目覚め
ピピッ、ピピッ、ピピッ、ピピッ…
やかましいアラーム音が聞こえる。
重い目をなんとかこじ開けて
重い体を起こそうと、もがく。
高校2年生になって2ヶ月の私。
本山愛恋は、
毎朝の憂鬱さに悩まされていた。
今日も学校かと思うと、憂鬱でたまらなかった。
変わらない日々を送り続けて17年。
別にキラキラしたような女の子じゃないし、
勉強や運動も普通としか言いようがない。
メイクやヘアセットなんて何もわからない。
みんな可愛くなりたいって言って、
努力しているんだなぁ…。と思う。
思うけど…そんなのは時間の無駄。
私は恋愛なんて無縁だし、
もし仮にメイクやヘアセットをして
可愛くなったところで、
きっと私は誰の眼中にも入らないだろうから。
だから私の朝は顔を洗って、制服に着替えて、
邪魔な髪の毛を結んで、朝食を食べるだけ。
1時間足らずで支度は終わる。
だけどそれですら面倒臭く感じてしまう。
満足のいくまで寝ていたい。
だから平日の朝は嫌いだ。
せめてもう少し寝させてほしい。
学校に行かなければ。
起きなければ。
けれど布団の温もりからは逃れたくなかった。
少しだけ…と、体は布団に吸い込まれていく。