4話
更新が随分遅くなりました。
翌朝、まだうっすら明るくなってきたころに目が覚めた悠樹は、まだ温かさの残る寝袋から這い出して背伸びをする。
今日は長距離の移動となる予定なので、素早く準備して移動したい。
あと車も隠しとかないと・・・
まずは川に行って昨日かかってなかったもう一つの罠に行き、かかってないか確認してみることにした。
上流側に移動しながら薪になりそうなものも一緒に拾う。
「さて・・・確かここら辺だったな。」
昨日仕掛けた罠を探しだして持ち上げると少し重たい感じがした。
「おっ、かかってるか?」
ナイフでつなぎ目を切り中を見てみると20cmほどの魚が5匹ほど入っているのが見えた。
「これで多少は食糧に余裕ができたか・・・とりあえず戻って飯にするか」
昨日に引き続きフェザースティックを作って火を起こしていく。
その間に、罠にかかっていた魚を捌き、血抜きと内臓を処理していく。
鍋に水を入れてお湯を沸かし、ぶつ切りにした魚を2匹ほど入れて煮ていく。味噌を入れて沸騰しないように薪の量を調整しておく。
味噌汁を作っている間に残りの魚に木の棒を刺して塩をまぶして火の傍にさして焼いていく。
焼けたらそのまま棒を抜いてタッパーの中に放り込む。
あとは今日の朝食用に残しておいた魚のようなものを取り出して味噌汁と一緒に朝食を済ませる。
残った味噌汁はフードポットに入れておく。
念のため持ってきてはいたが、活躍するとは思わなかった品だ。
朝食を済ませたら、出発の準備だ。
昨日のうちに準備はある程度すませていたからそれほど時間はかからない。
「さて、準備できたし、出発するか。方角は~・・・あっちか」
地図アプリを起動しながら方角を確認する。
心もとない橋を渡り、地図上にあった町に向かって歩いていく。
途中休憩を挟みながら3時間ほど歩き、遠くに町らしきものが見えてきた。
やっと町が見えてきたかと思い、歩き進んでいくが、10分ほど歩いていくとふと疑問に思う。
「ここまで来るまでそこまで疑問に思わなかったが、地図にある文字が読めなかったな。そもそも言葉が通じるのか?」
悠樹の見た文字は記号にしか見えなかった。
ならば言葉も当然違うはず。
ある程度はジェスチャーでわかるとは思うが、やはり全く違う言葉だとコミュニケーションが取れない。
そんな不安を抱きながら歩き進めていくと、町が近くに見えてきた・・・が
「これは。明らかに廃墟だな・・・というよりも若干焦げ臭い。火事かなにかで町ごと消失したのか?それにしては壊れ方がおかしい・・・」
そう思いながら町だった場所へ踏み入れる。
町の中を見ていくと石で積み上げられた家を見つけた。
周囲の建物だったものよりも大きく、頑丈そうだ。
「ここを拠点にして、周りになにかないか見て回ろう。けが人とかいなければいいが・・・