表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
片恋トライアングル  作者: 作花恋凪
6/23

*ステージ-6*

───朝。


雲1つ無い青空から伝わる太陽の光が、愛璃の部屋から差し込む。照らし出された部屋の中では、すでに新しい芸能科の制服に身を包んだ愛璃が、鏡の前で自分の姿を吟味していた。


(服装OK!髪型OK!今日の私もBeautiful♪)


高く揺ったツインテールを揺らしながら、愛璃は微笑む。


1階に降りると、なれた手付きでトーストにマーガリンを塗り、頬張る。


愛璃の両親は、愛璃が幼い頃に交通事故で亡くなり、今は叔父と叔母からの仕送りでやりくりしている。そのため、この家には、愛璃以外の人が住んでいないのだ。


トーストを食べ終えた愛璃は、軽やかな足取りで2階へ上がりバッグを持つと、すぐさま外へ駆け出した。


ひだまり学園は、愛璃の家から徒歩15分の場所にあるため、愛璃は毎日徒歩で通学している。芸能科の校舎は、普通科の校舎と完全に分離しており、入る校門すら違うため、普通科の生徒が芸能科の生徒に会うなんてことは、ほぼほぼないに等しい。そのため、愛璃は、芸能科の生徒を見るのも、校舎に入るのも、これが初めてなのだ。


(ここが、芸能科の校舎……!)


愛璃は、校門前で足を止めた。白い壁に、銀で細かな装飾がほどこしてあり、なかなか気軽に入ることはできなそうな感じを漂わせている。


……が、いつまでも校門前に仁王立ちしているわけにはいかないため、愛璃は勇気を出して校門をくぐった。そして、左を見たり、右を見たりしながら、玄関へ進んでいった。


「おい、あの子誰だ?」

「昨日まで芸能科には、あんな子いなかったわよね……。」

「あの子、人形みたいでチョ~可愛い~!!」


芸能科の雰囲気に飲まれていた愛璃が、周りのそんな声に気付くことはなかった。


そして、愛璃は今、教室の前で、先生に呼ばれるのを待っている。


(き、きんちょーするー!!)


「澄原さん、そろそろ入ってくれる?」


「はっ、はいぃ!!」


そんな愛璃を、担任の先生が無慈悲にも教室へ招き入れた。


教室に入ると、室内が急にざわめきに包まれた。


(えっ!?愛璃何か変なことした!?)


「はーい、皆、静かに!!紹介するわね。彼女は、普通科から芸能科に編入してきた、澄は……」


ガタンッ


突如、教室の後ろの方で大きな音がした。


(えっ!?今度は何??)


愛璃が、音のした方へ顔を向けると、そこには、EITOが、驚いた顔をして立っていた。


「はっ……?澄原愛璃……!?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ