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黒の魔王  作者: 菱影代理
第42章:飛竜狩り
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第877話 ベルドリア宣戦布告(1)

 強烈な日差しがジリジリと照り付ける、アトラスの大砂漠。その晴れ渡る上空に黒々とした巨大な船が浮かぶ。

 天空戦艦シャングリラが、その圧倒的な威容を誇りながらゆったりと空中航行しているのを、俺はさらなる上空から眺めていた。

「そろそろだな。準備はいいか、ベル?」

「無論じゃ、主様。いつでも良いぞ」

 魔手バインドアーツの手綱を握り、跨った黒竜ベルクローゼンから、テレパシーの返事が届く。

 契約者が乗っていると、テレパシーによって意思疎通が可能だ。機械ではなく生体兵器だからこそ、こういう機能もあるのだろう。

「クリス、竜騎士団はどうだ」

「すでに配置につきましてよ。後は、魔王陛下のご下命を」

 被った兜の内に、テレパシー通信によるクリスの声が響くと共に、自信満々な表情が小さく表示されている。

 高度数千メートルの高みにあって、その大きな金髪ドリルが激しく波打つように靡いているが、全く気にした素振りはない。あの髪型で彼女はずっと竜騎士やってきたんだから、まぁ大丈夫なのだろう。アヴァロンでも普通に空中戦で活躍してくれたし。

 ともかく、総員準備完了のようだ。

「それじゃあ、シャングリラの対空防御、見せてもらおうか————行くぞっ!」

 号令一下、上空に待機していた竜騎士団は一斉に急降下を始める。

 地上を射程に収めるために低空を飛行しているシャングリラに向かって、その直上から奇襲を仕掛ける形だ。

「本気で堕とすつもりで攻めろ。ベル、派手にブチかませ」

「はっはっは、天空戦艦が相手じゃ、容赦はせぬぞ————そらぁっ!!」

 先陣切ってシャングリラへと突っ込むベルは、轟々と迸るファイアーブレスを放つ。

 竜の口腔内で圧縮された巨大な火球が、緋色の軌跡を青空へ縦一文字に刻みながら飛翔する。

 こちらはシャングリラの直上。艦橋の真上だ。

 そこへ隕石が如く黒竜の火球が飛び込み————炸裂。紅蓮の大輪を咲かせる。

「……あれ大丈夫か?」

「大丈夫に決まっておろう。炎程度では、天空戦艦のシールドは破れはせぬ」

 派手に、と言ったものの、本当にド派手な大爆発をかましてちょっと心配になってくる。

 しかしながら、同じ時代の兵器である天空戦艦を良く知るベルは、艦を守る防御結界の強度も把握しているようだ。

「いや、でもちょっと焦げてなかったか?」

「むぅ、そんなはず……あったのう」

 ギューンと急旋回しながら火球が炸裂した艦橋を眺めると、艶やかな漆黒に塗られた中でも、明らかにブスブスと煙を棚引きく焦げ跡が目に入った。

「ウチの天空戦艦、まだ全盛期の一割くらいの稼働率だから」

「一割じゃと! ギリギリで動いているようなものではないか!?」

「あんなオーバーテクノロジーの産物を、ここまで動かせるだけで凄いことなんだぞ」

「かの魔法技術が失われた以上、それはそうなのじゃろうが……ううむ、一割稼働では、流石に不安になるのう。ちと、加減してやるとしよう」

「そうしてくれ。ただの演習でぶっ壊したら、本末転倒だからな」

 何より、シモンが死ぬ。シャングリラが墜落したら、シモンは死ぬ。

 責任に圧し潰されて死ぬか、永遠に終わらない修理作業で死ぬか、というデッドエンド分岐だ。

 天空戦艦シャングリラは、我が帝国が誇る最大の戦略兵器だ。コイツを失えば、現在のパンドラ戦略も瓦解してしまう。

 リリィが家出した先で拾ってきた古代兵器は、今や彼女と並ぶほどの帝国軍の要ともなっている。

 正に虎の子の決戦兵器。大切に扱わなければ。

 だからこそ、こうして竜騎士団に襲われても対処できるよう、対空防御の演習なんかもやることにしたのだが。

「おっと、撃ち返してきおったぞ」

 バサリと大きく黒翼を翻し、ベルはあえて大回りに旋回する回避行動をとった。

 こちらを狙うのは側面に設けられた副砲と、そこかしこに設置された機銃である。

 シャングリラの副砲は、元々リリィがランドでの戦いの時に使っていた一門は復旧できていた。そこから作業が進み、今はさらにもう一門、稼働状態にある。

 とはいえ、幾つもある副砲の内、まだ左右の一門ずつしか撃てない、というのは万全からは程遠い状態だ。

 それを言えば、三門ある主砲も一つが何とか動かせる、といった程度なので、全盛期の性能には全く及んでいないのは分かり切ったことではある。

 しかしながら、僅か10%ほどの性能とはいえ、シャングリラは動いている。そして、その限られた出力の中で、精一杯の兵装も施しているのだ。

 その最たるものが、両舷にズラズラと配置された機銃である。

 元から設置されていたモノと、今すぐは動かせないから、一時的に撤去して、代わりの機銃に置き換えたモノの二種類が存在している。

 今回の相手となるベルドリアは小国とはいえ、竜騎士で有名な国だ。当然、精鋭でありながら、さらに数も揃った竜騎士団が襲い掛かって来ることは想定される。

 これまではロクな航空兵器が相手にないせいで、出せば一方的に勝てるシャングリラだったが、今回ばかりはまとまった空中戦力の攻撃を受けることとなる。

 安全地帯である空中のアドバンテージを失った以上、万が一には備えなければならない。というか、俺としてはデカい戦艦は大体、無数の戦闘機に集られてあえなく……というイメージがあるので、対空防御の重要性は認識しているつもりだ。

 そこで、今すぐ稼働できないなら、代替品でもいいから竜騎士相手に撃ち返せる兵器を載せよう、ということで誕生したのが、今まさに俺に向かってドカドカと光弾をバラ撒いている急造型エーテル機銃である。

 シャングリラの動力から直接、有線によるエーテル供給を受けることで、リアクターが稼働し続けている限りは弾切れの心配がない。その構造は元々の機銃と同様ではあるものの、急ごしらえのせいで性能的には本来のものよりは大きく劣る。エーテル弾頭の威力、精度、射程、連射速度。どれをとっても本物には及ばない……だが、それでも竜騎士が回避せざるを得ない程度の火力をもって、弾をバラ撒くことはできる。

「くうっ、これほどの密度の攻撃魔法、まるで要塞を攻めているようですわ!」

「急造機銃でも、当たれば痛いぞ。無理に突っ込み過ぎるなよ」

 俺に続いて四方から攻撃を開始したクリス率いる竜騎士団だが、機銃の嵐を前に攻めあぐねているようだった。

 どうやら、最低限の弾幕は張れているようで何より。

 現代を基準に考えれば、今のシャングリラはかなり厳重に防御を施している状態だ。機銃の他にも、機関銃担いだホムンクルス兵に、魔術師部隊も甲板に上がって、それぞれ応戦を始めている。

 巨大なシャングリラは船の上というよりも、砦と言う方が彼らにはしっくり来るだろう。

「しかし、まだまだ守りは薄いのう」

 ほどほどに炎を浴びせながら、ベルが言う。

 確かに弾幕はクリスの竜騎士団を寄せ付けていないが、それでも果敢に竜騎士達は食らいつき、攻撃魔法を飛ばしている。

 勿論、それらは全てシールドで阻まれてはいるものの、演習ルールとして撃破判定を喰らって、沈黙をし始めた機銃も幾つか出始めていた。

 今回、演習に参加している竜騎士は全員、アヴァロンから連れてきた者達である。元々、一国の竜騎士団であったところが、真っ二つに割れて、さらに一番の主力はネロと共に大遠征に出払っているという状態。

 つまりクリスが率いる帝国についた竜騎士は、アヴァロン軍全体で見て三分の一にも満たない数に過ぎないと言うことだ。

 竜騎士自慢のベルドリアは、間違いなく今ここにいる以上の竜騎士を繰り出して来るだろう。その攻撃にシャングリラが晒されれば……

「こっちの竜騎士団が護衛について、ギリギリってところか」

「ふぅむ、確かに不安が残るところじゃな」

「今回はフィオナもシャングリラの守りについてもらった方が確実か」

「あの魔女っ娘か? うむ、あれならば砲の代わりも務まろう」

 フィオナがいれば何とかなるだろうが、やはりもう一つ、シャングリラの防御力は底上げしておきたいところである。

 だがベルドリア攻めの時期をいつまでも伸ばすわけにもいかない。ネロの大遠征軍は破竹の勢いで進んでおり、もうそろそろ広大なパルティアの草原を抜けて来る。

 早々に後顧の憂いを断っておかなければ、正面の大敵に集中できない。

 かといって、これ以上シモンを酷使して新兵装の開発をさせるのも……急造機銃だって相当に無理をさせてしまったからな。

 さて、どうするか————と頭を悩ませはじめたところに、電流のように走った危機感で、俺はハっと顔を上げた。

「主様、何ぞ狙って来おるぞ」

「ああ、分かってる————『魔剣ソードアーツ』」

 一振りの赤熱黒化剣を呼び出すと共に、俺は視線を上空へ向けた。

 そこには、キラキラ輝く尾を引きながら、矢のように飛んでくる一本の、

「マジかよ、ミサイルじゃねーかアレ!」

 エーテル粒子をケツから吹いて、白い円筒形の物体がこっちに目掛けて飛んできている。

 どこからどう見ても、ミサイルだとしか思えない。

 大きくはない。巡航ミサイルなどではなく、携行ランチャーでぶっ放すようなサイズ感。だがミサイルはミサイルだ。

 この異世界に来てから戦い通しだが、流石にミサイルに狙われたのは初めての経験だ。

 慌てて、『魔剣ソードアーツ』を射出。操作しながら、正確にこちらを追尾してくるミサイルの迎撃に当てる。

「ブラストっ!」

 魔剣の切っ先がミサイルの頭に突き刺さった瞬間、爆破。

 黒炎ヘルフレイムの爆炎と、ミサイルが発する眩い赤色の閃光が、灼熱を伴って空を駆けぬていく。

「なんなんだ、あのミサイル。あんなモノまで開発していたのか————」

「おーい、クロノぉー」

 戦々恐々と爆発の跡を眺めている俺の頭に、どこまでも無邪気な声が響き渡る。

 このエルロード帝国皇帝にして、魔王たる俺を呼び捨てするのは、唯一人。

「リリィかっ!」

「うん、リリィだよー」


 クォオオオオオオオオオオオン!!


 リリィの幼い声音と共に、怪物のような唸り声が大空に響き渡る。

 見上げれば、遥かな上空をミサイルと同じ色のエーテル粒子を噴きながら、一直線に飛翔する一つの影があった。

 それは小さな妖精の人影ではなく、歪に伸ばした鋼鉄の羽が重なり合い、五芒星の星型のようなシルエットをしていた。

「まさかリリィ、あの試作兵器に乗ってるのか!?」

「そうだよ」

 テレパシーで声が響くと同時、見せつけるように星型はジグザグに動いた。

 まだ遠くにいるから分かりにくいが、かなりの速度で飛んでいるはずだ。その速さのまま、あんな機動ができるのか。どうなってるんだ。

「あ、あれは危ないから止めろと言っただろう……」

「大丈夫! リリィ、頑張って改良したんだよ!」


 ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!


 機械の翼が咆哮を響かせ、直角に近い角度で急転換。

 一転、俺の方へと向かってくる。

「だからドラゴンにだって、負けないんだからっ!!」

「ふはは、よかろう性悪妖精。妾の頬を張ってくれた借り、ここで返させてもらおうぞ!!」

「あっ、おいベル、そんな勝手に————うおおおっ!?」

 新兵器に乗ったリリィの乱入によって、シャングリラの対空防御演習が、まさかのガチンコドッグファイトに発展である。

 空の上での戦いは、俺にはどうしようもない。

 黒竜と妖精の空中決戦を、俺は特等席に座って眺めることしかできなかった————




 その日、ベルドリア王宮は緊迫した雰囲気に包み込まれていた。

「……うむ、なるほど」

 病に冒された老齢の国王は、それでも尚、堂々と玉座にあって重々しく呟いた。

「我がベルドリアに、エルロード帝国を僭称するカーラマーラ人共が、宣戦布告をしてきおった」

 怒気を抑えながら静かに語る王の言葉に、集った臣下たちに思わずどよめきが走る。

「さて、これを如何とする。何ぞ、申してみよ」

 問いかけながらも、すでに腹は決まっているとばかりに、国王は手にした宣戦布告を伝えるエルロード帝国皇帝、魔王クロノ直筆の書状を破り捨てた。

 簡潔に書かれた一枚きりの書状がハラリと床へと落ちると同時に、大臣の一人が声を上げた。

「恐れながら、今は一刻でも長く、時を稼ぐことが肝要かと存じます」

「貴様っ、何を腑抜けたことを! あのカーラマーラ人相手に黙って耐えろと申すか!」

「そのような屈辱、とても耐えられぬ!!」

 宣戦布告と聞いて、軍を与る血気盛んな将が叫ぶ。

 条件反射的な好戦論に、また別の大臣がすかさず口を挟む。

「意気軒高なのは結構なことですが、先の連合艦隊の惨敗を忘れたワケではありますまい?」

「最低限とはいえ、連合艦隊に出した砂漠船は一隻も戻らず、丸ごと失われているのだ。まだ補充もままならぬであろう」

「ぬううぅ……そ、それは竜騎士団の拡充を優先したが故のこと」

「だから我らは再三にわたって言ったであろう! 海軍の再編こそが急務であると!」

「ほう、ではラシード殿下のせいである、と仰るので?」

「そ、そこまでは言っておらぬではないか!?」

「下らぬ揚げ足ばかりを取りおって! 賢しらな文官風情が、故国の窮地に口を挟むでないわ!」

「故国の窮地だからこそ、我らも知恵を絞って事にあたるのです」

「然り。これで相手が南西の小国家群の一つであれば、ベルドリアの誇りにかけて一気呵成に攻め滅ぼすのも良いでしょう。ですが、此度の相手は今やアトラス全域を支配している大国」

「連合艦隊が手も足も出ず負けたばかりであろう。新興国と侮ることは、とてもできますまい」

「しかし、我らは戦を吹っ掛けられたのだぞ!」

「このまま黙って下れと申すか、この売国奴めがっ!!」

「ここに集うのは皆、ベルドリア王の忠実な臣下にございます。かような裏切り者など、一人もおりはしません」

「左様、先の大臣閣下の時を稼ぐべし、との仰せは決して敵に下るという意味ではございませんぞ」

「勢いを増したカーラマーラは強大。対抗するためには、何よりもまずは時間を要する。ここはひとまず、和平交渉に応じる素振りだけ見せるというのはいかがでしょう」

「ふん、そのような態度で国難を乗り切れるものか」

「徹底抗戦あるのみ!」

「国から兵をかき集めるにしても、時間は必要でしょうに」

「幸いにも、方々へ援軍や支援のアテもございます。時を稼げれば、我が国の防衛も盤石となりましょう」

「ふぅむ、一理あるかもしれん」

「いや、しかし————」

 喧々諤々。エルロード帝国の宣戦を前に、白熱した議論が交わされてゆく。

 好戦論と慎重論、あるいは折衷案。様々な意見が玉座の間に飛び交う。

 しかしながら、早々に結論が出ようはずもない。

「静まれ」

 ひとしきり議論の推移を見守ってから、ベルドリア王は一旦、止めに入る。

 その一言で、あれほどの喧騒に包まれていた玉座の間が、シンと静まり返った。

「皆の意見、しかと聞かせてもらった。だが、余はもう一人、話を聞きたい者がおる————ラシードよ」

「はっ!」

 国王の愛息子にして、正統な王位継承者。竜王子ラシード・マウザ・ベルドリアが声を返した。

「そなたはどうすべきと思う。忌憚なく答えよ」

「では、恐れながら————今こそ、我がベルドリアがアトラスの覇権を握る時かと」

 あまりにも自信に満ち溢れた王子の言葉に、おおっ、とどよめきが走る。

「ふむ、大きくでたな、ラシードよ」

「大きく出るより他はありますまい。かの帝国は、本気でベルドリアを攻める準備をすでに進めている。カーラマーラの港には、例の連合艦隊が如く続々と軍艦が馳せ参じている、との情報を優秀な諜報部が掴んでおります」

「うむ、それは余の耳にも入ってはいたが……」

「此度の宣戦布告により、その大兵力の矛先が我が国に向けられたのは明らか。すでに兵を動かしている以上、口先だけの和平交渉で、奴らが止まるとは思えぬ————まぁ、試してみるだけなら、止めはしないがな」

 和睦のフリの時間稼ぎを主張した大臣を、チラと横目でラシードは見た。件の大臣は黙って俯き、声を上げることはなかった。

「戦は、避けられぬ。正に祖国存亡の危機である!」

「だからこそ、国を守るだけで精一杯であろう。とてもアトラス全土を奪えるとは」

「いいえ、父上、この窮地こそが絶好の機会なのです」

 鷹揚に両手を広げ、ラシードは朗々と語る。

 その必勝の策、アトラスの支配権を奪う方法を。

「帝国は総力を挙げて我が国へと侵攻してくる。となれば当然、最大の戦力である例の古代兵器……天空戦艦シャングリラが来る」

 瞬く間にアトラス周辺国家を平らげたのは、大砂漠の流砂を操る女神アトラスが如き権能と、もう一つ。空飛ぶ巨大戦艦による、目に見える圧倒的な脅威を各国の王城に乗り付け、その威をこれ以上なく知らしめたからだ。

 あんなモノが頭の上に居座られて、とても正気ではいられない。どこの国でも、シャングリラがやって来た日は、国が滅亡すると王城でさえパニックに陥ったと伝え聞いている。

「————そのシャングリラを、我が竜騎士団が奪ってみせましょう」

「おお、ラシードよ、できるのか?」

「この命に代えても、必ずやり遂げてみせます。どの道、奴らはやって来るのですから、シャングリラを奪えねば、どう足掻いても勝ち目はありませんのでね」

「ふぅむ……奴らの戦力の要を奪う、か」

「ええ、これがアトラスを制した帝国に対する唯一の勝ち筋。そして、それが出来るのは俺の竜騎士団だけ! 父上、どうかご決断を」

 そう言って、ラシードは深々と頭を下げた。

 故国の窮地にあって、堂々と一発逆転の秘策を語って見せた息子の姿に、王は大きく頷き、覚悟を決めた。

「良かろう。ラシードよ、来たるエルロード帝国の侵略に対する、ベルドリア防衛の大任、そなたに全て任せよう」

「ははっ! このラシード、必ずやベルドリアに栄光の勝利を捧げましょう!!」

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[良い点] シモンの驚異の科学力ですな どんなに素晴らしいアイディアや設計&装置でも現場が造れなければ机上の空論ですから [気になる点] ミサイルが実装となれば、VTF(近接信管)や時限信管の砲弾も再…
[良い点] 日本人なら巨大戦艦はあっけなく沈むイメージ持っちゃっているよな。それなら対策を練っておくのも当然か。やっぱりこういう点はクロノ達が有利だよね。 エーテル使った機銃を即興で造るとかシモンは相…
[一言] 大和さん…… 将来的には竜騎士も騎手に投下用の爆弾持たせてドラゴンに機銃載せて……みたいになるのかね?
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