↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/35

プロローグ:その名は――〝ポイント・ネモ〟

 深海の調査技術が飛躍的に進歩した近未来――

 人類は、果たしてどこまで〝深く〟行けるのか?

 深海。

 一般的に、深海とは水深200メートルを超える海域を指す。

 そこは、人類にとって未だ多くの謎と可能性を秘めた領域であり、しばしば〝地球最後のフロンティア〟と称される。

 海の約95パーセントが深海に分類されており、そして地球表面の約70%を海が覆っているため、実に地球全体の約66.5%が深海という計算になる。言い換えれば、地球の3分の2以上が謎(夢)と可能性(ロマン)に満ちているということだ。

 そんな深海だが、人類にとっては、はるか彼方の宇宙よりも到達が困難な場所とされている。

 皮肉なことに、海から生まれたはずの我々人類は、海よりも空のほうが進出しやすいのだ……


 だが、そんな人類が、深海への調査を阻んでいる最大の要因は――〝水圧〟である。

 ご存じのとおり、深海では、深く進めば進むほど水圧が増していく。中でも、マリアナ海溝の最深部(約11000メートル)となれば、1平方センチあたり約1100気圧にも達するという。

 約1100気圧……これはスチール缶が一瞬でペチャンコに潰れるほどの圧力であり、もし人間がこんな圧力に晒されれば、当然、内臓が【ピー音】なるほどの力だ。

 もちろん、水圧以外にも深海調査を妨げる要因は多い。通信手段の困難、太陽光の届かない闇、極度の低温、視界不良……。だが、最大の壁はやはり水圧である。この水圧を克服しない限り、深海という未踏の領域に真に迫ることはできない。


 だが――


 それはもはや過去の話である。


 人類の科学技術は日進月歩で進化を遂げ、今や水圧の壁すら突破可能な技術を手にしつつある。ついに我々は、これまで謎に包まれていた深海の真実に、ひとつずつ迫る時代へと突入したのだ。

 マリアナ海溝最深部の調査も完了し、次に我々が目指すのは――


 到達(とうたつ)不能(ふのう)極(きょく)と呼ばれる場所……その名は――〝ポイント・ネモ〟。

 〝到達不能極〟とは、陸上で最も海から遠い地点、または海上で最も陸から遠い地点を意味する。そのひとつが「ポイント・ネモ」であり、南緯49度、西経123度――ニュージーランドとチリのほぼ中間、南太平洋のど真ん中に位置している。


 この場所が発見されたのは1992年。カナダの測量技師、ハオエ・ルカテラがプログラミングを用いて理論上の座標を導き出した。実際に人が訪れたわけではなく、あくまで計算上での発見である。

 〝ネモ〟とは、ラテン語で「誰もいない」を意味し、ジュール・ヴェルヌの名作『海底二万里』の登場人物、ネモ船長にも由来している。

 このポイント・ネモは、あまりに孤立した場所にあるため、海洋生物の数が極端に少ない。プランクトンや魚類ですらほとんど存在せず、生命の気配が極めて薄い〝海の無人地帯〟とさえ呼ばれている。


 だが、深海には我々の常識を超えた生態系が広がっている可能性がある。そこに生きる生物たちは、極限環境に適応し、独自の進化を遂げているかもしれない。なにしろ、ポイント・ネモは人類にとってまだ「わからないことだらけ」なのだから。


 さて、前置きが長くなってしまったが、我々人類は今、ポイント・ネモとその深海への本格調査に乗り出そうとしている。

 果たしてこの地の調査は――人類に新たな希望をもたらす福音となるのか……それとも……



 初めましての方は初めまして。朝月夜(あさづくよ)ではなく、朝月夜(あさつきよる)と申します。


 このたび、二作品目として本作を執筆いたしました。

 拙い部分もあるかと思いますが、最後まで楽しんでいただければ嬉しいです(全10万文字程度で完結予定です)。


 また、代表作として、『異世界に転生した俺はインチキ教祖としてハッピーライフを目指す』も公開しております。そちらも合わせて読んでいただけたら幸いです。


 今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。