朝の一時
始めに、この物語はある一匹の豚が食肉という自分の運命を変えるため人間として生きる一生を書いたヒューマンストーリーである。
第一話 僕は豚
ここは、北海道のとある養豚場だ。
ここには約300頭の豚が食肉になるために育てられている。
この物語の主人公、豚の光一は毎日をただ呆然と生きていた。
[ギギー]午前5時朝も早くから飼育員が光一の眠る豚舎の扉を開ける。
飼育員[ほら~お前ら今日も美味しい朝ごはんだぞ~]
[相変わらず元気な野郎だな]と光一がつぶやく。
[何だよ!もう飯の時間か?]と豚吉が面倒くさそうに腰を起こす。
他の豚達も、「おい、はえーぞ」「まだ眠い」「あーうるせぇ」など様々に暴言をはく。
当然飼育員には「ブヒャー」「ブホー」「ブヒャホイ」などただただ豚がうるさく鳴いてるだけだ。
「なんだお前らそんなに腹減ってんのか?ほんとによく食うな豚は(笑)」
当然人間と豚では会話はできないのである。
意思の疎通が全くなく飼育員はエサをまいていく。
豚達は仕方なくも出されたエサを本能でむさぼってしまう。当然太るわけだ
もちろん光一や豚吉も例外ではない。やはりむさぼり食ってしまう。
「今日も良い食いっプリだなぁ」と飼育員が笑う。
豚達は食いたく無くても食ってしまう。本能的なものだ。
人間から見れば豚は食うか寝るかしかないと思う。だが豚にしてみればそれなりに楽しく生きていたりもする。人間と話せなくても豚同士は会話を楽しんだり恋をしたり子供を作ったりもする。ただこの豚舎にいる豚達は、この豚舎が世界の全てだ。エサをたっぷり与えられて太らせて成長したら殺されて食肉になるそのためだけにいかされている。
そんな事も知らずに豚達は毎日をのんびり過ごしている。ただ一匹をのぞいては…