w d h II馬と鹿のどちらがお好き?
俺はなぜこんな所にいるのだろう……
俺が今いるのは……¨均衡の崩れた機械の世界¨
そうあれは数時間前だった
俺はいつも通り家に帰ってテレビを観てた。
確かニュースをやっていたはずだ。俺はそのニュースを観ながら、やれまたかと呆れた覚えがある。
そうしたら目の前に現れやがったのは
「黄金のバナナ」だった……
俺はどうかしていたのだろう、そのバナナを食べてしまったのだった。
その瞬間部屋が宇宙空間に変わり……
そしてこの世界にやって来たわけだ。
均衡の崩れた機械の世界と言うのは上の看板に描いてあった。
ちょっと待て、なんで看板があるんだ?あと、均衡の崩れた世界ってなんだ!?理解が追いつかない
頭を抱えて倒れ込むと声が聞こえた。
「おめでとうございます!貴方は馬鹿になりました!」 は?何言ってるんだ?
「あ、いきなりすいませんね!私はこの世界の案内人です!いきなりですがルールを説明したいと思います!!」
「いやいや、ちょっと待て!」俺はさっきまでの混乱も忘れて叫んだ。「貴方は馬鹿になった。てなんなんだ!?あのバナナが関係してるのか?教えてくれないか?」
すると少し高い声で「うっさいな!馬鹿に教える必要なんてない!あんたはあのバナナを食べた時点で馬鹿なの!わかる?はぁ……馬鹿の相手って本当面倒臭い。」
だいたい今の説明で俺は理解した。確かにあのバナナが置いてある時点で可笑しかったんだ。そんなバナナを食べるのは確かに馬鹿だ。
「よし!そのルールとやらを教えてくれ。」
そう俺が言うと「やっとかよ……じゃ教えてやるよ」
その声を聴いて思った。かわいい。と。馬鹿になりすぎたかもしれない……
「この世界は闘うしかない。まずそれが一つ。そして、勝っても負けても現実世界には帰れる。しかも、入った時間にだ。たくよく出来たシステムだよな。で、
何で闘うかつーとあれだ。お前の後ろ観てみろ。」
後ろを見ると、そこには機械のモンスターが居た。
「それには人が乗れる。乗ってみ。」
最初の敬語の話し方はなんだったのか……と思いつつ
そのモンスターを一周してみた。あ、確かに後ろに入口らしいものがあった。俺はその入口を引き、中に入った。
「どうだ。乗れたか?乗ったら、床にヘルメットが置いてある。被ってみろ」
言われた通り俺は被った。すると目の前のモニターに文字が映し出される。
「認証完了しました。チュートリアルを開始しますか?」 これは……はいしかないな。俺は「はい」を選択した。
「あとは自分で頑張れ。あ、最後に大事な事を一つ。」甲高い声が言った。なんだよそう俺は呟いた
「負けたら、現実世界の食事が一週間バナナだけになるからな。頑張れよ!」きらきらしながら嫌味な言い方でその甲高い声は言った。
「意味分かんねぇ……」座っている椅子から思わず落ちた。
「チュートリアルを開始します。」その声を聞いて椅子に戻った。やるしかないみたいだ。で、まずは何からだ? 「まずは基本的な動きになります。右のレバーと左のレバーを握ってください。」 言われた通り握った。「まずは右のレバーを前に倒してください。」グッと前に倒すと、右が動いてる感じがした。
「OKです次は左のレバーを」
今度は左か、前に押し倒す。そこでてっきり左が動くのかと思ったら、画面に出たのは明らかに銃のマークだった。「押してください。」俺は押した。すると目の前にガラスらしきものが出現した。
そして、そこに映し出されたのは飛んでいく銃弾だった。「OKです。次は……」案内に向けて俺は「ちょっと待て!」と言った。すると、案内は「なんですか?」と少し怒り気味に言った。「左のレバーは銃撃が出るってことは分かった!嫌という程分かった!だけど、左に動くにはどうすりゃいいんだ?」
「それを今から説明するんです。あなたねんどくさいですね」 はぁ……と思いなから次の説明を聞いた
「さっき前に倒した右のレバーを今度は左右に動かしてみてください。それで左右に動けます。」
言われた通りレバーをおもいっきり左右に動かした。すると、運転席が左に傾き、戻ったと思ったら、右に傾いた。
「OKです。次は後ろに引いてください。」
後ろに引いた。すると後ろに下がってるのがよく分かった。
「はい。これでチュートリアルは終わりです。じゃあ実戦を開始します。それではまた!」
おい、おい、チュートリアルって基本的な動きしかやってねぇじゃねぇか……てか
「もう本番かよ」俺の号哭は届かずモンスターは前に進んでいった。
前に進んだと思ったら、止まった。どうやらついたようだ。 俺は右手と左手をレバーにかけ、前のガラスらしきものに目を向けた。
「今回の相手はあれだ。ま、心配はするな。初心者様になってるから倒されはしない。」
ちょっと前に聞いたような甲高い声、これはあの最初出てきたあのかわいいけど失礼な奴じゃいないか。
「君か案内は。」口角が上がり、歯を立てる。
「うわ、気持ち悪!引くわ……」
そんな事を言われたがもう慣れた。相手が構える。始まる。闘いが。 レバーをおもいきり前に倒した。
すると、途轍もない速度で敵にぶち当たる。
「撃て!左だ!」 言われなくても分かってる左のレバーを前に倒し、銃のマークを選択する。銃撃が相手の腹あたりに当たり、爆発した。
「勝利しました。おめでとうございます! 」メッセージがモニターに出た。 「なかなかやるじゃねえか
見直したぜ!」甲高い声が褒めている。
「で使わなった機能について知りたいと思わないか?」甲高い声は続けて言った。俺は頷いた。
「天井にレバーがある回してみなよ。」
言われた通り回すと、俺の顔に冷たい液体が
降り注ぐ。まさか……毒!?調子乗りすぎて騙されたか!?
ペロっと舐めてみると分かったこれ水だ。
「面白すぎーー!意味ない機能おそるおそる使ってやんの!」甲高い声は凄く笑っている。
「そのマシンには用途不明な機能がいっぱいついてるから気を付けろよー!じゃまたな!」
あー!ちょっと聞きたいことがー!またまた俺の叫びが通らなかった。
気がついたらあのバナナが置いてあった部屋に居た。
まさか、冷蔵庫の中の物が全てバナナに!?俺はすぐさま冷蔵庫に走り、中を開けた。
嬉しい事にそこには食材があった。ふぅよかった。
俺は最初の部屋に戻った。するとそこに紙が落ちていた。……なになに貴方は借金をしました。戦って返済してください。ああ、あのバナナか。だから俺はあの世界に行ったわけか。
更に書いてある。「貴方の借金はあと八百十万9千9百十円です。なお、もし借金が払えなかった場合はゴリラに転生して頂きます。ご理解ください。戦いに行くにはこの紙に利き手を添えてください。」か
「ん?八百十万?嘘だろーー!!あーー!」恐らく人生最大の叫びだっただろう。叫び疲れた俺は寝てしまった。
起きたら朝だった。まずいこのままでは最後の晩餐が
パンになってしまう!と思ってステーキを焼いた。朝から。キツイ。とてもキツイ。美味しいが朝からステーキはキツイ!でも、あの世界で戦う事を考えたら、
ただの美味しいステーキになった。
仕事から帰った俺はさっそく紙の上に右手を置いた。周りが宇宙空間に変わる。めんどうなので目を瞑った。
「わ!」俺は目を開けると盛大に尻餅をついてしまった。「いたた…乗らなきゃ。」よいしょと立ち上がり、あのモンスターの様な乗り物に向かって歩く。
「どう見てもモンスターだよなぁ…」俺は乗り物を良く見てみた。足が12本に目が二つ、そして、手が四つ。高さは二十mぐらい。ああ、やっぱモンスターだな
…… 苦笑いした。俺もおかしくなったなと感じる。
後ろに回り、いつものように乗る。そして、いつも通り、椅子に座ってヘルメットを被った。
「さぁ、始めようか!!」怪しい笑顔で俺は言った
乗り物が動き出した。戦闘だ。
止まったので画面を見てみると、そこに映し出されたのはやけにかっこいい二足歩行のロボットだった。
勝てるわけが無いと思った。だってこっちは二十本の足で気持ち悪く動くのに対しあっちはかっこよく走ったり、蹴ったり出来るわけだ。もう、この時点で負けているような気がした。
だけど、俺は負けてらんないのだった。なにせ食事がバナナになってしまうからな。
カウントが始まった。
42…41…40…
え?数字おかしくない!?42から始まるってキリ悪くない??あっ!心の準備しなきゃ…
21…20…19…
よし!心の準備はOK。左右のレバーをぐっと掴む。
7…6…5…4…3…2…1…go!!!
まず、右のレバーを左に!すると、相手が目の前に来てた。それなら左のレバーを…と思ったら、何か熱い
、これは…まさか!俺の周りに火がついている!?
熱い!そうだ!と俺は天井のレバーをおもいきり回した。水が出て、火は消えた。
ふぅと落ち着いてる暇もなく今度は床に叩きつけられたようだ。しかも、絞められてる。まずい!ライフポイントが削られてしまう!
咄嗟の判断で左のレバーを右に倒し、拘束を外した
それと同時に右のレバーを後ろに倒し、距離を置く
これで一旦は大丈夫だ。しかし……やはり勝てる気がしない。 何か方法は無いのか! すると、そこへ聞き覚えのある甲高い声がした。
「おー苦戦してんじゃん。大丈夫?」やけに楽観的で有りながら少し焦った様な言い方だ。俺は言った。
「大丈夫な訳ないだろ!観て分からんか!」
すると、ふふっと笑って、「いい方法教えてやるよ。
後ろのボタン押してみろ。」 言われた通り席の後ろのボタンを押そうとしたが、何だこれボタン多すぎないか!?目につきだけで数十個は有る。
俺は藁にも縋る思いでてきとうに一つボタンを押した。すると、席の横の扉が開き中から何か出て来た。
「バナナ?まさか?」脂汗を垂らして非常にくだらない方法を考えてしまった。
「モニターの下が開けられるだろ。そこからは……
解るな?」甲高い声は今にも笑いそうな言い方で言った。もう、これしかない!急いでバナナを食べ、モニターの下を開けバナナの皮を容れた。バナナの皮は乗り物のすぐ近くに落ちた。
「おい!まさか、怯えてんのか?これはとんだ雑魚だな!笑っちまうぜ。 」それを言い放ち俺は高らかに笑った。
「来いよ。臆病者。」右のレバーを器用に動かし誘う。一かバチかだ
「絶対殺してやる。後悔するなよ!」そうとう相手は怒っている。声を聞いたら分かった。そして、もの凄いスピードでこっちに走ってきた。俺は一秒呼吸を止め、右のレバーを軽く引く。案の定、怒りすぎて気づかなかったのか相手は盛大に転んだ。
「ごめん!恰好いいロボットの人!!」左のレバーを引き、銃口を相手の頭に当てる。モニターの銃のアイコンを選び、撃った!もう、訳が分からない程撃った
!そしたら、「おめでとうございます!貴方の勝利です!お帰りください。」
こんなんで勝利とは言えないだろうが、仕方ないだろう。相手の方を振り向くと、「絶対許さない……」
と独り言が聞こえた。 さっさと俺は帰って行った。
気が付くと、俺はいつもの部屋に居た。オレンジ色の夕日に対比する街の騒音。いつも通りだ。そう言えば相手も同じ人間だから何処で会うかもしれない。
嫌だ。それだけは嫌だ。あの相手に会ったら、冗談抜きで殺される! 震えながら、机の上の紙を見た。借金……八百十万9千八百二十五円、先は長いな。
そう思いながら、窓から下を見た。子供が玩具で遊んでいる。無邪気を羨ましく思った。
それから二日ほど経ったある日、
「あっ!まさか、貴方は!?」その声に嫌な予感がして逃げようとした。「ちょっと!逃げないでください!」 俺はとにかく逃げた。なぜなら、あの声はあの対戦相手だと確信していたからだ。これがもし、親友と書いてライバルとかいう関係だったら握手でもして
、また戦おうぜ!(爽やかな笑顔)みたいになっただろうが、相手は煽った上にバナナの皮で転ばした相手だ。何されてもおかしくない。
ようやく部屋に付き、あの紙に右手をかざす。もう、これしかないと思った。どうかあの相手には当たりませんようにと祈りながら、宇宙空間へとDIVEした
気づいたらあの場所に居た。もう、当たり前となった戦場。 当たり前となったこの怪物に乗ること。 そして、戦うこと。一呼吸して、運転席に乗る。でも、やっぱりバナナの皮だけはあんまり使いたくないな…… そう思いながら戦いが始まるのを待った。
カウント……94…93…92… 之また随分と長いカウントだな。 今の内に相手を確認する。
んん?モニターに目をぶつけてしまった。なぜなら、モニターに写ったのは どう見てもタイヤだった。
15…14…13… ちょっと、ちょっと!カウント早いって!驚愕の驚の字すら呑み込めてないよ!
8…7…6… こうなったら戦うしかない!あのふざけたタイヤがどんな攻撃をして来ても驚かない。
…2…1… go!!!
まず、最初に動き出したのは俺の方だった。左のレバーを引き、構える。画面の銃をタッチ…ん?あれ?
よく見ると他の武器も選択出来る?
ドン!そんな音がして、ハッとなる。悩んでたら、相手が攻撃してきたようだ。今はこれでいい!と銃のアイコンを選択した。「くらえ!」攻撃は見事クリーンヒット! なんてする訳が無く、タイヤ野郎は機体を高速で回転させて、攻撃を跳ね返した。
「ふざけんな!」モニターを右の拳で殴る。「なんで足も手も無いタイヤがあんなに速く回転できるんだよ!」前に向かって叫んだ!
が相手はそんな事は気にせずまた突っ込んでくる。牛みたいに突っ込んでくる。ああ…赤い布でもあれば
なんて馬鹿な事を考えてる時も突っ込んでくる。
やがて、突っ込むのは止めた。そして、俺の目の前で止まったと思ったら、高速で回転し始めた。
まずい!これでは食事がバナナに!流石に危機感が生まれ、意地とやらだろうか、俺は右のレバーを使い、タイヤの高速回転を止めた。 そして、投げられるだけ遠くに投げた。
あのタイヤの運転席とやらは一体どうなってやがるんだ!まさか、運転手が居ないとか?そんな訳は無いはず。そんな事が有ったら子供の夢と希望とか全く関係しない世の中になってしまう。そんな世界は現実世界でもう充分だ!
「そうだ!後ろに何かボタンがあったはず」だが、前回のくだらないボタンだけは押したくない。
だったらどうすればいいんだよ!頭の中がもう、ぐちゃぐちゃで破裂しそうだ。相手はもう、次に突撃する構えをしている。あれは正に勝ちに行こうとするのが良くわかる。だが、俺は何だ?こんな一つの事で悩んで負けるのか?救いようの無い馬鹿だ……
そして、それは突然だった。勝てるかもしれないアイデアが浮かんだのは。 それはあの気になってたモニターの選択だった。確かに武器は選択できたはず。
俺は藁にも縋る思いでモニターをかじりつくように見た。そして、血管の浮き出た指で銃以外のアイコンを
押した。
それは粘着爆弾だ。これならヤツが回転しても、剥がせないはずだ。左のレバーで標準を合わせる。「今だ!」叫びながら左のレバーを引いた。放り出された粘着爆弾はヤツに張り付いた。「よし!勝った!」と心の中でガッツポーズした。 しかし、相手がそれに気づかない訳がなく、回転したり、跳んだりしてどうにか爆弾を外そうとしている。そこへ、俺はトドメのミサイルを撃とうと構えた。あの爆弾が爆発した瞬間、当てるつもりだ。
爆発まであと4…3…2…
もう、爆発して勝利するかと思ったその時だった。
タイヤは目にも見えない速度で突撃してきた。もう、牛と言うよりもはや、山を転がる岩の用だった。
「あーー!撃ちゃいいんだろ!撃ちゃ!」叫びと共に左のレバーを引く。ミサイルは見事命中したが、あのタイヤは止まらないで俺の機体に衝突。その瞬間爆弾は周囲二百メートル程を巻き込み爆発した!俺のHPと相手のHPが同時にゼロになった。 一個の威力凄まじすぎないかとかなんで時間を置いて爆発するんだよとか愚痴ばかりが浮かぶ。この時点で引き分けじゃない、負けた。 俺は自分に負けたんだ。
アナウンスらしきものが聞こえる「おい!引き分けなんかにしてるんじゃねぇよ!カス!」随分乱暴だ。まるで誰かに似てる……この世界はみんなこんな感じ何だろうか。「引き分けの場合、一週間食事が昭和初期の食事になるから、覚悟しろよ。じゃあなカス。あ、
次は負けないでね。」最後だけテヘッ見たいな言い方しやがって、 でも甲高い声では無かった。少し残念。 所で昭和初期の食事ってなんだ?
それから部屋に戻って冷蔵庫を見る。 これが見事に野菜ばかり…… 二重にストレスが溜まりそう
それから暫く経ち、俺の体重はなんと、十キロ程減った…… 昭和初期の食事恐るべし。
なんとか昭和初期の地獄を乗り越え、なんとか俺は生きていた。最終的には大根の葉だけ齧ったりしたが
、なんとか生きてる。引き分けがこんなに恐ろしいものだったとは初めて知った。
そして、またあの世界に行く。いや行くじゃない、
逝くだ! もう、どうにでもなってしまえ!紙の上に利き手を叩くように置く。周りが宇宙空間に変わる。
始まる。闘いだ。 宇宙空間はキラキラと輝いていた。
着いた。直ぐにモンスターに乗る。そして、一つ確認した。それは搭載された武器だ。モニターから武器一覧というのを見つけ、見る。 粘着爆弾、銃、大剣
……なんだ、色々あるじゃないか。ちょっと見直した
。 しかし、よく見ると可笑しい武器がチラホラ、鉄パイプ、箒、ロッカー、サッカーボール、肥後、こんなのは一体どの場面で使うのか?そして、このモンスターの何処に収納されているんだ? 謎だ。
もういい、行く。マシンを動かし、フィールドに出る。もう、相手がタイヤやら何やらでも驚かない!
フィールドに出て。相手が来るのを待つ間にそんな事を心に刻んだ。
そして、相手が来た。先ずは二足歩行かどうかを確認する。二足歩行だ。そして、顔は……熊!?そこに居たのはどう見ても熊のぬいぐるみだった。「ありえるかよ……こんな事。」目を真ん丸くした。そこへ声がする。「あんたが相手?その気持ち悪いモンスターかしら?弱そうね。」なんだ、なんだこのイキナリの煽りはしかも、今笑ったし!俺は言い返す
「初対面には敬語が一般的ではないのですか?まさか、そんな知識も無いお 馬 鹿 さん なんですか?随分と可愛らしいマシンで戦うんですね。熊のぬいぐるみですか?楽~に勝てそうですね~!」ああ……やってしまった!これは負けフラグだ!そう、俺は煽られると煽り返してしまう性格だった。口喧嘩は絶対に口では終わらない。誰も得をしない。そんな事は重々承知だった。だが、口喧嘩をしてしまった。なんて男なんだ俺は……落胆した。
カウントを始めます。 53…52…51…50…49 あ、いつの間にかカウントが開始している!落ち着かせなければ。
レバーを握って深呼吸。すぅ~はぁ~ よし!
5…4…3…2…1…go!!
最初から攻める!武器を大剣に変更!そして、相手より速く、斬る! すると、相手は武器で防御をとる。 だが、その上からまた斬る!斬る! 火花が飛び散り、相手は少し、後ろに下がった。しかし、油断は出来ない。木登りは気で果てる的な事になったら嫌だからな。あああ……せめて盾見たいな物が有ればなぁ
あった!ロッカーだ。すぐさまロッカーに武器を切り替える。 とりあえずこれで防ぐか。
相手の構えが変わった。あれは、まるで剣道の様な構えだ。威圧感。それに俺の気持ちは震える。
そうとうヤバイ。ロッカーをしっかりと構えた。
すると、武器を振り下ろした!と思ったら、ロッカーが真っ二つになっていた。巻藁か!剣道かと思ったら、あれは真剣切りだったか?俺は武器を見た。あれは日本刀だ。日本刀とは極限まで軽くする事で異常な切れ味を持つらしい。仕方がない次の武器に切り替える……「させない。」その声がした途端、モンスターに刀が降りかかる! 咄嗟に右のハンドルを引き、なんとか避ける!避けた先にはハンマーらしき鈍器があって、それは避けられなかった。鈍器は直撃した、
「ドンッ!」鈍い音と共に俺はマシーンごと地面にめり込んだ。
「痛い…あれは流石にまずかったかな、はは……」
とにかく次の手を考えなければ。しかし、復活したら
またあの鈍器で潰される……しかし、 このままでも
また潰される!仕方ない、アレを使うか。
俺は後ろのボタンを押した。何処からかバナナが出てくる。それを急いで食べ、皮を何処かに……何処へ??そうだ!俺は後ろのドアを開け、気づかれないように屋根に乗り、バナナの皮を乗せた。これでいい筈だ。 すぐに戻る。そして、その時は来た。鈍器は屋根を殴った!そして、滑る!滑って、機体はバランスを崩し転んだ。 チャンス!俺はすぐさま銃を装備し、相手に撃つ。煙が舞い上がる。しかし、撃つ!暫くして、勝ったか?と撃つのを止める。「 あんた!ふざけないでね!!」その声と共に刀が降りかかる!
それを銃で防御した。しかし、銃で防御等できる訳はなく、銃は真っ二つに俺、刀はマシンを直撃! HPがゼロになり、俺のマシンは爆発した。
「youROS……」ああ、初めて負けた。一週間バナナか。と落胆した。だけど帰り際に聞こえたあの言葉が頭から離れなかった。「あなた、強いわ。また、来なさい!何度でも戦ってあげる……よく、頑張ったね。
お疲れ。」 あんな事を言う女だとは思わなかった。
本命が増えた。甲高い声だけじゃ無かった。
気づいたら、自分の部屋にいた。「よう。お疲れ様
。負けちゃったか……ま、そんな日もあるさ。」
これは……甲高い声!?まさか!? 「まさか、現実に居るとは思わなかったでしょ?吃驚した?」そこに居たのは俺のイメージ以上の美人だった。俺は「いや.……」と笑顔で言った。「あれから気になって会いたくなっちゃった!君もイメージ通りだね!」その笑顔は太陽みたいに眩しく、これは現実か?と疑った。
とりあえずギュッと抱きしめてみた。「触んじゃねーよ!!気持ちわ……あ、ごめんね。でも、いきなりは
ダメだよ。」 ああ、これは現実だ。「ごめんね。」と耳元で呟いたら、頬を赤らめて「いいよ。」と下を向きながら呟いた。時間はゆっくりと流れてゆき、夕日が沈んだ辺りに「そろそろ帰らなきゃ!」と甲高い声の彼女が言った。「最後に名前を聞かせて。」僕は彼女にそう言った。「光 美季。 じゃあね。またフィールドで会えたらね。でも、また来るかも……」僕の方を振り返りながら歩いていった彼女はきっとまた来るだろう。手を振りながら、そんな事を思った。
部屋に戻り、バナナを齧った。甘い。けど、少し、
苦がった。窓から夜空を見ると、少ない星は宝石みたいにキラキラしてる。夜空なんて見るのは何時ぶりだろう。 俺はその夜空を暫く眺めていた。
そして、俺はまた闘いに行く。今日も勝つ気だ。紙に手を置き、宇宙空間からフィールドへと。借金なんていつの間にか忘れてた。でも、今は楽しいからいい
。go!! 戦いのアナウンスが今日も鳴り響く。