ジャムの賞味期限を見て慌ててしまった。
残業が続き、遅く帰る日々が続いた。
ようやく一段落した土曜日の朝。
昨日は会社から帰ったあと、何にも食べずにベッドに潜り込んでしまった。
とにかく腹が減った。鞄の中には、昨日の昼飯にと買ったけど食べ損ねたパンが入っている。他に食べるものはないかと、キッチンに行き冷蔵庫を開けてみた。
中を漁ると、ジャムの瓶を見つけた。いつ買ったか思い出せない。
瓶を手に取り裏を見て、ラベルを確認する。賞味期限が数日前に切れていた。
ずっと前に買ったもののようだ。
まあ、いい。ジャムなら賞味期限を2,3日ぐらい過ぎてても、問題ない。
しかし不安はあった。瓶を開けて、匂いを嗅いでみる。良い香りだ。
スプーンを手にし、ひと匙舐めてみた。
「なんだっ!これは!! 」
うますぎる! 甘さと酸味のバランスが絶妙だ! フルーツの香りも高く、香辛料も効いている。
あっという間に、一瓶を食べつくしてしまった。
慌てて、ラベルを確認した。
知らないメーカーの名前だった。
しかし、それよりも驚いたのは...目を凝らし、見直す。
賞味期限の西暦。4桁の最初の数字が……3だった。
これが正しければ、俺が食べたジャムは1000年以上も未来の製品だった事になる……
そんなバカな……しかし、あれはあまりに美味かった……まるでこの世のものとは思えないぐらい……
俺は空の瓶を持ったまま、冷蔵庫の前で立ち尽くした。




