♪私色の宝物♪
今回は、小説本編ではなく、作中で澄原愛璃が歌う曲、「私色の宝物」の歌詞です。
歌詞の内容は本編に全く関係ないのですが、愛璃が歌っている所を想像しながらお楽しみ下さい!
ある日見付けた 純白の箱
その輝きと美しさに 少女は思わず手を伸ばした
何に使うんだろう? 何ができるんだろう?
わからないまま過ぎていく日々
いつしかその箱の事を 忘れてしまっていた
少女には夢があった 届きそうで届かない
ほつれそうな糸を 何度も直しながら
縫い進めていった
物語の悪役が 少女の箱に触れた
箱は漆黒に染まり 糸は引きちぎられていった
絶望に濡れる瞳 「なんで私だけ?」
その叫びは 底の無い箱に 吸い込まれていった
漆黒に染まる 純白だった箱
イバラが巻き付き 手を伸ばすこともできない
何でこんなことに? 何をすれば戻る?
わからないまま過ぎていく日々
どんなに願っても 忘れられなかった
少女にもう夢はない 掴むことすらはばかられ
引きちぎられた 糸を集めては
ゴミ箱に捨てた
物語のヒーローが 少女の手に触れた
繋がれた手に 新しい糸が紡がれている
光が戻る瞳 「もう大丈夫」
その囁きは 少女の心に 刻み込まれた
まだ戻らない 箱の色 見つめているばかり
でももうわかっている
「物語の悪役」も 「物語のヒーロー」も
この「箱」だって
全て"私色の宝物"───…
物語の少女が ついに箱に触れた
箱は純白に戻ると 糸で虹色に飾られた
見据える瞳 「ありがとう」
それを最後に 箱は消えた