コント「告白の返事」
舞台…高校
女子:
ちょっと、そこの男子!
男子:
え、俺?何?
女子:
あんたいつになったらミキの告白に返事するの?あの子不安で泣いてたんだよ。
男子:
ちょっと待って!俺そのミキって子知らないんだけど。
女子:
とぼけないで!ラブレター渡したじゃん!
男子:
いやいや全然記憶に無いから!人違いじゃないか?
女子:
いや、絶対あなたよ。
ミキ、教室で2人きりで話せたって凄く喜んでたんだよ?
男子:
いや、マジで分からないって!
女子:
放課後呼び出しても全然来てくれなかったし!
男子:
本当に知らないから!お前俺をからかってるのか?
女子:
そんなわけないじゃない!
確かに2人は禁断の恋なのかもしれない。
でも、好きになっちゃったら歳の差なんて関係ないじゃん。
男子:
ん?歳の差って、先生の誰かって事か?
でもうちにミキっていう先生はいないし。
女子:
まだ分からないの?ミキっていうのは、三木谷……三木谷校長の事よ。
男子:
え!?校長!?いやいやおかしいでしょ!ちょっと待ってよ!
禁断の恋と言っても相場は生徒と若い教師じゃない!?
なんで妻子持ちのおっさんに告白されなきゃいけないの!?禁断すぎるだろ!
女子:
しょうがないじゃない。ミキが好きになっちゃったんだから。
男子:
あとそのミキってやめて!下の名前だと思ってたから!
小柄で可愛らしい子かなって思っちゃってたから!
三木谷は下の名前が大五郎で身長180cmあるんだよ!?
女子:
まさかミキの好意に気付いてなかったの?あんなにアタックしてたのに。
男子:
全然分からなかったし、なんなら分かりたくもなかったよ!
そのラブレターってのもよく分からないし。
女子:
なんで覚えてないの?一学期の終わりにみんなの前で渡したじゃん!
テニス優勝おめでとうってさ!
男子:
え?ま、まさかラブレターって……賞状のこと!?
女子:
そうよ。ミキ凄く頑張って書いたんだからね?
男子:
あれをラブレターだと思って受け取るわけがないでしょ!
部活の活躍をここに賞されたとしか思ってなかったよ!
女子:
何よ!みんなに見せびらかして冷やかされてたくせに!
男子:
貰った直後は壇上でそうするもんでしょ!
あと別にみんなは冷やかしで拍手してたわけではないと思うよ!?
女子:
じゃあ教室で2人きりで話したことは覚えてる?
男子:
え?……もしかして推薦の面接練習の事!?
そんな青春の1ページみたいに言わないでよ!ただ面接練習してもらっただけだから!
女子:
そんなの口実に決まってるじゃない!
なんでミキの会いたいって気持ちに気付いてあげられないの!?
男子:
気付くわけがないでしょ!
面接練習だからしっかり目を見て話してたら、校長めっちゃ目が泳いでたのそういうことだったのかよ!
女子:
ミキは将来の夢とかいっぱい語ってくれたって嬉しそうだったよ?
男子:
そんな捉え方してたの!?そりゃ面接練習だからそういう事言うでしょ普通!
女子:
じゃあ放課後呼び出したのに来なかったのは何なのよ!
男子:
それって……この前、校内放送で校長室に呼び出されたあれ!?
女子:
そうよ。ミキずっと来るの待ってたんだから。
男子:
俺何かやらかしたのかって怖くて行けなかったよ!今の今までずっと不安で仕方なかったよ!
あとそういう呼び出しで校内放送使うなよ!全校に丸聞こえだったよ!
女子:
ミキ、ラブレターじゃ気持ち伝わらなかったと思って直接言おうとしてたんだからね?
男子:
もはや地獄だよ!本当に行かなくてよかった!九死に一生を得たよ!
行ってたらトラウマで不登校になるところだったよ!
女子:
それで、ミキへの返事はどうするの?
男子:
いや…申し訳ないけど断るよさすがに……。
だって相手はおっさんだよ?妻子持ちだよ?裏で巨大ナマズって呼ばれてるんだよ?
あと実は俺、好きな人いるし。
女子:
え?好きな人いるの?知らなかった……。
ちなみに誰?
男子:
アキちゃんって子。
女子:
アキ?そんな女子居たっけ?
男子:
いや、明子。校長の奥さん。
女子:
いやそれも禁断すぎる恋だよ!
-終わり-