込む構造の基地は非常に暖かくなります。雪の断熱性は高いので、中は生存に十分な温度に保たれることでしょう。一つ注意したいのは、必ず換気口を作ること。特に中で焚火などをする際は必ず天井に穴をあけておかないと、一酸化炭素中毒や二酸化炭素中毒で死に至ります。


 そして、寒冷地で基地と同じくらいに大切なのは、移動をすること。高所ならばとにかく下へ移動し、緑が見えるならすぐさまその方向に行きます。植物があるところに動物あり。少なくとも食料が手に入りやすく、また植物は天然の防寒雪洞を作っている場合もありますから。



「生き残るには」

 熱帯ほどではないとしても、寒冷地では十分に気を付けて行動します。自分の体の状態に常に気を配り、脱水症状になっていないか、指先は凍傷にかかっていないか、汗をかいていないか(氷点下で汗をかくとそれが凍った時に低体温症になりやすくなります)をいちいち気にかけましょう。さらに雪崩が起こる危険、北極であればクレバスに落ちる危険、猛吹雪に見舞われる危険を常に頭に入れておくことが重要です。

 そうした注意深さに加えて、ある程度知識が要求されるのも寒冷地の厳しいところです。かろうじて竪穴の基地を作ったとしても二段式にしないことで睡眠中に凍死したり、天上を滑らかにしなかったばかりに溶けた雪がしたたり落ちてびしょびしょになったり、あるいは暖かさを求めるがあまり狭すぎる基地を作って、雪の縮小によって生き埋めにされたり……、基地に関する危険だけでてんこ盛りです。それにせっかく狩猟に成功したアザラシを喜んで肝臓まで食べても天に召されるという理不尽な死に様もあります。とにかく遭難してしまう前に、十分知識を蓄えておくこと、そして生き残ってやるという希望を捨てないことが、生存の秘訣でしょうか。




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