みにくいSSRの子
改めて読むと結構えぐい話だよね童話と現代の闇、ソシャゲをミックスしてシュールなパロネタで包み込む『ソシャゲ童話』をご覧いただきありがとうございますっ!
意外とベストマッチ!な評価のようでランキングにも載ることができ、2作目を書いてみました。
今回の「みにくいアヒルの子」は下記のURLになります。
話が平坦だからってパロネタ詰め込みすぎなんじゃねえの!?
だが私は謝らない。
どうせ2作目なんて大コケするんだから(キボウノハナー)
かなり好き勝手に書かせてもらいました。
http://hukumusume.com/douwa/pc/world/08/16.htm
富、名声、力・・・この世のすべてはソシャゲに吸い込まれる、
世はまさにソシャゲ時代!
注)「ゲームソフト開発するよりアプリ一つ出す方が金掛からねえし、金は入ってくるわで楽ちんやで!」と言ってしまうような時代(皮肉)を指す。
そして、今まさにリメイクされて生まれ変わったキャラが実装されようとしていた!
「またぼくが活躍する時がきたか・・・パーティーに必須といわれたぼくの実力をみせてやるぜ!」
満を持して実装された彼は予想通り脚光を浴びた。ありったけの~―――
「はーつっかえ!」
―――罵倒を。
「ホンマつっかえ、あ、自分何しに来たん? あ?しねばいいのに。しねしねっ!なんで来たんしね!」
みにくいアヒルの子は今日もいじめられ、つつかれて、かげ口をたたかれます。
「いいとこで回復しやがってよ~」
そう、みにくいアヒルの子はリメイク元のゲーム性能を再現された、回復キャラだったのです。
しかしっ!レベルを上げて物理(あるいは札束)で殴れと言われるこのゲームっ!
回復という行動自体が悪手なのです・・・まさに死にスキルというやつです。
さらに悲惨な事に、この子が生まれた群れは「HPが低いほど攻撃力アップ」というスキルを持った、数ある群れの中でも
まさに暴力!といわれる集まりなのでした。コワイ!
「でも敵もインフレしてきているし、延命手段があったら便利……」
みにくいアヒルは自分の有用性を説きます。
しかし群れのアヒルは言いました。
「でもそれって根本的な解決にはなりませんよね?」
イラっとしたので、以降そいつはさん付けすることにしました。
「やめなさい!バフを全消ししてくるような悪意しか感じない行動よりは為になるじゃない!」
はじめのうちは、みにくいアヒルの子をかばっていたお母さんもしまいには、
「ハッキリ言ってこの戦いにはついてこれそうもないわ・・・・・・」と、ため息をつくようになりました。
それを聞いた、みにくいアヒルの子は深い悲しみに包まれて、みんなの前から逃げ出してしまいました。
みにくいアヒルの子は別の群れに入ることにしました。
「ごめんなさいねぇ~、私達属性統一だから……」
というより可愛いおにゃのこだけの群れでした。
強さよりもあからさまな方向性を察したアヒルは静かに去りました。
みにくいアヒルの子は別の群れに入ることにしました。
そこは
「アイエエエ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!?」
そこはニンジャの......群れ!
「完全回避するんで回復とかいらないっすわ~」忍者[ジョブ]は言いました。
「汚いなwwwさすが忍者きたないwww」アヒル=サンは嗤いました。
「ええー?ほんとにござるかぁ?」アサシンは煽りました。
「ニンジャ、殺すべし!」アヒルの怒りが有頂天!
・・・・・・が、追い出されてしまいました。
みにくいアヒルの子は別の群れに入ることにしました。
おや?その群れにも、みにくいアヒルの子がいるようです。
「おっさんなんか誰得だよ!」
「俺はかわいい女の子が欲しくて始めたんだよっ!」
まさかの親からD・V・D!
「それ以上いけない」アヒルは止めにはいりました。
「大丈夫か?」
「ありがとうございます・・・・・・でももう疲れました。こんなむさくるしいキャラ誰も嬉しくないですよね・・・・・・スキルも微妙だし(ここ重要)」
しかしアヒルにはおっさんは醜く見えませんでした。ウホッ
「いや、おっさんは良いキャラしてるって!一緒に頑張らないか?」
アーッ!なことはありませんでしたが、しばらくの間2人で生き延びました。
あくる日・・・・・・だがおっさんは、はじけた。
「うおおおおお!熱くなれよおおおおお!」
運営が行ったむさ苦しい漢のイベントが思いのほかハマり、おっさんが主役扱いに!
スキルも上方修正される好待遇でした。
「ありがとうアヒル!お前のおかげで立ち直れたぜ!」
おっさんは筋肉モリモリマッチョマンな群れを作りに旅立ちました。
おっさんの言葉にナニかを得たアヒルはいつまでもおっさんの後姿(ちょっと下気味に)を見送っていました。
みにくいアヒルの子は別の群れに入ることにしました。
おや?その群れにも・・・みにくいアヒルの子しかいない群れじゃないですか!
ああ!彼らは存在意義を失ったアヒル達!
スタートダッシュでSSRが手に入る現状、キャラエピソードを進めて石をもらうだけの存在といわれる始末!
「もうみんなで仲良く売却されよう・・・・・・」
「やめるのですぼくたち!」アヒルは止めにはいりました。
「君たちみんな、良いキャラしてるって!」
みにくいアヒルは励ますようにバトルに連れていきました。
ステータスの低いアヒル達は回復を大変重宝し、活躍できるようになりました。
元気になったアヒル達はきれいになって旅立っていきました。
ミニクイアヒルはクールに去りました。
みにくいアヒルの子は別の群れに入ることにしました。
「派生キャラが本家の私より強いとか許さないわ!」
「きゃあ、じぶんころし!」
「清純キャラのせいか、個性が薄いと言われてヤンデレ化させられるわ・・・」
「いいじゃないですか、私なんて二次で大食いキャラですよ・・・」
「ガチャで私がたくさん来るからって嫌いにならないでください!」
「全然来ないからって何十万の女とか、いくら掛けたと思ってるんだよぉ!からのひどいことしないでください!」
みにくくないアヒル達が醜い言い争いをしていました。
「もう、やめるんだっ!」みにくいアヒルは止めにはいりました。
「もう、とっくに薄い本で描かれてるから」
「えっ」
さて、当の親鳥は
「ママ^~」
ロリキャラにバブみを感じていました。
「このロリコンどりめ・・・・・・」
こいつはだめだと思ったみにくいアヒルは、風評被害を気にもかけない、アヒル達を愛でてくれる親鳥へそれぞれ送りました。
そうしているうちに、みにくいアヒルは悟ったのです。
たしかに使いやすい、使いづらいはある。
だけどつよいキャラ、よわいキャラ、そんなの人の勝手だと・・・・・・
醜いキャラなんて一人もいないのだ・・・・・・
アヒルの子は体がうきうきしはじめると、つばさをはばたいてみました。
すると体が、浮くではありませんか。
「ああ、飛んだ、ぼくは飛べるようになったんだ」
アヒルは夢中ではばたくと、やがてお堀に舞い降りました。
悟ったアヒルの心を表すかのように、煌びやかな光に包まれて・・・・・・???
何の光ぃ!?
あれは!
同じようなコラボで参戦し、みんなに求められている白鳥の群れ!
なんて輝いている事でしょう!
「ちくしょおおおおおお!!うらやましいいいいいいい!!」
みにくいアヒルの清らかな心は、開始一秒でバスケにもっていかれました。
「どうしてこんな差が・・・・・・どうしてこうなった!?」ペシッ!ペシッ!
みにくいアヒルは白鳥のステを見ます。
「なっ!?アタッカータイプの回復スキル持ちだと!」
『もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな』を地でいく性能に、みにくいアヒルは思わず目を瞑ります。
「悔しい・・・・・・」ビクン!ビクン!
「悔しい・・・っ!」ビターンッ!ビターンッ!
「悔しい・・・っ!!」 ねえねえ、今どんな気持ち?完全上位キャラ追加されてどんな気持ち?
みにくいアヒルはシャゲダンされて煽られる幻覚まで見たくなくて、目を開けました。
その時、お堀にいた白鳥たちが、いっせいに近づいてきたのです。
「もうだめだぁ・・・・・・おしまいだぁ・・・・・・新しいSSRに殺されるんだぁ・・・・・・」
アヒルの子は、殺されるかくごをきめました。
しかし、そうではありません。
白鳥たちはアヒルの子の周りに集まると、やさしく口ばしでなでてくれたのです。
そして白鳥が言いました。
「はじめまして、ようこそ勝ち組へ!」
「えっ?勝ち組?ぼくが?」アヒルはびっくりしました。
「ほら、これ見てよ」
アヒルは白鳥の性能を良く見てみました。
そこにはなんと!「回復行動で攻撃力UP」のスキルが!
「君がいればコンボで繋げてお手軽バ火力さ」
「まったく、開発はテストプレイなんてしないんだろうね」
まわりの白鳥たちも次々に言います。
アヒルは信じられませんでした。
しかし、ふと水の上に目を落とすと、そこにうつっていたのはもうみにくいアヒルの子ではありません。
真っ白に輝くあの白鳥だったのです!
う、美しい・・・ハッ!
「わが世の春がきたああああああああああ!」アヒルは絶好蝶であるっ!
「この新キャラすごいよぉ、さあ愛しのマイラブリーエンジェル!ぼくと一緒にMVPを掻っ攫っていこうぜ!」
「あっ、それならこの期間限定ガチャから手に入れてね♡」
「・・・・・・」
アヒル、もとい白鳥はいちどきりの石ぶっぱのため、ガチャへと羽ばたきました。
俺たちの戦いは、これからだっ!(おしまい)
「むかしむかし」の改編ネタがもうないです。そんなことはどうでもいい。
ちなみに元の童話でも白鳥が近づくだけで殺されると思うのは、白鳥というのはなわばり意識が強く、結構攻撃的なんだそうです。
あとSSRってダブルスーパーレアっていうらしいですね。スペシャルじゃなかったんですね。