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Guardian's2  作者: Radical
22/48

No.18-クピド・アモル顔合わせ式-

クピドはローマ神話の愛の神。

英語読みでキューピッド。

アモルは同じくクピドを表す。

強調的な言い方ですね。

店内は洒落た雰囲気に包まれ、和やかなムードが漂っていた。

出迎えた一人は軽く会釈をした。


「お待ちしておりましたよ。どうぞこちらへ。」


店員(?)に先導され、奥の部屋に連れてこられた。

バーの裏はとてつもなく豪奢な作りになっていて、

ホテルを思わせる位に広い。

またこの部屋も、バーの数倍はあろうかという広さを誇る。

表面上からは想像もつかない広さだ。

大理石でできた一本道、真ん中には蒼いラインが入っている。

薄暗く、大理石でできた柱のせいか、どこか神殿を思わせるような作りになっている。

さらに一番奥には超巨大な水槽が見える。


「どうも。」


水槽の手前の仕事机に少年が腰をかけていた。

物静かで表情もほとんど変えない。

少年はドレスを身にまとい、六枚の翼を少し動かしていた。

本物の天使を思わせるかのような幻想的な恰好をしていた。


「あ……どうも。」


純哉が返事を返してみた。


「………」


対応に困った五人は目と表情で話を始める。


(おいィ!何なんだこいつァ!)


(知らん!俺が聞きたいくらいだ!)


(紗衣、純哉。二人とも慌てるな。)


(ヒュヒュヒュ。)


(むー。あの人怖い。)


(紅葉が怖がってるじゃねーか!)


(知らねェぞォ!そんなこたァ!)


(紗衣………)


(うゥ………)


「あぁ。ごめんなさいね。コイツどうも人が苦手で。」


そう言って一人の少年が部屋に入ってきた。

少年は髪にピンクのメッシュが入っていて、

髪の毛の色は黒とピンク。

服装も黒とピンク。

パーカーを羽織っているが、パーカーの色が黒で、ファーはもちろんピンク。

だがどのピンクも淡いピンクで、どちらかと言うと桃色と言った方がいいかもしれない。

ピンクよりも儚いピンク、という何とも言えない色合いを醸し出している。


「………んぁ!」


「あ!え、えっと、なんかおかしいですか?あ、ふ、服装の方はあまり気にしないでくださいっ。」


慌てふためく少年。

どうやら自分でも奇抜という感覚はあるらしい。


「い、いや。別に何でもないよ。」


「あはは……あ、僕はですね、ラビットと申します。本名はナイジェルですけど。」


「「「「「ラビット?」」」」」


「え、えぇ。僕元々はディアブロの構成員なんです。あ、あそこに座ってる彼も。

彼は鹿ディア。無口で無愛想な奴でして。好印象は持たれにくいと思いますが、良い奴です。

えっと、ディアの本名はレニーです。」


ラビットは簡単な自己紹介を終え、仙寿が質問を始めた。


「ヒュー。そういや、クピドは何人かディアブロの構成員がいるらしいな。何人いるんだ?」


「僕とディアを含め、四人です。も、元々ディアブロの中でも特に上、ゾディアックの上にいた四人です。

俗に『四天よんてん』と呼ばれ、実質ディアブロのリーダー格でした。

キュ、キュウの方が強かったんですけど、彼自身ゾディアックが良いと。」


「ヒュー。目立ちたくないのか、スパイとしては動きやすかったか。ヒュヒュヒュ。」


「で、でも僕達四天とゾディアック以外の構成員は知らなかったはずです。」


すかさず次の質問に移る仙寿。

なるべく不思議に思ったことを聞くつもりだろう。


「カーラの野郎は?ヒュヒュヒュ。」


「カ、カーラさんは特例です。カーラさんは優れた能力を持ち合わせていたので。

そ、そう言えばカーラさんの能力の一部は純哉さんに渡ったんでしたよね?」


「「「「え(ヒュ)?」」」」


周りの四人が驚くのに対し、純哉自身もそうだっけ?と言いつつ笑っていた。


「あー、そう言えばそうだったな。忘れてたわ。あははは。」


「ヒュヒュヒュ。へぇ、今度見せてくれよな。」


「そいつで俺と戦えェ!」


「くっ……俺に掴めていない情報があるとはっ……!まだまだ未熟よ………!」


「ふぇ?」


三人の様々な反応に相反し、紅葉だけはキョトンとしていた。


「え、えっととりあえず僕は挨拶の準備を整えてきます。」


そう言い残し、ラビットは部屋を後にした。


──数分後


「…………」


「おい!何か話せよ!ディア!お前それでも長か!?長なのか!?」


「…………?」


「おいぃ!お前なんで首をかしげるんだよ!今顔合わせなの!大事なイベントなの!」


「ハッ!」


「!?」


「そ、そーなのか!?」


どうやらディアは本当に話が苦手らしい。

しかも聴く力も低いと思われる。


(ヒュヒュ。これがクピドの長なのかよ。)


そう隣で笑いながら仙寿が呟いた。


「え、えーっと、じゃあ僕ことラビットが幹部の自己紹介を進めますねっ!」


ソファに座らされた純哉達がパチパチと拍手をする。


「あ、ありがとうございます。えっとじゃぁ……プッシーから。」


ニャっと言い席を立ちあがる少年。

幻想的な衣装に身を包み、猫耳と猫尻尾が付いている。

目は緑色、髪は茶色。

何とも不思議な青年だ。


「ニャニャ。プッシーです。一応ミーもディアブロの四天の一人でしたニャ。

本名はディオスですニャ。よろしくニャー。」


ニャーニャー言いながら席に座りなおすプッシー。


「次は私ですかえ。」


翠色の着物を着た七本の尾が生えている女の人が立ち上がる。


「私はフォックス。まぁ雌狐ですわい。一応狐耳も装備の完全な萌えキャラですよぅ。

一応私も四天の一人でした。これからよろしくお願いしますね。

あ、本名はですね、楓と言うんです。日本名ですよ。」


フォックスは自分の席に戻り座りなおす。

黒く動きやすそうな着物を着た男がその場で立ち上がり、自己紹介を始めた。


「次は俺か。めんどくさいからこっからするぜ。俺はハウンド。元ディアブロだ。よろしく。本名はアルバード。」


ハウンドは簡潔に自己紹介を済ませ、椅子に座った。

仮面をつけ、長い烏帽子のようなものかぶった赤い髪の男も立ち上がりその場で自己紹介を始めた。


「クキャ。次は俺かな。クキャキャ。俺はクロウ。よろしく。俺の本名はシャルキでぇす。」


クロウも簡単な自己紹介を済ませ、椅子に座る。


「えーっと、僕かな。最後は。」


そう言ったのはさっきディアにツッコミを入れていた少年だ。

水色と白を基調とした服装に身を包んでいる。

これまたドレスの様なものを着ている。

上級天使のような品格がある。


「僕はホース。本名はイスティールです。ディアと合わせて馬鹿と呼ばれてます。あははは。」


笑いを絶やすことなく、ホースは席に座った。


「えっと、他のシープベアウルフは別任務中で。明日には帰ってくると思います。

あ、もう幹部には皆さんのことは伝えてありますので、自己紹介はしなくても大丈夫ですよ。

それと、私達は基本的に本名で呼び合っています。皆さんも本名で呼んでくださいね。」


笑いながら兎ことナイジェルが説明を終わらせ、顔合わせは終了した。

うはは

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