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瞳に映るプレリュード  4



「容赦はしねェ。全力でついてこい」

 ロータリーの茂みから跳び出したヒトミたち。先頭を行く犬の尾を追い、ヒトミ、タンゴ、リマと続く。目指す先は犬の鼻が嗅ぎ分けてくれる。それを皆が追った。だが、犬の足はアスファルトを捉える度、グン、グンと加速していく。

「体育会系じゃないって、言ったのに」

 それでも置いて行かれないように、見失わないように、ヒトミはショウコを求め、必死で走った。けれど、白い犬は吹き抜けた風を孕み、桜並木に花びらのらせんを生み出し、突き抜けて行く。ヒトミが少しでも諦めてしまったら、置いて行かれる。

 でも――さがりそうになる目線をギュッと堪え、前を向く――諦めない。

 ヒトミの見開いた目――力が宿っている。なら――

「リマ!」

 ヒトミと並走していたタンゴが言うと少女の背後を走るリマが応える。

「うん!」

 と加速するリマ。タンゴも加速しヒトミを追いぬく。そして、見計らったように振り上げた前肢で、ヒトミの進路を横切りながら打ちたたくと、大地が波打ち少女を跳ねあげた。「ひゃ」と宙空に放り出されたヒトミをリマが咥え、自分の背中に乗せる。

「しっかりつかまってて。とばすから」

「うん。ありがと」

 言葉通りヒトミがリマの体を抱きしめると、タンゴとリマも全力で駆けだした。それでもヒトミに風は当たらない。自分ひとりで走っていた時は感じた風が――リマに乗せてもらったらまるで、風と一体になったようだ。

 ヒトミがそれに気付き上体を起こした時、既に白い犬の尻尾がすぐそこに――そして、地獄階段があった。

「リマ、タンゴ。一気にとぶぜ」

 振り返らずに犬が言う。が、その意味をリマはタンゴに弾く。

「お願いするよタンゴ」

「結局ワシ頼み……、風はお前の管轄ちゃあったんか?」

「えへへ」

 と笑ったリマに、タンゴはふんと鼻を鳴らす。

「まあええわ……。何が起こるか、お慰みってなぁっ!」

 タンゴが犬さえ追い抜き、地獄階段の頂上から跳び出す。それに続いて犬、リマ、の上に乗ったヒトミ。

「うっそーっ!」

 “飛ぶ”と聞こえたようだったのに、落ちている。いや言葉通り“跳んだ”のだろう。リマの背中から浮き上がってしまいそうになるのをヒトミは必死で堪えているものの、このままじゃあ、地面に衝突してしまう。しかし――

「大丈夫だから」

 リマが言った。「どう大丈夫なのかはわからないけど」と楽観的な言葉を付け足して。

 けど――もう、アスファルトが……。

 ヒトミが目をつむりそうになった時、風が啼く音を聞いた。嵐の中で聞くような颶風ぐふうの唸り。それが地面を這い地獄階段にあたると噴き上がり、皆の体を乱暴に受け止めた。そして吹き抜けた風をあとに残し、着地した動物たちは何もなかったように足を繰る。

 置いてけ堀はヒトミ。何が起こったのかわからないまま、リマにしがみついていた。

 流れて行くのは、わずかな時間と多くの景色――止まった車を跳び越え、商店街を抜ける。おしゃれな衣料品店や喫茶店。美味しいケーキ屋にクレープの屋台など、若者に人気のスポット。それらの看板があっという間に後方へ消えた。

 人の姿がないから、好都合だったのかもしれない。本来ならこの場所だってにぎわう場所のひとつだったのに。

 そうやってヒトミが視線を残し抜けた先は、大通り。

「近いぜ、ここだ」

 犬の言葉に促され、正面へ戻した視線の先には、片側三車線の道路を隔てた向こうに緑の多い公園――中心に象徴的な建造物の建つここは通称――

「展望公園?」

 この街にそびえるふたつの塔。ひとつはMG総合病院。そして、もうひとつは鉄骨百数十メートル級の電波塔。エッフェル塔をモチーフにした造りで、中腹には鉄塔から突き出したガラス張りの展望室もある。カラーリングや構造から東京タワーのミニチュアと言われる事もあるが、必要以上に外へ張り出した展望室しかない電波塔は、メンテナンス管理がされているものの出入りは自由。観光地と言うより地元の恋人たちが夜景を楽しむデートスポットと言った所だろう。

 そんな電波塔を取り巻く木々のアーチを駆け抜ける動物たち。そして、行きついた先は、電波塔のふもとだった。そこで、白い犬は鼻を天に向け止まった。

「この上だな。見えるかリマ?」

「たぶん、だけど、鉄塔から突き出た展望室かな……、その上」

 見上げるリマに合わせてヒトミが目を向けると、展望室の屋根の上――その縁に人影があった。逆光で姿は確認できないが……、背格好はショウコ。

「ショコたん!」

「ちっ、中は抜けらんねェか」

 鉄塔に備え付けられたエレベーターは使えないと舌打つ犬に、タンゴが言う。

「やったらそのまま登るで。出っ張りぐらい、跳び越えさせたる」

 どうやって、と黒猫に視線が集まった。が、無言で犬が頷くと、鉄塔の足へ向け走り出す。それにリマも、タンゴも続いた。

 ほとんど垂直に立つ鉄塔の足。だがそこには“ビス”がある。器用にそれを爪で捉えながら動物たちは登った。まるでそこが平坦な道であるかのように加速しながら、ぐんぐんと。

 しかし、やはり塔から突き出した展望室が立ち塞がる。登るヒトミたちから見れば、垂直の壁――どうやって越える?――またあの風が吹くのかとヒトミが身構えた時だった。白い犬が鉄塔を踏み切る。

「リマ、少し我慢せぇ」

 不意に背後からタンゴの声が聞こえたと思えば、小さな黒猫がリマの体に体当たり。そんな体格差で、と疑ういとまを与えず、ドンと勢いを増す打ち上げ花火のようにリマの巨体がヒトミを乗せたまま宙に舞った。

「あとはお前の仕事や、ちゃんとせぇよ!」

「大丈夫っ! 風はあるからっ!」

 そう言ってリマは前足を背に乗るヒトミへ。そして掴むと、力いっぱい少女を投げ上げた。それはまるで二段打ち上げロケット。その頂点にヒトミが達した時、そこは展望室のさらに上――中空で見下ろした展望室の黒くくすんだ屋根――けれども、この慣性じゃそこに着地できない。

「リマの風が来る。それを捕えろ」

 聞こえた声は隣から。先に跳んだ犬が、ヒトミの隣にいた。あっという間の出来事に混乱しながらもヒトミが頷く。と、言葉通り風がグンとヒトミたちの背中を押す。そしてふたりを優しく包み込んだ。

 ふわりと、ヒトミたちがくすんだ屋根に着地する。案外広く、平面な場所。それを踏みしめ目線を正面に持って行けば、囲う柵も手すりもない展望室の屋根の端、足首辺りから空を背景にした人影がそこに――

「ショコたん!」

 ショウコがいた。ただ、電話のように怯えた様子はない。けれど、部屋着のまま――赤い半纏に身を包み、「一徹」の鉢巻きをまいたまま――の姿で、虚ろな目をしていた。まるで生ける屍のように、ヒトミの呼びかけにすら反応しない。その代わり、ショウコの傍らで宙に浮かぶ三度笠を被った浪人姿の人形が、ゆらりとヒトミたちに向き直った。

「嗚呼、何かが来たなぁ。支配を振りきって誰かと話をしたと思えば、面倒臭い事になったぁ……。魔力ばかりで選ぶと、すぐにこれだ……」

 その言葉、そして姿を睨み、犬は言う。

「ヒトミ。あいつが災悪だ」

「あの浪人人形が?」

「ああ、あいつの名は“面毒めんどくサイ”。魅入られちまったら、終いにゃ生きる気力すら奪われる。特A級の災悪だ」

「って事は?」

「早くしねぇと、友達は死ぬ」

「嘘、どうすれば?」

「戦うしかねェ。だからオメェには魔法少女になってもらう」

「戦うって、相手はショコたんだよ」

「いや、災悪さえ撃ちのめしゃあ、呪縛は解ける」

「けど――」

 どうやって。ヒトミが犬へ視線を向けた時――

「邪魔だなぁ」

 ショウコの声。いや、最初に聞こえた面毒サイの声と重なって聞こえてくる。それに向き直ったヒトミへショウコは、すうと腕を指し伸ばした。すると空中に、ルーンを纏う五芒星の平面魔法陣が描かれる。

 犬が睨み瞬時に解読。これは放出系火線攻撃型――

「ヒトミ!」

 犬が吠えた。それが引き金と言わんばかりに、魔法陣から青白いビームが無数に放たれる。閃光が空間を切り裂き、次々にヒトミへ。だが、動けない。

 ただ、悲痛を言葉に叫ぶだけだった。

「ショコたんやめてーー!」



       ☆



 放たれた魔法が、ヒトミを襲う。ある火線ビームは直線的に、ある火線はうねりながら、敵とみなした少女へ牙をむく。だが――

「させねェ!」

 ヒトミを庇い、火線に立ち塞がる犬が睨むと、空中に展開される六芒星の魔法陣。赤いルーンを周囲に持つそれがバリアとなって火線を弾き、逸らし、退ける。

 次々と放たれる火線を防ぐ障壁に、ヒトミは感嘆した。

「凄い! これが魔法!?」

「ああ、魔法だ。けどな、俺は守護が専門だ。攻撃する力はほとんどねェ。こっから先は、オメェの出番だぜ」

「出番って、あたし魔法なんて使えないよ」

「使えるようにしてやるさ。だから、俺の言葉を繰り返せ」

「うん」

「いいか――」

 “は赤き虚ろを系譜とし、全てを拒む魔術書。綴りし言葉ルーンは我と共に”

「――なんじ、其の名はヴィクター」

 ヒトミが繰り返し言うと、白い犬が輝き、その姿を光の中で変えて行く。宙に浮かび四肢を丸めた犬は、球体を経て、四角く変化。発光が収まると、その全容が見えてきた。それは、その姿は、辞書のように分厚い本――赤茶けた革の表紙を縁取るくすんだ銀細工と、表紙の中心に施されたレッドメタリックに輝く犬の横顔を模したレリーフ。

 それが彼、ヴィクターの姿だった。

 ヒトミと正対するように浮かぶ魔術書が、青く澄んだ宝石のような目を見開き、その視界にヒトミを映すと、レリーフの口をカタカタと動かした。

「俺に触れな」

 まるで引力を帯びたようなその青い目の力に誘われ、ヒトミが手を差し伸ばし、ヴィクターの表紙へ触れる。すると、脈打つ感覚が指先から伝ってきた。そして、パンとヴィクターが輝いたと思えば、ヒトミの手から離れ、ぱらぱらと自らのページをめくっていく。

「いいか。災悪との戦いってのは基本、物理よりも精神的なもんだ。気持が負けたら、そこで終わり。いきなり魔法ってのは難しいかも知んねェが、できねェこたぁねェ! まずは自動魔法障壁オートディフェンサーを展開するぜ」

「え? え? どうすれば?」

 目の前でめくられて行くページ。それが、止まる。見れば、見た事のない文字が、ページ一杯に埋まっていた。

「手をかざせ、簡単な魔法だ。それだけで今のオメェでも発動する」

「こうかな?」

 促されヒトミがヴィクターへ掌をかざすとページの文字が輝き、弦を弾いたようなピンと甲高い音と共に、六芒星魔法陣がヒトミの頭上に展開された。けれど、それだけ――何か変化があるわけではない。

「これでいいの?」

 魔法陣を見上げながらヒトミが言うと、ヴィクターが付け足す。

「ああ……、あとは式服を思い描け。身を守る鎧を想像するんだ」

「え? いきなり、そんな事言われても」

「急げよ」

 未だ続く火線とバリアの衝突で生まれる閃光に目を細めたヴィクター。この術式なら、まあ、拡散くらい、問題ねェだろうが……。と、懸念を抱いた時、ショウコの展開していた魔法陣が書きかえられる。五芒星に逆正三角形が加えられた。

 やべェ、集束――

「何をするつもりか、考えるのもかったるい。めんどくさい。邪魔者は、まとめて消えてしまえ」

 憑かれたショウコが言うと、ヒトミをまるまる呑みこんでしまいそうな口径のビームが魔法陣から放たれる。

「早くしやがれっ! 打ち抜かれてェかっ!」

「ああもうっ! これでいいよっ!」

 叫び見上げた魔法陣。それに呼応した術式が輝き、下がり、ヒトミを通り抜けた。が、その時、ヴィクターの張るバリアにぶつかった集束砲撃が、それを割り貫く。

 衝撃、閃光、爆煙――

 空間を貫き、電波塔から大空へ撃ちだされた一筋の光が、余韻と共に細くなって消えると、展望室の上には黒煙だけがもくもくと残っていた。それを、面毒サイはほくそ笑む。

「邪魔するから、だ」

 だが、風が吹き、黒煙を押し流すと、その笑みが消えた。

 煙の中から見え隠れする姿――それは、ジャージ姿の少女ではなく――

 緋色のグラデーションを持つワンピースドレスの揺れる裾であり――

 丈の長い純白の上着袖から覗く魔術書へとかざした右手であり――

 銀色の光沢をもつグリーブで踏ん張る両足であり――

 六芒星を描く魔法障壁を押しだすように突き出された左手――

 胸元を飾る黄色のリボンが風になびけば、少女の顔が露わになった。

 見開いた目。通った鼻筋と、強く結んだ唇はヒトミ。

「防いだ? ホントめんどくさい奴」

 面毒サイが、動く。ショウコの体を繰り、新たな魔法陣を四つ展開した。それは五芒星の火線拡散砲撃。それが放たれる。

「今度はかわせよヒトミ」ヴィクターが言い――

「おっけー」ヒトミが応えた。

 正に横殴りの雨。いや、魔法攻撃。それをヒトミは見据え、走り出す。ヴィクターもまた、ヒトミに寄り添い飛んだ。

 床を駆けるヒトミの動きは普段とは比べものにならないほど俊敏。火線の雨は素早い少女を捉えきれない。次々と空を切り、くすんだ床に白いくぼみを開けて消える。

 体が軽い。思った通りに動いてくれる。いや、それ以上に。例えコンクリート製の床に穴を開ける威力だって――

「当たらなければ、どうという事はないっ!」

 足元を狙う火線を跳び越え、打ち下ろしの数本を軽やかなステップでかわす。そして、面毒サイを見据え、左手を突き出した。ヒトミの反撃――

 いっけぇー!

 だが、魔法陣の発動はない。

 あれ?

「魔法、使えないんだけど」

「動きを止めんなっ!」

 ヴィクターの警告。それが示す火線がヒトミを狙う。慌てて転がるように火線をかわすと、すぐに立ち上がり、追撃を跳んでかわし、後ろへさがった。そこへ――

「これで、終わり」

 面毒サイが――ショウコが、両手を突き出すと、展開していた全ての魔法陣が輝いた。

 一斉射。

 狙うは一点。ヒトミのみ。

 やられる!?

「俺の魔法障壁を舐めんじゃねェ!」

 ヴィクターが吼えた。展開される六芒星魔法陣。それがぶつかる。閃光を放ち、相手の攻撃を受け止めた。全てを弾き、消し去る。

「いいか、ヒトミ。オメェが今、攻撃魔法を使うには言葉が必要だ。魔力を増幅させる言葉ブーストを詠唱し、発動トリガーをぶつける」

 と、途端にヴィクターは言葉を切った。面毒サイの魔法陣が、再度の一斉射――

「避けろっ!」

 聞こえた言葉と共に、車線軸から転がり逃げたヒトミ。先ほどまでいた場所が綺麗にえぐられている。

「どうして? 防げるんでしょ?」

「俺だってな、そう何度も防げねェ。存外、依り代んなった嬢ちゃんの魔力がでけェせェで、俺の魔力はほぼからっケツだ」

「って事は」

「最悪、ああなる」

 ああ、と指示されたのは、深く、長くえぐりとられたコンクリート。覗き込めば、展望室のリノリウムの床が見えたかもしれない。

「うそ」

「嘘じゃねェし、冗談でもねェ。これが、俺たちの戦いだ」

 物理を含む精神の戦い。改めてそう告げたヴィクターの言葉に、少女の瞳が揺れた。えぐられた展望室の屋根。それを見たまま視線が動かない。感情の震えが魔力に乗って、ヴィクターに伝わる。

「怖ェか?」

「当り前……」

 けど、とヒトミはショウコを見た。無表情なのは変わらない。けれど、頬を伝う涙が光った。

 世界がどうとか、そんな事じゃない――

 面毒サイを睨み、見据えた。その眼には、闘志がたゆたう。震える足に気持ちを押しこみ、無理矢理ヒトミは立ち上がる。

 一回こっきり、魔法少女であたしがする事、できる事――

 揺れていた魔力が縒りあわされ、真っ直ぐな感情を描いた。

 ヒトミの脳裏に浮かぶのは、一緒に笑い、漫画を描いているショウコ。それが、悲痛な涙に塗れ、「助けて」と言った。

 だったら――

 だったらっ!

 それが口から声になる。

「ショコたんは助けてって言ってた。他の誰でもない。このあたしにっ!」

「なら、俺たちがする事はひとつだ」

 ヴィクターのページがめくられる。パラパラと開かれたそこには、新たな魔法の言葉ルーンが並んでいた。

「災悪から友達を引き離すぞ。物理的に、奪い取れ」

「りょーかいっ!」

 と、言葉を残し、魔法少女は走り出す。


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