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第5話 森ノ魔獣ト聖女

運命の悪戯か、神の意思か、まるで仕組まれたように出会った少年と少女。

見詰め合った二人の間に流れる空気は非常に気まずい。


(なんだコレ!ギャグじゃねぇか!)


使い古された三文小説のようなベタな展開に、カナタは声も出ない。

彼の全身はまるで石になったようにその場を動けなくなる。

肩に下げた獣の角が放電して痺れているというのもあるがそれだけではない。


理由としては沐浴中の女性の裸を覗いてしまった気まずさも勿論あるが、理由はまだある。

目の前の少女の美しさに、ガラにもなく心を奪われてしまったからだ。


幼少期より大人に混じって数多の戦場を駆けた兵士といえど所詮は17歳の少年。

思春期真っ盛りの男子に今の光景は非常に刺激が強い。

体の奥底から湧き上がってくる衝動で体の内側が熱い。思わず鼻息も荒くなる。


(ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ何だコレ!)


目の前にはあれほど求めていた他人とのファーストコンタクトのチャンス。

聞きたい事や知りたい事が山ほどあるのに、脳内で思考がまとまらず言葉が出てこない。

相手の女性も事態が呑み込めてきたのか、頬を赤らめ両腕で胸元を隠す。

愛らしい外見から受けた印象から歳はそう変わらないように見える。


ジッと見つめたまま動かないカナタの視線に、少女がモジモジと恥ずかしそうに身をよじる。

そんな仕草が実にいじらしい。


(凄く・・・可憐だ!?)


カナタの思考が完全におかしな方向へと走り始める。

先ほどの大蛇との命がけの追いかけっこなど既に頭のどこかへ吹っ飛んだ。

それほどまでに目の前の少女は美しく清廉であり可憐。モロにカナタ好みだった。


(ああ~なんか今までの人生で周りにいなかったタイプだ~)


なんとか無表情を維持していた表情が徐々に崩れていくのを止められない。

それも無理からぬ事。目の前に広がるのは思春期の男子にとっては幸せを体現した光景。

子供の頃からむさ苦しいおっさん共と戦場で生きてきたカナタにとっては、この一分一秒が幸せな時間だ。


無表情から一転してイヤらしい笑みを浮かべる目の前の男に、少女は涙目になって非難の視線を向ける。

だが、それすらも今のカナタにとってはご褒美でしかない。

今にも襲い掛かってきそうなカナタに身の危険を感じた少女が意を決したように口を開く。


「ユェスート・トュフェッタ?(訳:あなたは誰なんですか?)」

「・・・・・・・。へっ?・・・今なんて?」


透き通った声で彼女が放った言葉に、脳みそピンク状態だったカナタの思考が一気に現実に引き戻される。

相手が発した聞きなれない発音と言葉に思考がこんがらがる。

心の奥から急に沸き上がった不安に動揺しつつも、聞き間違いかもしれないと思い少女に問いかける。


「わっ、ワンモアッ!ワンモアプリーズ!」

「ワッ?ワモア?トワラッディアエウィースァ?(訳:何を言っているんですか?)」


再び彼女の口から紡がれた言葉に頭の天辺まで上がっていた血がサッと引いていく。

彼女の言っている事がまったく分からなかったからだ。


暗殺者時代から世界各地を巡り、色んな国の人々と出会った。

その中でカナタはありとあらゆる文化に触れてきた。言語はその最たるものだ。

各国、各地域の言語を聞いてきたカナタは話せるほどの習得はできなかったが、

複数の言語を操る同僚たちのおかげで、複数の国の言語を理解できるようになった。

だが、今相手が話した言葉は今まで聞いたどの言語とも違う。


(まるで聞いた事がない言語。どうなってるんだ?)


カナタの表情から余裕と下心がみるみる内になくなり、真顔で真剣に考え始める。

言葉のイントネーション的にはヨーロッパあたりの言葉に近い気もするが、

ドイツ語、イタリア語、フランス語、スペイン語等が頭に浮かんでは消えていく。

1人、思考に没頭するカナタを少女が怪訝な顔で覗き込む。


その時、周囲の森の中に複数の生き物の気配を感じ、カナタは顔を上げる。


(人の気配?)


カナタはまとまらない思考を中断して森の方へ視線を向ける。

森の中を慌ただしく走る複数の足音とガシャガシャという金属音が近づいてくる。

直後、森の中から6つの人影がカナタの前に飛び出した。


「えっ?」


驚きの声を上げるカナタの前に飛び出したのは数人の屈強そうな男達。

だがカナタが驚いたのはそこではない。

現れた彼らの恰好にカナタの頭が再び混乱しそうになる。


降り注ぐ陽光の下、現れた男達は胸に太陽光を反射するほどに輝く銀色のブレストプレート、

両の腕には銀の手甲、足にも同じ輝きを放つ足甲。腰には鞘に収まった長剣。

漫画かゲーム。でなければ歴史書や伝記でしかお目にかかった事のない兵士の恰好をしていた。

そのあまりにも前時代的な彼らの装備に、もう何から突っ込んでいいやら。


呆気に取られているカナタを尻目に男達がカナタを取り囲み、少女から引き離す。

その中の1人。リーダーと思しき短い金髪の青年が少女の傍に立つ。

少女の裸体から目を逸らし素早く手に持った白い布を背中から掛ける。


「セリュール。ガーティナレプローブ(訳:聖女様ご無事で)」

「ヴィ、プロブタレス(訳:ええ、大丈夫です)」


紳士的な振る舞いで少女の身を隠すと、青年は少女を背に守るように前へ進み出る。

腰の鞘から素早く剣を抜き、正眼に構える。

その鋭い眼光が目の前に立つカナタを真っ直ぐに見据える。


(なんだこの男。見たこともない服装だな。それにあの目・・・)


青年は視線だけを下から上へと素早く動かしてカナタを観察する。

見慣れない上下黒の服装、それに左右で異なる色の瞳。

少なくともこんな姿の人間は自分たちと同じ国で見たことがない。


(見るからに怪しい。何が目的だ?)


先程まで沐浴中の聖女の邪魔をせぬよう周囲を警戒をしていた青年。

次の目的地へ出発の準備が整ったタイミングで響いた轟音と直後に上がった水柱。

聖女の危機を察知し駆けつければ、聖女に迫る見知らぬ男。


(他国の間者?という事はまさか暗殺か!)


短めの金髪の青年。リシッド・フォーバルは一度息を吐いて手の中の剣を握りなおす。

今回の彼の任務は祭事の為に王都へ向かう聖女の護衛。

彼女の身に降りかかる危機は如何なるものであれ払う義務がある。


(相手が誰であろうと、聖女様には指一本触れさせない!)


怒りにも似た気迫と共に一歩を踏み出すリシッド。

彼と同じように周りにいる仲間達も剣を抜き、カナタへの包囲の輪を縮めていく。


(なんなんだよ今日は。厄日か!厄日なのかっ!)


さっきまでのハッピーな時間はどこへやら。完全に誤解されて状況は加速度的に悪化している。

自分の置かれた状況にカナタは心の中で涙する。

その間も周囲の男達が口々にカナタに向かって何か言っているが生憎まるで分からない。


(どうするんだよ。話し合おうにも言葉は通じないし)


泣き言を言いたい気持ちを抑えて周囲の男達の武装に目をやる。

手に持っているのは全員が長剣一本のみ。予備兵装に短剣を持っている者もいるが他はなさそうだ。

男達の一糸乱れぬ身のこなしからかなりの腕前である事が窺える。

だが、同時にお手本の様なその動きから分かる事もある。


(訓練は相当積んだみたいだが、実戦経験は大したことなさそうだな)


動きが型にハマりすぎだ。基礎は重要だが頼りすぎれば応用力を損なう。

こちらとしては好都合、対人での実戦経験が少ないなら今の武装でもやりようはある。

何せこちらは相手の想定した訓練通りに動く気がないのだから。


冷静に今の状況を整理しながら、今後の方針について思考する。

初めに周りの何人かを倒して逃げるという案を思いつくが、この広大な森で逃げたら次に人に会えるのはいつになるか分からない。


(逃げるのは無しだな。他にアイディアは・・・)


ふと、金髪の青年の奥で身を隠すようにする少女と再び目が合う。

彼らの動きから少女が相当に重要な人物らしい事は分かった。

とすれば彼らの包囲を抜けて彼女を人質にし、人のいる場所まで案内させる手が浮かぶ。


(却下。後の事を考えたら恨みを買うのは避けるべきだ。というかむしろお近づきになりたい!)


ふと脳裏に先程の彼女の艶めかしい肢体が浮かぶ。

緊迫した状況下で脳内メモリに記憶された鮮明なヴィジョンを永久保存に決定。


「ユェス・ジッダスーフェトイフォル!(訳:貴様何を笑っている!)」


真横からした男の声に咄嗟に反応し、真横から突き出された剣を左手で受け流す。

そのまま向かってきた相手の背後に廻りこみ、無防備なその背中を軽く手で押す。

背中に加えられた僅かな力だったが、男は体勢を崩し前のめりになって派手に転ぶ。


(あっぶね。エロ妄想で命落とすとこだった)


反応できなかったら大けがでは済まなかっただろう。内心でホッと安堵する。

額に浮かんだ汗を拭うと、カナタは気を取り直して周囲に視線を向ける。

取り囲んでいた男達の顔に、一瞬動揺が走ったがすぐに持ち直す。


どうやら咄嗟に体術を披露してしまった事が返って相手の警戒心を煽ってしまった様だ。

男達の視線が完全に警戒から敵を見る目に変わった。

正直こうなるともう穏便に事を済ませるのは難しい。


(ああ、やる事為す事どんどん裏目になっていく)


どうしてこうなったのか誰かに教えてほしい。

精神的に追い詰められていくカナタ。

その時、頭上に突如大きな影が差す。


「ビシェェエアアアアアアアアッ!」


見上げれば先程まで戦っていた大蛇が、その巨体をくねらせながら落ちてくる。


「あっ、忘れてた」


大蛇の巨体が湖の中心に落ちた瞬間、天高く水柱が上がる。

水面が大きく波打ち、穏やかだった湖面に高波を起こす。

大蛇を中心として発生した波がカナタ達の下へと押し寄せる。


「やっべ!」

「ザナー!ヤーヴァッ!(訳:総員退避!)」


押し寄せる波に敵も味方も関係なく全員が一斉に走り出し、湖を囲む森の中へと逃げ込む。

波に飲み込まれる前になんとか森へ駆け込むと、近くの木にしがみつく。

胸のあたりまで高さがあった波が体を叩くと後ろへ抜けていく。

波がカナタ達を追い越して森の奥へと広がっていく。


広がった水がゆっくりと引いていき、くるぶしのあたりまで水が引いた所で、湖の方へ視線を向ける。

グレネードの炎に焼かれた口から煙を上げる大蛇がゆっくりと首を持ち上げる。


「あれじゃ足りないってのか・・・欲しがり屋さんめ」


切り札を一つ消費させられた挙句、未だに衰えぬを見せぬ大蛇に1人愚痴るカナタ。

ふと少女と兵士達が気になって森の中を探す。


「あっ、いた」


探し当てた少女達は、少し離れた木の陰で身を寄せ合って何やら話あっているのが見えた。


「何してんだ?逃げるならご一緒したいとこだけど・・・」


そう思っていつでも逃げられる態勢を整えるカナタだったが、彼らの出した答えはどうやら違ったらしい。

彼らは大蛇と戦うつもりらしく真剣な顔で武器を手に大蛇に向かって歩いていく。

兵士たちはともかく一緒にいる少女までもが大蛇へ向かって歩いているのに思わず声を上げる。


「おいおいっ!冗談だろぉ」


どう考えても彼らの武器であの大蛇にダメージを通せるとは思えない。

無謀にも挑もうとする彼らの蛮勇に開いた口が塞がらない。



一方のリシッド達一行は簡単な打ち合わせを済ませ、最後にカナタの方をチラリと見る。


「セリュール。メッフェプラナロナズショセ?(訳:聖女様。あの男いかがいたしましょうか?)」

「ベラ・スルグレリーカソムヘ(訳:今は放っておきましょう。それよりも)」

「ヴィ、ゲーセルダエムセル・バッゼスドルットダルドーゼアステス(訳:はい、予定外ですが魔獣に遭遇した以上討伐せねばなりません)」


リシッドが少女と共に向けた視線の先には巨大な蛇の魔獣。

魔獣はこの世界特有の生き物で、発見したら国へ報告する義務がある。

現代でいうところの熊等の野生の猛獣と同じ様な扱いだ。


旅人や商人は国から魔獣の出現ポイントの情報を買って旅をする。

道中の安全を金で買うのだ。リシッド達は国の人間なので無料で情報が手に入る。

今回も目的地へ遠回りになるのを承知で危険の少ないルートが選ばれた。

だが魔獣に人間の都合など関係ない。現にこうしてばったり遭遇する不幸な事態だって起こる。


先程、聖女の沐浴前に湖の周辺は一通り確認したが、その時は発見できなかった。

恐らくあの不審な男を追ってここまで来たのだろう。

となれば先ほどの男も被害者なのかもしれない。


(もしそうなら少し悪い事をしたか?)


リシッドは得体の知れない男に少しばかり同情するが、今はそれどころではないとすぐに気持ちを切り替える。

目の前に現れた魔獣の討伐に集中せねばならない。

彼は国の軍人だ、国家と国民の安全を守るのが仕事。


魔獣が一度人のいる場所に出れば甚大な被害が起きる。

その為、発見した際の討伐任務は非常に重要視されている。

例え、偶発的な遭遇であろうと見逃すことは許されない。


それが教会の聖女レティス・レネートの護衛任務中であろうとも!


リシッドは自分よりも年若いレティスの言葉を待つ。

最悪、彼女には護衛を1人つけて目的地へ向かってもらうつもりだ。

この場で最優先は魔獣を討伐し、万が一にも人里に降りる事を未然に防ぐこと。

とはいえ任務を放棄する事も出来ないので現状ではそれが最善だと思えた。

だが、次にレティスが放った言葉はリシッドの思惑に反していた。


「ラーセス。アレムドマジェスタスサーシエル(訳:分かりました。微力ながら私も魔術で支援します)」

「・・・セリュール。アガアーレトゥ(訳:聖女様。感謝します)」


予想外の彼女の見せた強い意志に、リシッドはレティスへと深く頭を下げる。


聖女と呼ばれる存在は国内に16人いるが、彼女らの役目は基本的に教会の威光を喧伝し信徒を増やす事。

自らの命を懸けて戦うような立場ではない。

だが、目の前の聖女様は他の教会の広告塔としての聖女とは違うらしい。


当初、護衛任務に乗り気でなかったリシッドだったが、今回この少女と共に旅が出来た事を運命の巡り合わせに感謝する。


ともあれ、いざ共に戦うにしても若い女性を半裸のまま戦わせるのは男として気が引ける。

今は非常時だから気づいていないみたいだが、先程の高波で濡れた白い衣が少女の柔肌に張り付いており、なんとも艶めかしい。

彼らもプロだから戦場で情欲に溺れる様な者はいないが、


(このままでは戦闘後に恥ずかしい思いをさせてしまうな)


どう切り出したものかと悩むリシッドの前に部下の1人が彼女に進み出る。

兵士が腰も帯びたカバンの中から彼女用の白いローブを差し出す。


「セリュール。フィルフォートレィト(訳:聖女様、お召し物をどうぞ)」

「サーネトリア(訳:ありがとうございます)」


レティスは差し出されたローブを受け取ると、素肌の上に纏う。

とりあえず露わだった肌や体のラインは隠された。

リシッドは流れるように素早い部下の対応に心の中で拍手を送る。


レティスが身支度を整え終えたところで、ゆっくりと部下1人1人を見渡した後、リシッドが剣を掲げて叫ぶ。


「バティスリシッド!ザナーラーガアダッガ!(訳:リシッド隊!総員攻撃態勢!)」


リシッドの号令に合わせてリシッド配下の5人が隊列を組む。

リシッドを中心に先頭に2人、右と左に1人ずつ、後ろに聖女レティスと護衛役が1人つく。

隊列を維持したままリシッド達が大蛇に向かって走り出す。


その様子を木の陰から眺めていたカナタは事の成り行きを観察することにした。

どの道、今逃げたところで彼らが負けてしまえば今度は自分が追われる事はほぼ確定している。

その場合、戦って勝ち目があるかは正直微妙だ。何せロクな武装がない。


(対物ライフルとかあれば楽なのにな~)


対物ライフルの弾丸が大蛇の頭を粉々に吹き飛ばすイメージを幻視するが、

すぐに頭を振って浮かんだイメージを打ち消す。無いものねだりをしても仕方ない。

彼らに何か対応する術がある様だし、今はそれに任せよう。

首尾よく大蛇を倒せたなら降伏して人のいる場所まで連れて行ってもらおう。


「それじゃ、お手並み拝見っと」


コソコソと木の陰に身を隠し、戦いの行方を見守る事にするカナタ。


彼女らの前で、湖面から陸地へと移った大蛇。

その姿からは先の戦いでカナタから受けたダメージが残っているはずなのに動きが鈍っていない。

むしろ怒りのせいか先程より威勢がいいぐらいだ。


大蛇が眼下に迫るリシッド達を目にすると、その身をくねらせ動き出す。

まるで砲弾のように飛び出した大蛇の頭がリシッド達に迫る。

向かってくる大蛇に、前列に立った2人の兵士が剣を手に突っ込む。


「「シェルデウォーレン!」」


2人の男が声を上げた瞬間、彼らが持った剣が淡い光を放ち、何やら2人の前面の空間に違和感が生じる。

直後に大蛇の巨体が2人の眼前に飛び込み、両者が激突する。


(なんだあれは!?)


一部始終を見ていたカナタの目に飛び込んだのは異様な光景。

大蛇の強烈な体当たりに二人が吹っ飛ばされると思っていたが、

2人の兵士は地に足をつけて立っており、大蛇の巨体は彼らの前でピタリと止まっていた。

まるで見えない壁に阻まれた大蛇はそれ以上進むことができない。


「ギシャァアアアアアアアッ」


行く手を阻まれた大蛇が叫び声を上げて暴れる。

そこへリシッドの左右に展開していた2人の兵士が飛び掛かる。


「「フォーゼスシャバル!」」


咆哮と共に飛び上がった2人の剣は赤い光を纏う。

直後、炎の様に赤く染まった刀身が大蛇の体目掛けて振り下ろされた。


「ギシュアアアアァッ」


大蛇が悲鳴を上げてその巨体を仰け反らせる。

見れば硬質な鱗で覆われた大蛇の体に大きな傷が刻まれている。

その切り口は高熱で焼き切られており、裂け目は焼け焦げていた。

どう見ても力任せに切ったものではない。


「どうなってんだよ。まるで魔法じゃないか」


自分の口をついて出た言葉にカナタは思わずハッとなる。

魔法。それは最も現実離れしすぎて考えもしなかった事。

チャールズの集めていた日本のアニメやケイの持っていた漫画で知った単語。

フィクションの世界でのみ不可能を可能にする超常の力。


「バカバカしい。そんな事あるわけない」


首を振って頭に浮かんだ突拍子もない考えを振り払う。

だが、一度頭に浮かんだ可能性の芽は消えない。


そもそもフェイロンとの死闘から目覚めてから今までおかしな事ばかりだった。

跡形もなく消えた大怪我の痕跡。

見慣れない森に見慣れない植物。デタラメな星の配置をした夜空。

聞いた事のない言語を喋る人々。

雷を操る謎の獣に目の前の大蛇といった化け物達。

それらの事実が結びつき、一つの真実を導き出そうとしている。

だが、それはあまりに現実離れしており、認めがたい事実。


(ありえないだろ!漫画やゲームじゃないんだぞ!)


思考の迷路に囚われたカナタを余所に状況は動き続ける。

大蛇の体に剣撃を刻んだ後も、兵士達は休むことなく大蛇に剣を打ち込み続けている。


反撃を試みる大蛇だったが、壁役の兵士が飛び出して攻撃役の兵士を守る。

兵士達の連携が取れた動きに先程対峙した際の不慣れな感じはない。

その動きから彼らが対人よりも対化け物戦に慣れている事に気付く。


確かにあの大蛇を初めて見た時から彼らにはあまり驚きが見られなかった。


(あんなの化け物相手にまるで負けてない。いや、むしろ・・・)


遭遇時にカナタがダメージを与えていたとはいえ、戦況は兵士達が有利に運んでいる。

信じられない光景だ。そもそもあの大蛇と人間では基本性能が根本的に違う。

単純な力だけなら大人が数十人集まってようやくつり合いが取れるレベルの怪物。

そんな桁違いの相手に彼らはたったの4人で圧倒している。


しかも彼らの中で一番強そうな男はまだ攻撃に参加していない。

その時、リーダー格の金髪の青年が手に持った剣を構えた。


「ゴーファッ!(訳:行くぞ!)フォーゼイラス・シュバレ!」


青年の持った剣が他の兵士達と同じ様に光を放つ。

青白い炎の光が剣を包む。見るからに他の者達のものよりも強い力を感じる。

リシッドは一呼吸の後に大蛇に向かって駆けだす。

直後、彼の後ろに控えていた少女も持った杖を掲げて叫ぶ。


「シルフェヌスヴェーラ!」


少女の声に応えるように杖の先端の青い玉石から白い光が飛ぶ。

リシッド向かって伸びた光が彼の体を包み込むと、その体が弾かれたように加速する。

目にも止まらぬスピードで大蛇の眼下に迫ったリシド。

大蛇の足元で踏み切ったリシッドは真上に向かって飛び上がる。


大蛇の顔に向かって上昇しながら鋭い斬撃を幾度も繰り出し、足元から大蛇を切り刻んでいく。

体中を駆け巡る苦痛に大蛇の体が大きくグラつく。


(これならイケそうだな)



気分はもうスタンドから野球観戦する客状態になりかけるカナタ。

贔屓のチームの優勢に満足するおっさんの心境だ。

この調子でいけば大蛇の胃袋に収まらずに済みそうだ。


大局が決した事でカナタは別の事を考え始める。

金髪の青年が先程放った一撃。そして少女が杖から放った光。

どうやらもう認めるしかないようだ。


あれは"魔法"だ。


機械や科学の力を使わずにあんな芸当が出来る生き物をカナタは知らない。

そうなってくると今度は違う問題が浮上する。


(一体何がどうしてこうなったんだ!)


心で叫んでみるが、その問いに応えてくれる者は勿論いない。

ここがどこかは分からないが少なくともカナタの知っている地球でない事は確かだ。

普通に呼吸が出来ていることなどから大気成分などは地球と同じか類似した環境になるんだろう。


こうなった原因を探すべく記憶を遡ってみるが心当たりはない。

景色が変わる前の最後の記憶はフェイロンとの死闘。

あの後何かが起こったとしか考えられない。


「もしやここは死後の世界で俺は死んでここに飛ばされたとか?」


大怪我が治っていた事を考えればそれが一番しっくり来る気もする。

だが死後の世界にしては痛みは感じるし運動能力もそのまま。

持ち物だって最後の戦いで身に着けていた装備と変わっていない。


「死んでたら肉体があるのは変だし・・・持ち物は使った分減ってるし」


そう言って自分の持ち物を確かめるよう触れていく。

折れたマチェットの柄、コンバットナイフ1本とスローイングナイフが残り3本。

切り札のハンドグレネードが1個。

そして謎の獣から剥ぎ取った斧状の角が2本にそれを毛皮で縛った1m程のワイヤーが1本。

死後の世界にしては現実的すぎる装備品とシビアな数字にため息が出る。


「うわぁ~。なんかスゲー帰りたい」


思わずそんな弱気が口をついて出る程、カナタは目の前の現実に打ちのめされる。

ただでさえ昨日から災難続きでロクな目に合っていない上に、知りたくもなかった事実を突き付けられれば誰だって心が折れる。

カナタがこの世の終わりのような表情で絶望していると戦いが決着に向けて動き出す。


「ハァアアアアアアッ!」

「ウォオオオオオオオッ!」


雄たけびを上げる兵士達が次々に大蛇に傷を負わせていく。

油断なく攻め続ける兵士達の前に大蛇の命運は間もなく尽きる。


「ゼッフェダールッ!(訳:一気に決めるぞ!)」

「オオッ!」


リシッドの号令に他の兵士たちが答えると、4人の兵士が一斉に大蛇へ襲い掛かる。

遠くで見ていたカナタからもその光景はよく見えた。

決まった。カナタ以外のその場にいた誰もがそう思った。


(これで終わり?本当にそうか?)


不意にカナタの中で灯った疑念。脳裏に浮かんだのは昨夜の出来事。

謎の獣との戦いの中、仕留めに掛かった時に突如放たれた雷撃。

自身の有利を足元から根こそぎひっくり返した圧倒的な破壊力を思い出す。

あの獣とこの大蛇は全く違う生き物だ。その2匹を同じと考える事自体が馬鹿げている。

だが、一度脳裏に浮かんだ不安はどんどん膨れ上がっていく。


その時、カナタの目が捉えた大蛇の瞳。それは狩られる獲物の眼でなかった。

燃え上がるような憤怒の輝きがその眼に満ちる。


「ヤバいっ!逃げろぉおおおおおおおっ!」


咄嗟にカナタが森の中から身を乗り出し、リシッド達に向かって大声で叫ぶ。

だが、一足遅かった。

飛び掛かった男達の剣が大蛇の身に届くよりも早く大蛇が咆哮を上げる。

今までの叫び声とは異質な、破壊力をもって放たれた叫びが大気を揺さぶる。

それはまるで音の大爆発。


大蛇から離れた場所にいたカナタにまでその波が押し寄せ。

空気の壁を叩きつけられたような衝撃に体がフラつく。


離れた位置にいたカナタにすら届く程の威力を持った咆哮。

至近距離でこれを受けた兵士達をどれほどの衝撃が襲ったかは想像もつかない。


4人の兵士が耳や鼻から血を流し、白目を剥いてその場に崩れ落ちた。

中には衝撃で皮膚が裂かれ、血を流す者までいる。

そんな中、レティスの魔法に守られて辛うじて意識を保ったリシッド。

だが脳を激しく揺さぶられたせいか全身に力が入らず膝をついたまま動けない。


「ガッ・・・・アッ・・・・グゥウウウッ」


呻き声を上げて必死で立ち上がろうとするが、今の姿勢を維持するだけで精いっぱいだ。

そんな彼の頭上では形勢をひっくり返し、圧倒的有利を手に入れた大蛇が見下ろす。

大蛇にとっても今の攻撃は奥の手だったらしく口の周りは血だらけだ。

だが、大蛇にとって動けなくなった兵士等もはや敵ではない。


勝ち誇ったように一帯を見渡す大蛇の視線がゆっくりと1人の少女に向かう。

少し離れた場所で魔術による支援を行っていたレティス。

何らかの魔法の力か光を纏った彼女だけが無傷で立っていた。


彼女の護衛についていた兵士は泡を吹いて失神している。

1人取り残された少女を守った光も少しずつ大気中に霧散し、守るものを全て失った無防備な少女が大蛇の前に取り残される。


「ハァッ・・・ハァッ」


荒い息を吐きながらもレティスは杖を前に突き出して大蛇と対峙する。

手足は遠目から見ても分かる程震え、唇が青くなるほどに噛みしめている。

勇気は認めるがどう見ても勝ち目はない。

そんな彼女に向かって大蛇が地面を滑るように移動を開始する。

向かってくる大蛇に向かってレティスが魔術を放とうとするが、

恐怖でうまく術が発動しない。

みるみるうちに迫る大蛇にレティスが固く目を閉じる。


(殺される!)


その時、彼女の体を真横から衝撃が襲って地面に押し倒す。

直後、地面に倒れたレティスの傍を大蛇の巨体が駆け抜けていく。

何が起きたか分からず地面に横たわるレティスを誰かが抱き起す。


「おいっ!何やってる!死にたいのか!」

「ふえっ?」


間抜けな声をあげるレティスの顔を覗き込むのは青と黒の瞳の男。

先程自分の裸を凝視していた不審者だった。

訳が分からず自分を抱き上げる男の手から逃れようと腕の中で暴れるレティス。


「ダュレネーテ!(訳:離して!)」

「暴れんな!っつても通じないんだっけか!」


カナタは早々に説得を諦めると彼女の細い体を持ち上げて肩に担ぐ。

触れあった部分から伝わる体温にドギマギするが今は気にしないよう心を抑えつける。

大蛇の方に視線を向けると既にこちらに向き直っている。


「ったく。こういうのは俺のキャラじゃないんだよ!」


足元で失神している兵士の剣をつま先で跳ね上げて右手に持つ。

拾い上げ手に持った印象としては何の変哲もない西洋式の片手剣。

特別な力を持っている風ではないし魔法が使える気配もない。


「チッ!俺にも魔法みたいなの使えるかと思ったがダメっぽいな」


舌打ちしてそんな悪態をつくとレティスを担いだまま森に向かって走り出す。

自分の持ち札と現在の状況を照らし合わせてカナタの脳が高速で戦術を組み立てる。

やはり最大の攻撃力を持つハンドグレネードが切り札だ。


こいつをうまく使って急所を叩けば勝利する可能性は十分にある。

ただ、現状自分は足手まといを抱えており、全力戦闘が出来ない。

死にかけとはいえ相手は人間等遠く及ばぬ化け物。


「せっかく生き延びたのに2日もたないとか・・・ないわぁ~」


やたら独り言を呟くカナタの肩の上で少女がジタバタと暴れて何か言っている。

言葉が分からなくともこの状況で言う言葉は大体予想がつくので取り合わず無視する。


「蛇の急所ってどこだったっけなぁ~」


森の中を進みながら数度しか見なかった生物の教科書を思い浮かべる。

解剖図は乗っていた気はするが、弱点なんて書いてなかった事を思い出す。

その時、背後の木々の間から大蛇の頭が飛び出す。


咄嗟に近くにあった木を蹴って真上に3m程駆けあがる。

直後、足元を風切り音と共に蛇の巨体が通過する。


「おおお、おっそろしい」


危機一髪だったが、口調からはとてもそんな印象を感じさせない

ひとまず間違って大蛇の上に落ちたりしないように剣を木の幹に刺して体を支える。


「あの上に落ちたら鱗でミンチだな」


落ちた時の事を考えると背筋に冷たい汗が流れた。

正直、悪党の自分の死に方を選べるとは思ってはいないが、死ぬにしたってあんな化け物の餌なんてのは御免だ。


数秒で真下を通り抜けた大蛇の姿が視界から消えた所で、木に刺した剣から手を離し地面に飛び降りる。

だが、これが失敗だった。

顔を上げると、いつの間にか回り込んでいた大蛇の頭が木の間に見えた。

小賢しくも待ち構えていた大蛇が勢いよくカナタに向かって飛び出す。


「クソッ!」


咄嗟に抱えていたレティスを抱きしめるようにして庇い、相手に背を向ける。

直後、全身に衝撃が走ったかと思えばジェットコースターのように景色が真横に流れていく。

まるでピンボールの様に弾かれたカナタの体は巨木に叩きつけられて地面に落ちる。

激突の衝撃で左上腕と左肩の骨がへし折れた。


「いってぇえええ」


左腕から広がる痛みに苦悶の表情を浮かべながら腕の中の少女を見る。

腕の中の少女は体を丸め、目を固く閉じ唇を噛みしめている。

だがかろうじて彼女に怪我は見られない。


(ああ、よかった。ドジってケガさせたら目も当てられない)


痛みの中、腕の中の少女を守るようにしてゆっくりと立ち上がる。

立ち上がる時に左足首に激痛が走る。どうやら落下の際に足を捻挫したらしい。

それでも思っていたよりは怪我の程度は軽いらしくまだ動くことはできる。


「ほんとツイてないな」


今も大蛇の巨体が森の中をカナタ達に向かって近づいてきている。

このままでは二人まとめてあの化け物の腹の中だ。


腕の中の彼女だけでも救う手はある。

自分がハンドグレネードを持ってヤツの口の中に飛び込めばいい。あれだけの深手であればそれでトドメを刺せるはずだ。


「ガラじゃないにも程があるけど・・・それも悪くないか」


意を決してハンドグレネードに手を伸ばす。


「あれ?」


カナタの意思に反して空を切る手に視線を向けると、ベルトに下げていたはずのハンドグレネードがそこにはなかった。

慌てて全身を確認するが、最後の切り札は忽然と消えていた。

恐らく先程の体当たりを食らった時に留め具が壊れて飛ばされたのだろう。

目の前に突き付けられた非情な事実に思わず乾いた笑いが漏れる。


「ハハッ。冗談きっつ」


切り札を失い、もはやカナタに打つ手はない。

こうなれば諦めるしかない。だが、シジマ・カナタは往生際の悪い男だった。

腕の中の少女を木の陰に隠すように座らせる。

何かを言いたげに見上げる少女。だがカナタは口元に人差し指添えて静寂を促しその場を離れる。


「ちょっと待ってなって」


不安そうな彼女を残し、カナタは痛む足を引きずりながら少し開けた場所に出る。

大蛇が突っ込んで来れば一目でわかる。


「さてと、最後の大勝負といきますか」


誰にともなくそう告げると、カナタは肩に下げていた獣の角を解き放つ。

斧の様な形状をしたその切っ先は今尚鋭い輝きを放っている。

肉体を失った今も、青白い光を放つその角が現状で考えうる最大の武器。

未だ放電し続けている角を右手に握りしめたカナタは木々の向こうにいる大蛇を睨む。

最後の手段。口の中に飛び込んで腹の中から倒すしかない。


「来いよ!相手してやる」


電撃を放つ角を握りしめると、右手の皮膚が迸る電流に焼かれて酷く痛む。

その痛みを唇を噛みしめてグッと堪える。今はそれどころじゃない。

握った角を離したりはしない。これを離すのはどちらかが死んだ時だけだと心に決める。


「もちろん!死ぬのはおまえだ蛇野郎!」


言葉を解さぬ大蛇に向かって吠えたカナタは迫る大蛇を迎え撃つ。

まるで向かってくる列車にナイフ一本で立ち向かう様な気分だ。

気を抜けば逃げ出してしまいそうな、両足に力を込める。

その時、どこかからカナタの耳に届く声が聞こえた。


≪全ク、困ッタ子ダネ君ハ。仕方ガナイカラ少シダケ手ヲ貸シテアゲルヨ≫

「っ!?」


突如響いたどこからか聞こえた声に辺りを見渡す。

すると何もなかったはずの目の前の空間に突如、黒鞘の長剣が現れる。


「なっ!」


驚きと混乱に目を丸くするカナタの前で、宙に浮いた剣は誰も触れていないのに鞘からゆっくりと上へと浮き上がり、その刀身を晒す。

刀身と共に鞘から零れ出た黒い闇が流れ落ち、地面を侵食する。

闇は動けずにいるカナタの足元へ到達すると、体を伝ってカナタの右手に伸びる。


(何だこれ!一体何が起こってる!)


身動きの取れず、ただただ驚くカナタの手の中で、手に持った獣の角が闇に呑まれた。

次の瞬間、手の中で激しい雷光が発生し、本来の力、いやそれ以上の力をその身に宿した角が現れる。

青白い光をまき散らしバチバチと音を立てる獣の角。


その先端から放たれた激しい稲光が周囲へと飛散し、地面を焼いていく。

カナタの手の中で荒れ狂う力の奔流。

まるで巨大な剣のように伸びた雷光と一体となった角を手にカナタは薄く笑う。


「なんか分からんが、これなら・・・・イケそうだっ!」


理由はわからない。だが確信に近い思いが体の中を込み上げ、カナタの目の前まで迫った大蛇の顔へと目を向ける。

喰らえば命のない大蛇の突進を前に、カナタはまるで恐れる事無く一歩踏み出す。

眼前に迫った大蛇のその頭上に向かって雷光を纏った右手の角を振り下ろす。


「オラァアアアアアアアアアアア!」


声を共に片手上段から振り下ろされた一撃。

雷光で作られた刃の先が大蛇の頭に触れた瞬間、接触部分を伝って無数の雷撃が大蛇の体を尻尾の先まで駆け抜ける。

駆け抜ける雷撃に身を切り裂かれた大蛇は驚く間もなく絶命し、バラバラになった肉片がカナタの後ろへ流れていく。

森中に飛び散った血と肉片が森の中を降り注ぐ中、カナタは雷の影響で真っ黒に焦げた右手を天へ向かって掲げる。


「ウオッシャアァアアアアアアアアッ!」


天まで届きそうな勝利の雄たけびをあげたカナタは、ゆっくりと力尽きて地面へと崩れ落ちる。

誰もが想像しなかった幕引き。静寂の中、ただ1人その場に残される聖女がぽかんと口を開ける。

やがてハッと何かに気づくと、物陰から飛び出したレティスがカナタへと駆け寄る。

意識を失い、倒れた彼の顔を見たレティスが見たのは、気を失いながらも満足そうな笑みを浮かべた彼の顔だった。

異世界語考えるの難しい。

ともあれ、やっとまともに魔法とかの描写が書けた。

次回以降はもっと魔法戦とか派手にしたい。

次回はさらに展開進める予定です。

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