第851話 首都アヴァロン解放戦(1)
現在、首都アヴァロンの防衛兵力は大幅に削られている。
ネロから国を預けられたアークライト公爵は自ら主力部隊を率いて、最も数と勢いのあるヴィッセンドルフ辺境伯の反乱軍の迎撃に向かった。辺境伯が率いる反乱軍主力部隊は首都の東側から、ウインダムの援軍と合流した上でゆっくりと進軍を開始している。
その反対側、首都西側でも反乱軍は決起し、主力部隊の半分ほどだが、それでも決して無視でない戦力となって首都へ向けて進み始めている。当然、ネオ・アヴァロンはこちらの方にも兵を割くことになる。
そしてさらに、つい先日のことだ。首都から南に向かって、慌てて騎士団が出撃していった。アヴァロン一の港町であるセレーネ沖に、ルーンの艦隊が姿を現したからだ。
つまり首都アヴァロンは現在、三方向から敵に攻められている状況である。戦力の集中は基本だが、敵が同時多発的に攻めてくるならば、その分だけ兵力を割り振らねばならない。どれか一つでも無視すれば、そこがそのまま首都にまで攻め入って来るのみだ。
公爵は反乱軍など一捻り、と思っていただろうが、ウインダムの増援とルーンの威嚇は想定外のはずだ。万が一にも、ウインダムとルーンが本気で侵攻してくれば、それも示し合わせたように同時となれば……勝ったとしても、どれほどの損害を被るか。今から胃が痛いであろう。
「ともかく、これで首都の防衛力は削れるだけ削れた。後は何とか、俺達だけで首都を制圧できればいい」
東西の反乱軍も、ルーン艦隊も、全ては首都の防衛力を分割し、注意を外側へと向けるための囮でしかない。
反乱軍とルーン艦隊は、どちらも正面から戦うつもりは毛頭ない。ヴィッセンドルフ辺境伯は会戦が予想される平地に入るより手前の都市で立ち止まるし、艦隊はずーっと沖に停泊しているだけで、上陸準備さえしてはいないだろう。
俺達はアヴァロンを解放しに来たのであって、この国全土を戦火で焼き尽くすつもりはない。国を取り戻すなら、これを乗っ取っている頭を潰すのが一番早いし、使徒と聖杯の排除という俺自身の目的にも合致するからな。
勝負は最初から、この首都アヴァロンで決せられるのだ。
「全員、配置についたな?」
「オーケーよ」
肩に留まったネネカが教えてくれる。
首都を制圧する戦力の中核は、ここ最近アヴァロン各地を解放して回った俺の大隊だ。数日前に一度解散し、それぞれ別ルートで首都へ入り合流した。今や首都にいる反乱軍の協力者は、プルリエルの『メイクラヴ・エンタープライズ』だけではない。
人間ではあるが、エルフや獣人などの種族を家族としている者も多い。それは貴族にも、商人にもだ。反乱軍の活動が活発になれば、その参加に二の足を踏んでいたような者も、覚悟を決めて協力を申し出てくれるようになる。資金力のある貴族や商人は、他種族排斥運動にかこつけて、金にあかせて奴隷を買い漁っているように見せかけて、大勢の反乱軍、レジスタンスのメンバーを合法的に首都へ引き入れているのだ。
その結果、首都アヴァロンには俺の大隊の他にも、相当数のレジスタンスが潜伏している。プルリエルを中心として、妖精を介した通信ネットワークがあれば、敵に気取られることなく安全に情報伝達ができる。首都に潜んだレジスタンスで、今日がアヴァロン解放作戦を決行する日であると知らない者はいない。
「大したものだ、本当に気取られた様子はないな」
「当たり前でしょ、妖精は内緒話が得意なんだから」
ふふーん、とネネカが胸を張っている。
万が一、情報漏洩や裏切り者によって逆にこちらが一網打尽に、という最悪の事態も想定してはいたが、そんなものは杞憂に終わったように首都アヴァロンは平穏そのものだ。
日が昇りはじめ、爽やかな一日が始まりを迎えようとしている。
日の出と共に寝起きするのがこの世界でのスタンダードであるが、この首都も例に漏れず、ちょうどこれから人々は目を覚まし始める頃合い。アヴァロンは確か、スパーダと同じく朝6時に鐘が鳴るのだったか。
だが、今日に限っては早めに目覚ましが鳴る。十字教の悪夢から覚ますための、開戦の合図が。
ドォンッ!! ズドドドドド————
首都を揺るがすような盛大な爆音が響き渡る。
薄っすらと朝日の光に照らされた空に、濛々と巨大な黒煙が立ち上って行く。
解放戦の始まりを告げる、フィオナの『黄金太陽』が炸裂した証である。
「————どうだ、フィオナ?」
「ちゃんと直撃しましたよ。次の場所に向かいますね」
特に誇ることなく、妖精通信を介して戦果を見せてくれる。
テレパシーを受信し、『暴君の鎧』の兜の内側に映し出された映像には、轟々と燃え盛る炎に包まれながら、ほぼ全壊した石造りの建造物が映っている。
ここは首都の治安を守るアヴァロン憲兵隊、その本部だ。
首都防衛隊となる近衛騎士や兵士達の大半は王城に駐留している。だが、幾ら何でも初手でここへ攻撃魔法を撃ち込むのは難しい。流石に王城周辺の警備は密だからな。
しかし、憲兵本部くらいなら先制攻撃をぶち込める余地はある。それも何百、何千もの兵が一斉に仕掛けるのではなく、たった一人の魔女が攻撃魔法を放つだけである。詠唱を始めたところを見つけたとしても、もう遅い。
かくして、憲兵本部は灰燼に帰した。近衛騎士団に比べれば戦力的にはそれほどでもないが、首都を熟知した身軽な兵達である。レジスタンスが一斉蜂起に動いた際に、まず最初に駆けつけてくるのが憲兵隊だ。
しかし本部が消滅すれば、指揮系統は寸断される。憲兵の動きが遅れれば、その分だけレジスタンスの行動も進行する。指揮系統が回復する頃には、もう手が付けれない有様になるだろう。
フィオナはこのまま首都にある憲兵隊の支部を潰して回っていくので、順調に行けば憲兵はほぼ完封できるはずだ。
「派手な開戦の狼煙が上がったな!」
「それでは魔王陛下、我々も出撃いたします」
次に通信が入ったのは、スパーダの精鋭を率いるカイとエリウッドだ。
彼らが狙うのは、首都アヴァロンを囲む防壁である。
俺達、反乱軍が暴れ回っていることは承知しているので、普段よりも各正門と防壁の守りは強化されていた。特に東西南北に備えられた正門にはそれなりの兵力が駐留できるようになっており、半ば厳戒態勢でフル稼働状態といったところ。
本来は外から攻めてくる外敵に向けた防衛隊だが、首都でレジスタンスが暴れ始めれば、当然彼らも鎮圧のために即座に動き出す。憲兵隊の次に出張って来るのがこの防壁にいる防衛隊であり、鎮圧行動のメインになるだろう。
故に、コイツらにも先手を打って潰す。
流石に同時に全ての正門に攻撃をかけられるほど潤沢な兵力はないので、スパーダの精鋭部隊で順番に一か所ずつ落として行くことになる。まずは最も兵力が多い大正門から攻める。以降は時計回りに防壁を巡り、制圧して回る手筈となっている。
「ああ、頼んだぞ」
「がはは! ワシらに任せとき!」
メンバーにはランク5冒険者『鉄鬼団』も揃っている。リーダーのグスタブはカイと一緒にミスリス鉱山で救出したが、他のパーティメンバーは各地を解放して回っている間に、気づけば全員が集まっていたようだ。一つとはいえ、ランク5冒険者がフルパーティで揃っているのは心強い。
エリウッドの『ブレイブハート』に加えて、カイやグスタブのような高ランク冒険者も加わったスパーダ精鋭部隊は、反乱軍においてはエース部隊である。
「クリス、そっちはどうだ」
「うふふ、どうぞ上をご覧になってくださいませ」
上機嫌な返答に言われるがまま空を見上げれば、朝日に照らされたアヴァロン上空に、幾つもの影が飛んで行く。
への字型に編隊を組んで飛ぶのは、ただの渡り鳥などではなく、逞しく羽ばたく飛竜達である。
「よし、無事に竜騎士団の駐屯地は制圧できたんだな」
クリスの担当は首都アヴァロンの防壁の外側にある、主に竜騎士団が駐屯している、いわばこの世界における航空基地の制圧だ。
王城にいるのは最精鋭の第一竜騎士団『ドラゴンハート』のみ。クリスが所属していた、アヴァロン一を誇る竜騎士団である。
だが竜騎士を、というより騎竜たるワイバーンを置いておくには、当然ながら馬よりも遥かに広大な敷地が必要となる。故に、いくら巨大なアヴァロン王城とはいえ、少数精鋭の騎士団一つ分を駐留させておくのが限度。
そこで首都を囲う防壁の外側に、広々とした敷地を確保した竜騎士用の航空基地が設置されているのだ。アヴァロン軍における竜騎士の主力は、ここにいるといっていい。もっとも、その大半はネロが大遠征に連れて行っているのだが。
それでもワイバーンをそれなり以上に収容した巨大な竜舎が立ち並び、それを駆る竜騎士も複数部隊は残されている。
しかし、竜騎士全員が24時間いるはずもない。まして首都近郊、普段より警戒レベルは上がっているだろうが、それでも厳戒態勢というほどではない。早朝の時間帯なら、基地に詰めている人数は最低限だ。
だから、ここも狙った。防壁の外にあるので、基地の襲撃だけはフィオナの合図よりも前に始めている。
この基地の竜騎士が全騎稼働となると、アヴァロン解放戦には大きな支障をきたす。ここを制圧して奴らの航空戦力を削ることは、解放作戦成功に絶対必要な条件でもあった。
「ええ、万事滞りなく。お陰様で、私の愛騎セリヌンティウスちゃんと再び飛ぶことができましたわ!」
ああ、あのどう見ても茶色だけど黒竜と言い張るワイバーンか。恐らく、編隊飛行の先頭を行くのがクリスだろう。
クリスはある日突然、竜騎士団をクビにされたが、それは何も彼女だけではない。魔族排斥を断行したアヴァロン軍では、クリス以外にも他種族の竜騎士が一気に解雇されている。
いきなりクビにされて店で酒浸りのクリスを、早々にアハトが説得して仲間に引き入れたお陰で、彼女に続くリストラ竜騎士を即座にスカウトすることに成功していた。
あれでもクリスは『ドラゴンハート』の副団長。地位も実力もトップクラスであり、アヴァロンの竜騎士でその名を知らぬ者はいない。そんな元ナンバーツーの竜騎士からお誘いをかけられれば、断る者は早々いない。
元より、精鋭たる竜騎士にまでなった者達が、理不尽なクビを言い渡されて、大人しくすごすご引き下がるような軟弱な精神などしてはいない。クリス筆頭に、俺達をクビにしやがったこと、必ず後悔させてやると全員が息巻いている。
そして、その結果が早くもアヴァロンの空に舞う彼らの姿である。
元の職場である航空基地を制圧した後は、各自、自分の相棒だったワイバーンに跨り、そのまま出撃だ。
敵の竜騎士を削ると同時に、こちらは竜騎士部隊が新たに加わる、と一石二鳥の基地制圧作戦だった。
「それじゃあ、まずはカイ達の掩護を頼む」
「ええ、手筈通りに、ですわね」
スパーダの精鋭部隊に加えて、竜騎士部隊による空からの掩護も入れば、防壁の制圧はさらに早く進むだろう。首都をぐるっと囲む長大な防壁だ。かなりのハイペースで抑えなければ、後手に回ってしまうからな。
「王城から『ドラゴンハート』が出張って来たら、そっちが優先だ」
「ふっ、所詮は王城で留守番を任された二線級の人員ですわ。のこのこ出てきたところを、軽く叩き落としてやりますわよ」
アヴァロン最強の騎士ローラン、だったか。『ドラゴンハート』の団長と最精鋭はやはりネロの大遠征に従軍しているので、王城に残っているのは選抜から漏れた奴らであることに違いはない。
ただでさえ希少な竜騎士を大遠征に大勢連れ出し、さらには現役の竜騎士を他種族だからと軒並み追放した。今のアヴァロンに残る竜騎士団は本当に最低限だけだ。
ワイバーンに乗れなければ竜騎士にはなれない。ただの兵士と違って、人を集めれば穴埋めできるようなものじゃないからな。アヴァロン軍において虎の子の空中戦力たる竜騎士団が大幅に縮小、弱体化している今は非常に有利だ。
「それでは、ご武運をお祈りいたしますわ、魔王陛下」
「ああ、そっちもな」
それからは、レジスタンス各隊を指揮する司令部と化している『メイクラヴ・エンタープライズ』から、妖精通信で収集された戦況をまとめて、プルリエルから随時、報告が届けられる。
奇襲は成功し、明らかに対応する敵軍の動きは鈍い。
憲兵は拠点ごとフィオナに次々と潰され、頼りの防衛隊はスパーダ精鋭部隊と竜騎士部隊の猛攻を受けて、都市内の鎮圧に出るどころではない。
決起したレジスタンス達を鎮圧するための主力を欠いたネオ・アヴァロン軍が、各地で起る襲撃を止められるはずもなかった。
レジスタンスにはこの日に向けて、すでに統一した組織化は済ませてある。故に、ただの暴徒と化して略奪を行うことはない。あったとしても最低限に留められるし、妖精の特高警察からは逃れられないからな。
明確に部隊編成をし、装備も配り、そして作戦目標も各自に通達してある。
フィオナが襲った後の憲兵隊支部の制圧や防壁制圧への加勢、こちらの主力部隊に対する支援活動をはじめ、各地にあるアリア修道会の襲撃など、その任務内容は多岐に渡る。
アリア修道会は軍事施設ではないが、十字教原理主義者の巣窟であり、ネオ・アヴァロン軍とは別に、どれだけの私兵を抱えているか分かったものではない。奴らが先陣を切り、信者を大勢引き連れてレジスタンスに対抗してくれば、泥沼の市街戦に陥る可能性もある。だから、最初から狙って潰させてもらう。恨むなら、俺達じゃなくて神様を恨んでくれよな。
様々な目標があるわけだが、潜伏しなければならないレジスタンスが、ここまで詳細に作戦内容の共有、連携、というのは普通できない。作戦一つとっても、簡単に打ち合わせができる状況にはないからな。
だが、妖精通信があれば、秘密のお喋りなどし放題だ。少なくともネオ・アヴァロンには、テレパシー通信を傍受する防諜態勢は整っていない。そんなのが整っているのは我がエルロード帝国のみだし、妖精が大々的に軍事作戦に従事しているのもウチだけだ。
情報通信のアドバンテージというのを実感しながら、順調に進む市街地の制圧状況を聞いていた。今のところ、作戦は全て予定通りに進んでいる。
「ここからは、俺達も頑張らなければな」
「はい、マスター」
隣でビシっと敬礼を返してくれるのは、サリエルではなく、プリムだ。
狼のような兜が印象的な古代鎧『ヘルハウンド』を装着した、俺の『重騎兵隊』のナンバーツー。
今回は機動力よりも火力重視のため『ヴォルテックス・マシンガン』に加えて、バズーカのような『アヴァランチ・ランチャー』も装備している。いっぱい撃てるように大容量エーテルマガジンに、ランチャー用の圧縮エーテル弾頭が詰まったコンテナまで背負った、重装仕様だ。
これだけ古代兵器で武装しても、フィオナの火力には及ばないんだけど……俺を掩護するだけなら十分だ。他の隊員も同様に、普段よりも火力重視の装備をさせている。
「ようやく、王城から出て来たな」
肉眼では見えないが、貴族街に潜伏させておいた妖精の斥候から届けられたテレパシーの映像通信によって、アヴァロン王城の正門が開かれ、続々と兵士が出撃してくる様子が、俺の兜に映し出される。
憲兵は壊滅状態、防衛隊も攻撃に晒され防戦一方となれば、あとはもう王城にいる戦力を出して鎮圧を図るより他はない。
この王城からの応援がそのまま到着すれば、覆しようがない戦力差となり、あっという間にレジスタンスは制圧されることだろう。王城に駐留しているくらいだから、兵士の質も上等だろうしな。
「だが、『近衛騎士団』を出さなかったのは失敗だな」
王城から出てきたのは、通常の兵士達である。白銀の鎧兜で完全武装した、壮麗な騎士ではなかった。
まぁ、貧弱な装備のレジスタンスが数に任せて暴れている程度なら、最精鋭を繰り出す必要はないと思うだろう。何より、安全だと思われた首都でこれほどの反乱が起きた以上、万一を考えて王城の守りには最強の戦力は残しておきたいだろうからな。
けれど俺達の作戦を見抜いていたならば、ここは近衛という最強の手札を切って、早々に戦況をひっくり返すのが最善手である。中途半端な通常戦力を繰り出すのは、かえって状況を混乱させるだけだ。
俺が、奴らを狂わせるからな。
「予測通り、王城からの増援部隊は真っ直ぐこちらに向かって来ている。配置は済んだか?」
「はい、総員配置完了いたしました」
ランチャーを背負った副官アインが答える。こっちにはそれほどの大人数はいないから、見れば分かるけれど。
今、俺達が陣取っているのは防壁の上である。
カイ達が攻めている外側の防壁ではなく、貴族街と外周区とを隔てる第二防壁だ。
首都アヴァロンはスパーダと同じく、ほぼ円形をした綺麗な城塞都市であり、王城を囲う城壁である第一防壁、中心部の貴族街と平民の住まう外周区とを隔てる第二防壁、そして都市の外周を全て囲う第三防壁、の三重となっている。
俺達はフィオナの合図と共に、まずはこの第二防壁を攻めて速やかに制圧。ここに陣取り、王城からの増援を迎え撃つべく、奴らの登場を待ち構えていた。
「じゃあ、いつも通り俺は一人で行くから、適当に掩護だけ頼んだぞ」
「はい、プリムにお任せください、マスター!」
「イエス、マイロード」
そうして、俺は単独で防壁の上から飛び降りる。
ズン! と着地した石畳の道を、『暴君の鎧』の重量で叩き割り、ゆっくりと歩いてゆく。
俺達が第二防壁を制圧するため派手にドンパチしたお陰で、周辺に人影は皆無。解放戦が終わるまで、そのまま屋敷に籠っていればいい。
そうして、無人の大通りを俺は一人で歩く。
適当なところまで歩を進めると、俺は道のど真ん中で立ち止まり、足元に『影空間』を広げてゆく。
影から俺の手元へ浮かび上がってくるのは、二つの武器。
一つは、すでに紫電を迸らせ、フルチャージの完了した雷砲形態『ザ・グリード』。
そしてもう一つは、静かにハミングを奏で始める、死神の刃。『獄門鍵・エンクレイヴドゥーム』。
「さぁ、来いよ。地獄を見せてやる————」