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Guardian's2  作者: Radical
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No.8-天使の半分は欲望でできている-

「よし、全員来たな。これより研修を始める。今日の研修は戦闘訓練だ。

前回の研修では一匹ずつと説明を受けていたと思うが、俺の研修はそんなものには囚われない。

レベルを低く設定して、二匹以上との戦闘だ。一匹ずつなど簡単に倒せてしまうからな。

的確に弱点を突き、いかに場を見極められるかがカギになっている。では始める。今回は全員同時に行う。

全員同時に見れるわけじゃないが、一応見て回る。大丈夫。お前らならやれるよ。」


説明を済ませ全員を別空間に転送する。


「んじゃ、研修開始!」


俺の合図と共に研修がスタートする。

まずは臥沼の動きをみる。


少し慌て気味だが、的確に弱点を突いている。

ちゃんと予習してるのか、能力スキルなのか、潜在能力ポテンシャルなのか。

知ったこっちゃないが戦闘能力は高めだな。

バランスよく鍛えていくか。

メモメモ。


次は淡路。

淡路は落ち着いてはいる。

しかし一撃に重みが無いからか、大きいダメージを与えられていないな。

今後の課題は筋力強化か。

メモメモ。

女の子に筋力はあまり必要ないと思うが仕方ないね。


えっと………こいつはチンピラ!

研修に参加してたのか………

強制じゃないのに。


まぁいいか。

全体的にスキがありすぎ。

動きが無駄。

どう見ても、単発重視。

連続的に攻撃ができるようにしなきゃな。


お!

あのロリ少女、大狗!

調べによると恵まれた生活をしていたが、

十三の時、両親が事故死。ショックに耐えられず、両親の死から一週間後に自殺。

らしい。

波乱万丈というか、何とも言えないな。

よほど大事な存在だったんだろう。


うーん。

大狗は淡路と似ているな。

一発に重みが無い。

女の子ってそうなのだろうか。

よくわからねぇ。


だが大狗を見ていて、違和感を覚えた。

敵の攻撃数が少なすぎる。

あまりにも少ない。

バグか?

いや、試験用モンスターは機械を取り付けただけだ。

普通のモンスターとは変わらない。

ならば運がいいのか?

いや、運など関係しない。


ならば能力スキルなのか?


後でもう一度リストを確認しておこう。

アウシ・アタのデータを調べれば少しは出てくるだろうか。

一応カシスにも聞いてみるか。


一通り、見回り、研修終了を告げ、全員を元の空間に戻す。


「よし、良くやったぞお前ら。明日の研修については何の知らせもない。

嫌われてるのか、忘れられてるのか。まぁ、明日に備えておけ。以上!解散。」


研修を終わらせ、ブリーフィングルームで和んでいると携帯端末で上からお呼びがかかった。


──ベーゼ上層部


「お、純哉着たか。」


吉孝だ。いつも通りのスキンシップスマイルを振りまいた。

眩しい!輝いてるよ!


「おお、純哉君。よく来た。」


そう言ったのはベーゼの城主。名前は明かされていない。

なぜ名前が明かされないのか不思議なところだ。


「実は君とタッグを組んでもらう奴を紹介したくてな。きたまえ。」


そう呼ばれると奥から少女が出てきた。

大狗紅葉だ。

俺が受け持った研修生の一人。


「大狗とは、既に面識があるだろう。キミなら任せられると思ってな。」


「いや、それはいいんですが、なぜタッグを組むことに?」


疑問に思うことはそれだけでない。

城主に問い詰めた。


「それに、研修官は他に何人もいるでしょう。吉孝あたりが適任かと。」


ハハハッと吉孝は笑っている。


城主は俺の質問に対し、静かに答えた。


「彼女が言いだしたことなんだ。やはり、意見というものは重視すべきだろう?」


正論ありがとうございました。

実際面倒だっただけです。

すいませんでした。


「では、同じ部屋を使ってくれたまえ。キミの部屋はもともと八人用だろう?」


「え!?お前八人用の部屋使ってんのか!?」


吉孝が驚きながら問いかけてきた。

無理もない。

普通八人用というのはパーティを組んでいる奴らにしか与えられない。

一人で使うこと自体が前代未聞なのだ。


「そういう事だから、よろしく頼むよ。」


威圧感に押され、しぶしぶ承諾。

いや、とっても嬉しいことなんだけどさ。

こんなエロゲ展開。


あんまりしゃべったこと無かったけど、勇気を出して聞いてみる。


「な、なんで俺がよかったの?」


「………ご飯奢ってくれたから。」


静かな子だな。随分と。


「そ、そうなんだ。えっと………これからよろしくね。」


「………よろしく。」


なんか話づらいな。

うーん………

ちょっと不安だな。

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