*ステージ-16*
ワアァアァアァ……
「みんな、久しぶり!君の騎士になってあげるよ、でおなじみの、EITOです!」
「みなさ~ん、お久しぶりで~す!澄原愛璃です!今日はよろしくお願いしまーすっ!!」
「「合同ライブ、楽しんでいってねー!!」」
「「「「「はーーーーーい!!!!!」」」」」
「それじゃあさっそく最初の曲!まずは僕から、『Do you know "EITO"??』!」
ここは、東京武道館。満席の客席の中で愛璃と影人は、合同ライブを行っていた。
なぜこんなことになっているかというと、愛璃、EITO、優を主演とした映画の撮影が決まったのが、そもそもの始まりだった。その映画の撮影に向けて、一緒に仕事をすることが極端に少ない愛璃と影人のために、中島と、影人のマネージャーである小林がこのライブをセッティングしてくれたのだ。……が。
(いくらなんでも、この規模は大きすぎじゃないでしょうか……(焦))
慣れない大きな場所でのライブに、愛璃はとても緊張していた。
それでもなんとか曲を歌いきり、残すところ、最後の1曲となった。
「みなさん、今日は本当にありがとー!!……次で、最後の曲になります。なんと最後の曲は、EITOと私が、2人で歌っちゃいますっ!ねっ、EITO!」
「うん!……まぁ、本当は愛璃の曲なんだけどね(苦笑)」
「あははは(笑)……それでは、聞いてください。『恋の証明論』」
──ライブが終わり、ここは楽屋の中。愛璃と影人は、飲み物を飲みながら、会話に花を咲かせていた。
「ねーねー、なんで影人って普段は一人称"俺"なのにEITOのときは"僕"になるの?」
「えっ……。う~ん、なんでだろう~。」
「えっ、意識してやってるんじゃなかったんだww」
EITOは、会話をしながらずっと、顔から熱が引かないのを感じていた。ライブのとき、汗でキラキラ輝いている愛璃の姿を見てから、ずっとだった。そのせいで、先ほどからずっと愛璃とちゃんと視線を合わせることができない。
「ごめん、愛璃。ちょっと小林さんのところ行ってくるね。」
「ん?うん、いってら~」
楽屋をでて、扉を閉めた後、影人は、扉にもたれかかるようにしながら、ずるずるとしゃがみこんだ。
「もしかして、これって……。」
──影人が初めて、自分の中にある愛璃への気持ちに気づいた瞬間だった。
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