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片恋トライアングル  作者: 作花恋凪
21/23

*ステージ-18*

愛璃、影人、優が3人で主役を務める、映画『言葉以上の気持ちを君に』。撮影が始まってから、早くも2週間が経った。


この映画は、簡単に説明すると、愛璃の演じるヒロインを、影人と優の演じる2人のヒーローが奪い合う話だ。最終的には、ヒロインは優の演じるヒーローと結ばれる。


今日は、優の演じるヒーローが、ヒロインに告白するシーンの撮影だった。愛璃は、


(優との告白シーンは前にオーディションでも演じたし、大丈夫でしょ!)


と、たかをくくっていた。


「澄原さん、そろそろカメラの前にスタンバイお願いします!」


「はい!」


愛璃が、すでに優がいるカメラの前にスタンバイすると、優が急に口を開いた。


「愛璃ちゃん」


「はい?」


愛璃は、返事をし、優と視線を合わせた瞬間、優に肩を抱き寄せられた。驚いたのもつかの間、優は耳元で、ゆっくりとささやいてくる。


「最初に会ったときから、ずっと愛璃ちゃんのことが好きなんだ。俺と、付き合ってよ。」


愛璃がその言葉の意味を理解する前に、優は愛璃から離れ、


「返事は……映画の撮影が終わったあとでいいから。」


と続けた。優の言葉の意味を問おうと、愛璃が口を開いた瞬間、


「撮影始めまーす。」


スタッフの声に遮られた。


様々な感情の波に呑まれそうになる愛璃を置いて、撮影は始まってしまった。


『よぉ、今帰りか?だったら、一緒に帰ろうぜ!』


反射的に、愛璃も流されるようにして演技を始める。


『うん、もちろんいいよ!』


そうして、なんとか談笑のシーンをやり過ごすが、ついに、告白シーンが訪れた。


『お前……俺のことどうおもってんの?』


『どうって?』


『だから、っ……、お前のことが、好きだってことだよ……。』


愛璃の演技に異変が起きたのは、その後だった。


『そんなの……私も……すっ……』


その言葉の先が言えない。だんだん呼吸が荒くなっていく。顔が青白く変わったと思うと、愛璃は半ば倒れるようにして、その場に座り込んだ。


「カットカァーット!」


「澄原さん、大丈夫ですか!?」


スタッフたちが駆け寄ってくる。


「だ、大丈夫……です……」


愛璃はかろうじて呟いた。


「うーん、とりあえず今日の撮影はやめたほうがよさそうかな。──」


遠くで、監督とスタッフの話し声が聞こえる。それを意識の外で聞きながら、愛璃は気を失った。

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Twitter→@Cocona_Sakuhana

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