第757話 第四階層・結晶窟攻略(2)
カーラマーラ大迷宮、第四階層『結晶窟』の攻略を進める『エレメントマスター』だが、丸一日経過した現在でも、いまだこの美しい輝きに彩られた広大な洞窟を抜けることはできなかった。
「この感じは、遠回りルートに入っていますね。ツイてないです」
と、昨日の昼頃に評したフィオナの発言は正しい。伊達に、メンバーで最長の冒険者歴ではないといったところ。
入るたびに内部構造が変わる、変化し続ける、といったタイプのダンジョンはシンクレア共和国にもあった。常に未知の地形と化す分だけ難易度も上がるが、フィオナもある程度はそういった場所の経験がある。
その経験上、こういった状況になったときは、覚悟を決めて突き進むより他はないということも知っている。
故に、運悪く第四階層においては遠回りとなる道に入ったと感じても、『エレメントマスター』は振り返ることなく進み続けた。
そして今、進んだ先に立ち塞がっているのは、無数の光の人影だ。
白く光る人型のシルエットに、虹色に輝くローブのような、マントのような光を纏い、直視するのも眩しい姿をしている。
その光輝く外観から、光精霊系統のモンスターであることは明白だが、その数は無数といっていいほどに凄まじい数が集まっていた。
「流石にあの数を相手にするのはちょっと」
フィオナは大量の光精霊が集う場所を覗き込んでは、すぐに頭を引っ込めてメンバーへと振り返る。
大きな光属性の魔力の気配が漂っているのは、少し前から気付いていた。
まさしくボス部屋とでも言うように、洞窟から大きく開けた空間へ出ると、キラキラ輝く無数の精霊が待ち構えているという状態だ。
透き通った水晶が鍾乳洞のように、大小さまざまな大きさとなって立ち並んでいる。その様は光り輝く森のようであり、その水晶の木々に光精霊達が何をするでもなく、立ちすくんでいる。
およそ生物的な動きを見せない精霊だが、ここへ踏み込む者が現れれば、即座に無数の光線を撃ち込んでくるだろう。
「では、退きますか?」
フィオナの後ろ向きな発言に、馬鹿正直にサリエルが言う。
「普通の攻略ならそれもアリですけど、今回は先を急ぎますからね」
「早くクロノに会いたいのー!」
力を温存するために、昨日からずっと、リリィは幼女状態を維持している。
幼女の心に戻っても、その発言権に陰りはない。
リリィもフィオナも、共に退く気はないとサリエルはすぐに理解した。
「では、先陣を切ります」
戦うならさっさと行けばいい、とばかりにサリエルは無数の光精霊が巣食う水晶の森へ、何ら気負うことなく踏み出そうとしたが、
「ちょっと待ってもらえますか。少し妙な感じがするので……」
サリエルの突撃に待ったをかけたフィオナは、再び洞窟から光精霊のボス部屋を覗き込んだ。
直接その目で見なくとも、ここまで近寄れば大きな光魔力の気配をギラギラと肌で感じられる。
集った光精霊の数も多いが、この結晶洞窟という場所も、彼らの力を増す大きな要因となっている。特にあの水晶の木々は、高純度で光の原色魔力を宿しているようだ。
その力を利用して、一段階上の光魔法を撃てるだろう。そこに集まっている、全ての精霊が。
「————なるほど、本体は一つですね」
小考の後、フィオナは光精霊の群れの正体を見抜いた。
「『ミラージュレイス』って、ここで出るモンスターでしたっけ?」
「ギルドの記録によれば、出現例は確認されていない」
淀みなく答えるサリエルに、フィオナはふーんと鼻を鳴らす。
「でもこれだけ光の原色魔力に満ちていれば、出現条件は満たしていますし、間違いないでしょう」
フィオナの言う『ミラージュレイス』は、幻惑の光精霊系モンスターである。
上位の光属性ハイエレメンタルが、己の分身とでも言うべき幻影を繰り出す固有魔法を持つタイプを指す。
分身は本体と同じ姿をしており、ただ幻を映し出すだけでなく、魔力を宿すので攻撃魔法を放つこともできる。当然、幻の分身は攻撃してかき消しても、すぐに新たな分身が現れ、数が減ることはない。
厄介な性質だが、通常は十体程度の分身数なので、数撃てばその内に本体にも当たるので、ボスクラスとは言い難い、危険度ランク3モンスターとして分類される。
「あの水晶の森が、かなり力を増幅しているようですね」
「では、あの場にいる限り、分身は常にあの数を維持し続けるということですか」
「ええ、いわゆる無限湧きというやつです」
ただ大量に敵がいるよりも厄介な状況である。
分身の数はとても数える気は起きないほど。適当に攻撃魔法を撃って、本体に当たる確率は如何ほどか。
少なくとも、如何にサリエルであっても、先陣を切って突撃してすぐに仕留められるような相手ではないだろう。
「というワケで、空間丸ごと一掃しましょう」
「やめてください、崩落してしまいます」
ちょっと本気見せちゃおうかな、みたいな乗り気で『ワルプルギス』を満開にさせようとしたフィオナを、サリエルは即座に止める。
全力の一撃をかませば、確かにあの場に漂う無数の分身諸共、本体を葬り去れるが、洞窟が完全に崩れて道は塞がるに違いない。
「仕方ないですね。ではリリィさん、本体がどこにいるか探ってもらえますか」
「いいよー! うーんとねー」
うんうんと頭を抱えて唸るリリィは、お小遣いでどれだけお菓子が買えるか悩む子供にしか見えないが、これでテレパシー全開で探りを入れているのだ。
この場所が大いなる光の原色魔力でミラージュレイスに破格の無限分身能力を与えるならば、妖精リリィにもその光の力の恩恵は受けられる。ここは実に、テレパシーの通りが良い。
「見つけた! アレ!」
と、リリィが本体のいるであろう方向を指さした時が、戦闘開始の合図だった。
「了解————」
台詞を置き去りにして、サリエルが目にもとまらぬ速さで駆け出す。
白き残影を引いて、ミラージュレイスの支配する水晶の森へ足を踏み入れた。
クォオオオオオオオオオオオオオオン!
甲高く歌うような声は、ミラージュレイスの発する警告か。
疾風のように駆け抜ける侵入者に対し、全方位から分身のレイスが一斉に光の攻撃魔法を放つ。
「————『雷盾』・付加・『暗黒雷雲』」
殺到する光の暴力を前に、サリエルはただ雷の盾を掲げる。
握りしめた愛槍『反逆十字槍』、その穂先に黒い雷光が灯り、続けて黒雲が渦を巻く。
サリエルの行く手を防ぐように突き立つ、光の矢、光の槍、光の柱、そのいずれも十字槍から発せられる黒雲に触れると、直進するはずの進路がねじ曲がる。
この光魔法を逸らす能力を持つ『暗黒雷雲』は、かつて嫉妬の女王と化したリリィを決死の覚悟で討つための戦いの最中で編み出した原初魔法だ。
リリィが本気で放った『最大照射』さえ捻じ曲げて逸らす性能を誇る。たかだか光精霊の攻撃如き、防げないはずはない。
眩しく吹き荒れる光の嵐を、黒き雷雲を穂先に漂わせ、サリエルは突き進む。
リリィが示した先。本体のいる場所。
正直、そこにも沢山の分身がい過ぎて、正確にどの一体が本体かは判別できない。
リリィはもう自分の仕事を終えたとばかりにゴクゴク水筒を飲んでいて、特に本体位置をテレパシーで教えてくれたりもしない。
仕方がないので、サリエルは大人しく大体の範囲を吹っ飛ばすことにした。
「————『雷撃砲』」
適当に決めたレイスに向かって槍を突き刺した瞬間、範囲攻撃魔法を展開。
迸る黒い雷光が瞬時に駆け抜け、半径10メートル圏内の敵を撃ち、貫く。
バリバリと轟音を立てて黒雷が輝きを終えると……光が弾けた。
無数の分身達は、その瞬間に淡い光の粒子と化して、文字通り幻の如く霧散する。
どうやら、ちゃんとアタリは引けたようだった。
「ミラージュレイスの討伐、完了」
「お疲れ様でした。先を急ぎましょう」
何の感慨もなく、フィオナは主の消えた水晶の森を通り過ぎていく。その後ろを、物珍しそうにキョロキョロしながらリリィが続く。
そして一仕事終えたサリエルも、息一つ吐くことなく、黙って二人の後につく。
水晶の森を抜けた先も、また似たような煌めく洞窟が続いている。
このルートの先は、まだまだ長そうであった。
「————まだ続くのか」
思わず、そんな弱音を吐いてしまうのも仕方がないだろう。
オルエンより先行して、第四階層『結晶洞窟』の攻略を開始してから、早三日。
第一、第二、第三、と一日そこそこで通過してきたが、ここにきて第四階層だけで三日もの時間が経過し、今もそのタイムは更新中である。
「流石は第四階層なの」
「ハードな攻略になってきたデース」
レキとウルスラは、まだ元気だ。戦闘も問題なく行える。
しかし、その疲労は着実に蓄積されているはずだ。
この三日間、できる限りモンスターは避けてきたが、どうしても戦闘しなければならないことは何度もあった。そもそもここは、奴らの縄張りである。侵入者には敏感に反応する。それでいて、この階層に住む奴らは強敵揃い。
最初に第四階層に来た時に、レキとウルスラが苦労して倒したクリスタウルスをはじめとして、魔石を取り込んで強力な魔法の力を宿すモンスターがとにかく多い。
単一属性の奴は弱点を突けるので退けやすいが、豊富な魔石がある環境のせいで、複数属性を操る奴らもかなりいる。
そういうタイプは明確な弱点属性がなかったり、あったとしても防御魔法をはじめとして、何かしらの対抗手段を備えていたりして隙がない。
そんな厄介なモンスターを全て倒していたらキリがないので、戦闘に入ってもほとんど逃走している。
煙幕と閃光で見失ってくれれば運がいい。犬のように鋭い嗅覚があったり、コウモリのように超音波で探知してきたり、完全に魔力のみを頼りに感知したりと、様々な能力で俺達を見つけ出す。
そういう時は、大人しく頭部に攻撃を集中させて、怯んだ隙に離脱する。
たまに相手を見つける感覚器官が頭にない奴なんかもいるし、どれだけ逃げても執拗に追跡してくる奴もいるので、そういう時は倒すより他はない。
「その辺をウロついてる奴でも厄介なのが多いのに、ボスモンスターなら相当な強さだろうな」
「うん。第四階層のボスを討伐できるかどうかが、一流とそれ以外との差になるの」
「レキ達も力の限界に挑戦デス、オーバー!」
ランク的にはレキとウルスラよりも格上ってことになるからな。
真っ当にクエストを受けて挑んでいれば、ランク4に昇格できる功績となるが、今回は単なる通過点にしかならない。
「そうだな。強力なボスが待ち構えているんだから、できるだけ万全の体制を維持していかないとな」
さて、小休止もそこそこに、出発するとしよう。
空になった水筒と、軽食の包みをまとめて影空間に放り込んで、俺たちは立ち上がる。
本当に空間魔法が使えてよかったと、この三日間しみじみ思ったな。かなりの容量を誇る『影空間』のお陰で、飲食物など物資の面で困ることはなかったからな。
「……」
進む最中は、静かなものだ。
第四階層くらいの難易度になると、流石にお喋りも控える。人間の声を聞きつけて、耳の良いモンスターも寄ってくるしな。
気配を探りつつ、特に見通しの悪い箇所では『黒風探査』で索敵したり、ここ三日でお決まりとなった警戒態勢で突き進む。
「……妙に静かだな」
「イエス、全然モンスターいないデース」
小声で確認しあう。
出発してからそれなりの距離を歩いてきたが、エンカウントはゼロだ。道中、モンスターの気配を察知することはあったものの、近くには感じられなかった。
この辺はモンスターが少ないのか。
あるいは————と思った、その予感が的中したことを、俺はすぐに悟った。
「見ろ、多分あそこがボス部屋だ」
そこは、巨大な水晶の柱が乱立する広大な空間だった。
淡い水色に透き通った水晶柱は、綺麗な六角柱になっており、どこか人工的な作りに見える。しかし、他には遺跡の跡のようなものは何も見当たらないので、自然にこの形状になったか、あるいは、ここのボスが巣として加工したか、といったところだろう。
「強い魔力を感じるの」
「凄いプレッシャー、デス!」
立ち並ぶ水晶柱の奥からは、はっきりと強力な魔力の波動が伝わってくる。
どうやらボスは気配を隠す気もなく、堂々と侵入者を迎え撃つつもりのよう————いや待て、集中して感じ取ってみると、魔力の気配は二つある。
ということは、もしかして誰かがすでに戦闘中なのか。
そこに思い立った、ちょうどその時だ。
ドゴォオアアアアアアアアアッ!!
凄まじい轟音と衝撃が駆け抜ける。
咄嗟に身構えると共に爆風が吹き抜けてゆくと、さらにその奥から、
「うおっ、危ねぇ!?」
水晶柱を砕きながら、巨大な何かが吹っ飛んでくるのを察知し、俺はウルスラを抱えて回避。レキは大丈夫だろ。
「ウォーウ! なんデスかぁーっ!?」
案の定、鋭い直感と超人的な身体能力のレキは俺と同じく余裕で回避行動をとってくれていた。
ひとまず無事に巻き込まれ事故を避けた俺達は、ぶっ飛んで来た奴に揃って視線を向ける。
「酷い、ボロボロだな」
「生命力を感じない。もう死んでいるの」
それは巨大な死骸だった。
クモとサソリの合いの子、みたいな多脚に長い尾を備える、重装甲の大型モンスター。ここのボスと見て間違いないだろう。
一流たるランク4に至るための相手とあって、並大抵の強さではないはずなのだが、ボスの死骸は激しく損傷している。
強い魔力を宿す輝く結晶質の甲殻はバキバキに砕けており、巨大なハサミのついた前脚は一本が千切れ飛び、他の脚も何本か失っている。
だが、致命傷となったのは、最も分厚い甲殻に覆われた背中を、大きく抉られたことだろう。最大の防御力を誇る部位を、圧倒的な破壊力で粉砕。
今の大爆発は、ここをぶち抜いた大技を放った時のものだろう。
ということは、ここのボス戦は今この瞬間に決着したということで、戦いの勝利者はすぐそこにいるということだ。
「————ああ、なんだぁ、誰か来たのかよ」
濛々と噴煙の煙る広間の奥から、甲高い少女の声が響き渡ってくる。
「悪いなぁ、ここのボスは先に殺らせてもらったぞ。テメーらは他をあたんな」
鈴を転がしたような実に可愛らしい声音でありながら、口調はほぼチンピラのソレである。
しかし俺は、こういう喋り方をする美少女、それでいて第四階層のボスも倒せそうな人物をちょうど知っている。
「『超新星』の妖精ルルゥ、か」
美しく輝くエメラルドの光を纏いながら、白光に覆われた裸体を惜しげもなく晒す少女が現れた。
背中に広がる二対の羽は虹色に煌めき美しいが、それ以上に強大な光の力を感じさせる。
「————ああ? おい、テメーは変態仮面じゃねぇか!」
ちっ、俺のこと覚えていやがったか。
馬鹿っぽい言動だから、もしかしたらさっさと忘れてくれているかも、と淡い希望も抱いたものだが……
「悪い、邪魔したな。俺たちは他のボス部屋を探すから、これで————」
「待てコラぁ! 前はよくも逃げ回ってくれたなぁこのフニャチン野郎が、今度こそケリつけてやるぁ!!」
うわぁ、意外に根に持たれていたのか。
特に反撃もせず大人しく逃げたんだから、見逃してくれたっていいだろうが。
「おい、止せ、ここで俺達が争ってもいいことなんか一つもない! お前も遺産狙いなんだろう、だったら早く先に進めよ」
「うるせぇ、ゴチャゴチャ言ってんな! ルルゥはなぁ、ルルゥを舐めた奴は絶対ぇ許さねぇーんだよ!」
舐めてないから、許してくれないか。ルルゥさんマジパネェーっす、リスペクトっす。
「お前またルルゥのことバカにしてんだろう! テレパシーで読めんだぞコラぁ!」
しまった、そういえばそんなチート能力なんだっけ。
くそ、下手な言い訳もできそうにない。何を言ったとしても、この勢いを前には無駄になりそうだが。
「おい、そこのガキ二人は邪魔だ、下がってろ」
「ムッ!」
「下がれと言われて、下がってやる道理はないの」
妖精ルルゥとの対決は避けられそうもないか。
ならば、フルメンバーで挑んだ方がいいに決まっているが、
「レヴィ、そこのガキのお守りしてろ。ルルゥが変態の仮面をぶち割ってやるまで、手出しさせるんじゃねぇぞ」
「はい、お嬢様。かしこまりました」
その時、初めて俺達の背後に、もう一人いたことに気が付いた。
メイドのような受け答えした女は、姿はかなり立派な鎧兜を纏っている。
その立ち姿には隙がない。この女、かなり強いな。
ルルゥにも仲間がいるのか。盗賊団を率いているんだから当然だよな。
「レキ、ウルスラ、鎧の女は任せる」
「大丈夫、なの?」
「あのフェアリー絶対ヤバいデスよ!」
「仕方がないさ。俺がルルゥを何とかする。二人は、無理に鎧女とは戦わなくていい。動かなければ、そのままで」
ルルゥは俺とのタイマンをお望みだ。
それを部下の鎧女が素直に聞くならば、レキとウルスラが手出しをしない限りは、動くことはないと思いたい。
俺がルルゥを何とかできれば、余計に戦う必要はないわけだ。
「……オーライ」
「クロノ様、気を付けて」
「ああ」
俺はルルゥへと向き合い、レキとウルスラは静かに後ろへと退いていく。
鎧女は二人が近づいてきても、背負った長柄武器を手にする様子はない。やはり、こちらが動かなければ手を出すつもりはないようだ。大丈夫だろう。
「可愛らしいお嬢さんが二人も。これは役得ですね」
なんか言っているが、大丈夫、だと思いたい……
「ふふん、覚悟は決まったようだなぁ」
「仕方がない、相手になってやる」
レキとウルスラ、それと鎧女の三人が離れてから、俺とルルゥは向かい合う。
奴の言う通り、覚悟は決めている。
言動はともかく、見た目は少女のルルゥを傷つけたくはないし、まして殺すようなことは避けたい。
しかしながら、この妖精少女の力は、トレント討伐後に散々追い回されて知っている。伊達に最高金額の賞金首ではない。
とても手加減できる相手じゃない。最悪、殺すことになったとしても……一切の手は抜けない。全力で戦おう。
「そういう考えが、舐めてるって言ってんだよ! 死に晒せ、変態仮面————」
軽やかに宙へと舞い上がったルルゥは、両手を大きく天へとかざす。
その瞬間、描き出される巨大な光の魔法陣。
そして、そこから発せられる途轍もない光の魔力の気配。
ま、まずい、これはマジで死にかねないほどの大魔法が飛んで、
「————『星墜』っ!!」
2020年2月6日
かなり遅れてしまいましたが、コミック版黒の魔王、第3巻発売です!
第3巻は15話、シモン登場の回まで収録。アルザス防衛戦に向けての準備回であり、ヴァルカン達冒険者との交流が描かれています。
まだ購入特典もありますので、どうぞよろしくお願いいたします!